2021年9月に観た映画や、映画以外
9月もめちゃめちゃ元気だったみたいでいろんなものをいろいろ摂取してる。演劇配信をいっぱい観てるみたいです。
★2021年9月に観た映画(7本)
1.お嬢さん
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B074TTK456/ref=atv_dp_share_cu_r
あまぷら見放題に入ったタイミングで観ました。もう何回目か思い出せない。何回観てもめっちゃおもしろいなあ……
2.シャン・チー/テンリングスの伝説
映画館で観ました。スーパーヒーローもの、全然得意じゃないので、予告編は何度も見ていたものの全然観るつもりなかったんだけど、アジア映画らへんでめちゃ評判がいいのとなんかわからん顔のないもふもふしたやつが気になったので観にいきました。そしたらほんと観ず嫌いしなくてよかったな、って感じのおもしろさだった。モーリスもめちゃめちゃかわいかった。
ちょうど2021年はモーコンとか観てあちこちでハリウッドで活躍しているアジア系俳優をちょっとずつフォローするようになって、なのでその文脈のことを思って、足場バトルのところでめちゃくちゃ泣いてた。この涙はなんの涙なんだよ、って思う気持ちもいっぱいあるんだけど、アジア映画の文脈、踏まえたいなあ(なのでアジア映画をもっといっぱい観るぞ!)という気持ちになりました。
あと私はオーシャンズ8で観て以来オークワフィナがめっちゃ好きなんですけどケイティが本当に最高だった。もともとのケイティというキャラクターの最高さもあるだろうしそれを演じているオークワフィナのこともめちゃくちゃ好きなのでもう、シャンチーとのベストフレンド観もすごい絶妙で(正直けっこうはらはらはしていたのだけど)本当にありがたかった。OR~~~~~~~????されたい。モーコン以来マーシャルアーツのよさがめちゃくちゃわかるようになった結果楽しめる映画が更に増えて、本当にありがたい。
3.ザ・スーサイド・スクワッド
この日、実はシャンチースースク孤狼の血2というやばい3本立てをして本当にわけわかんなくておもしろかった。実はオリジナルのスーサイドスクワッドを観たことがなくて、ハーレイちゃんのこともバーズオブプレイしか知らなかったんだけど、バーズオブプレイのハーレイちゃんはときどき正気をちらつかせたのに対しザスーサイドスクワッドのハーレイちゃんは正気のしょのじもなくってほんとそれも最高だった。ハーレイちゃん大好き。ハーレイちゃんがチェルシーみたいなお花を散らしながらどんどん人を殺していくところ最高だった。あと主人公のおにいさんがネズミを怖がるところが不覚にもめちゃくちゃかわいかった。ネズミのおねえさんもめっちゃかわいかった。ナナウエもめっちゃかわいかった。ポルカドットマンもめっちゃかわいかった。ポルカドットマンのいまヒーローだ!!ってとこ、全然泣くシーンではないのに泣いてしまった。私が文脈を踏まえてないからわかんないのか本当にむちゃくちゃなのかもわからなくて、でもときどきこういうわけわからん映画を観ることによって気持ちが最高になる。私自身の正気も担保される気がする。どのようなメカニズムかはともかく。
4.孤狼の血 LEVEL2
邦画あんまり得意じゃないのでふだん観ないんですけど、これはかなりつよいおすすめがあってそれじゃあ…と思って観にいったら最高の暴力で最高になったやつでした。おすすめ本当にありがとうございます。前作ではかわいい広大だった松坂桃李さんがこわくてえぐいひいさんになっていて、でも日岡には本当は何にもなくて、いろいろやったけど本当に空虚だった、その結局は空虚なんだよっていうところをこれでもかとやってきてありがたかった。最後の手錠のまま車を運転して衝突して鈴木亮平と泥仕合も泥仕合を繰り広げるところアシュラのシャブ積んだ果物市場の車とのカーチェイスを彷彿とさせてくれてほんとうに暴力映画としてかなり最高でした。村上虹郎さんも本当によかったです。
5.シャドーオブナイト
モーコンでビハン役のジョータスリムさんが出ていたので観ました。インドネシア映画、初めて観たんだけど、スプラッタのえぐさとステゴロシーンの長さ丁寧さいろんなものを武器として使うところとかがかなりよかった。物語の展開はなんかめちゃめちゃに早すぎてよくわからんところがちょっとあったんですけど、とにかく苛烈な暴力映画が観たいというときにすごくおすすめです。タスリムさんとイコさんの間になんかすごい感情があったことはわかったんだけど何なのかがよくわからなかった…あと、ファティというとってもキュートなおにいさんが出てくるんですけど、めちゃくちゃホットですっごくキュートなので観てほしいです。
6.カジノロワイヤル
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00JA536G6/ref=atv_dp_share_cu_r
スパイものが好きといっている割にはボンドは一作も観たことがなくて、このたび新しい映画が公開されるといっていたのでそれならダニクレボンドだけでも予習しときたいなと思って見ました、けど、合わなかったな…ぴかぴかの車とか女たらしとかをあんまりいいってわたしが思わないからだと思う…
7.クーリエ 最高機密の運び屋
映画館で観ました。すごくよい映画だったがすごくしんどかった、史実を下敷きにしていると知っていたからよけいしんどかった。あとほとんど工作という評を信じて見に行ったらある意味ほとんど工作だったけどある意味では工作のようにはならなく(これはクーリエも工作もわるくなくて私がわるい)それでよけいぎりぎりまで助けを信じてしまって、でもあのとき暗闇にひらめいた光それが救いの光なのかもしれないけどそんなつらいことって……すごくいい映画でした。でもいい映画なだけにつらい。
☆2021年9月に観た映画以外
・ブルーストッキングの女たち
ズベズダの予習として青年座を観ておこう…と思って観ました。最初の方に日本のいわゆるストレートプレイと青年座について解説がついていて、わかりやすくて本当にありがたかった。大杉の話はインテレクチュアル・マスターベーションのことが念頭にあったためにそうだよな青鞜社からもこっちへの道があるのか…!と思って日本史の復習をする思い。新劇、というやつ、それこそ小学生とか中学生の演劇鑑賞会ぶりくらいに観て、すごい、劇劇している…!(演劇らしいの意)と思いました。
・夜会行(鵺的)
これもおすすめしていただいて配信で観て、そしたら本当に本当に観てよかったなという気持ちになったやつです。女の人5人の演劇なんですけど、恋人どうし同居している二人だけが最初舞台にいて、でもそこにお友達が来て、そしたらまず手を洗うし、乾杯するときはみんな背中を向け合って乾杯して、それがなんか、あ、いま、いまこのときだ…!!!とこの2021年9月のときには思って、その時点でもうだいぶわ~~っとなっていたんだけど、若い女がいまこのときにこの場所で生きていく、といったときにかかってくるしんどみが五者五様にあって、ほんとうは(ほんとうって何?)ここで支え合っていかなきゃ、でもそうやっていつもそうできるわけじゃない、でもほんとうのほんとうは支え合わなくたってやっていけるように社会の方がなるべきなのでは?と思ったり、劇中に出てくるひとたちは私とかぶる属性もあればかぶらない属性もあり、でも、ほんとうはぴったり同じじゃなくたって共感したり共感しなくたって支えたり手伝ったり一緒に生きたり、できたい、できるはずだ、できなきゃとまではいいたくないけど、でもある、この種の苦しみは、ある!!!!!!あるということを描いてくれてありがとう(描かれないものはしばしばなかったことになってしまう、それだったら、どれほどつらい苦しい汚いものでも描かれた方がよほどいい、というのが最近わたしが思っているところなのでというのもある)って思って途中からもうびしゃびしゃに泣いてしまった。いまこれをかきながらも思い出してちょっと泣いてる。上のURLから観劇三昧で配信始まったんで観てください。観てほしい。すごく極悪クソ人間じゃない、ふつうの、ふつうとされる人間がいかに人間を酷く酷く傷つけるか、それで、でももし横にそうやって苦しんでいる人がいたときに、できることはある、って思いたいなあって思わせてくれるはなしでした。観てほしい。
・リリウム
トランプシリーズはこの時点でグランギニョルまで見てて、リリウムだけ観たことなかったんですけど、このたび見せていただきまして、本当に本当にマリーゴールド観た!!???ねえこれ作ったひと、マリーゴールド観た!!???って思いました。こんなにかわいいのにこんなにえぐい。あとファルスの工藤遥さんが声も背格好もほんとに理想の美少年で、特に声が少しハスキーなところがほんとに少年ですごかった…バクステ観るとほんとにみんな年端もいかぬ少女でやばいんだよな。なんて演劇を演じさせるんだ。
・カラマーゾフの兄弟(読了)
日曜夜の読書会でちまちまと読んでいたカラマーゾフの兄弟を2021年9月ようやく読み終わりました!!!!!!いやほんとにおもしろかった。イワンが好きすぎる。カラマーゾフの兄弟はねたばれをなるべく踏まずに読了してほしいと思いますのでここに詳細は記しませんがまじでほんとうにおもしろいので読んだ方がいいですよ。
・丘の上、ねむのき産婦人科
Aを同時視聴、Bはひとりで観ました。どちらかというとAの方がよかったと思った。
ときに私自身の話ですが私自身はたぶん人間を生産することはないと思うんだよね(そのようなつもりはないので)。そのうえでいちばんしんどかったのはふたつ目のキャリアとこどもを天秤にかけさせられる話、いちばん楽しかったのはスプレッドシートの話、いちばん観ていて居心地がよいなと思ったのは李そじんさんと東谷さんの話。いろいろ思ったこともあったのだけど同時再生のときに感想をぽちぽちと流したので気が済んでしまっているみたいだ…
読書会で読みました。初読ではなくて、本物のこどもだったときたぶん岩波少年文庫とかで読んでいるんだけど、忘れてたのか完訳じゃなかったのかけっこうこのたび初めて読んだエピソードとかニュアンスとかあるなって思った。私も違う人間になってるし。今回読んで一番好きだなと思ったエピソードは家出して島で数日暮らすときたばこをハック以外のふたりが無理して吸って気持ち悪くなってるとこ。かわいい。
・三人姉妹
たぶん前読んだのとは版違いで読んだのだと思うけどなんで読んだんだったか忘れてしまった…もっとちゃんとメモしといてください。はい。
・湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。
野木萌葱先生脚本の、めちゃくちゃたのしみにしていたけど、感染状況的にあきらめて、払い戻してしまった、それをこのとき初めて配信で観ました。パラドックス定数は多くても5人とか6人とかそのくらいのことが多いので湊横濱はひとがたくさん出てて新鮮だった。タケと晶くんが好き。晶くんと瞳さんの感じも好きだな。最初こども世代が三人吉三だと思っていたのだけどそうでなくてなんだなんだその強感情もうちょっと詳しく見せてくれませんか!?世代ごとに三本連作とかで!!!と思った。ヒトガタちゃんも好き。横濱だからってのもあると思うけど、鯨楼はちょっと村山早紀の気配があるよね。中で起こっていることは一ミリも村山早紀ではないのだけど…
・ズベズダ 荒野より宙へ
私はこれめちゃめちゃ好きだったなあ……だって好きな要素しか入ってないんだもん。まず野木萌葱先生の脚本が好きだしソ連も好き、ロシアも好き、宇宙開発も好き、技術者の話も好き、全部好きで、シアタートラムに観にいったんですけど、途中休憩ありの長丁場で、はあもうおなかいっぱいありがたすぎる……って思いました。グルシュコさんがよすぎるんじゃ。私が見に行った日、雨が降っていて、雨降りのなかを途中まであるいて、行きはそれでも残り半分くらいはバスに乗ったんだけど、帰りもいいところでバスに乗ろうと思って歩き出したけどあまりによすぎてぼんやりして家まで歩き通しちゃった。そこそこ距離あるのに。私はもうほんとうに技術の話が好きになってしまってそれってどうなのちょっと(なぜなら技術の向上は簡単に他の様々なもの、たとえば国家の威信などと結びついてしまいやすいものだから)と囁く声もわたくしの一部にはあるのですがそれでも好き。スターリンの死のシーン、ほんとうに示唆の巧みさに、演劇だ!!!!!と思ってざあっと鳥肌が立った。これももう途中からわけわからんくらい泣きながら観てたな。シアタートラムいくと泣きがち。すごくよかったのだけどリアルタイムでたくさん感想書きすぎて気が済んでしまっているみたい、思い出したら追記します。やっぱ見た瞬間感想を書くしかないな。
・一九八四年
読まねば読まねばとずっと思っていたがこのたびようやく読んだ。すっごくおもしろいかって言われるとそれなりだけどやはりこれを下敷きに諸々が描かれていたのだなあと言うことがわかって解像度がごりっと上がりました。ガラスの文鎮が好み。解放とセックスが直通なのはあんまり好みでない。暴力は好み。拷問はめちゃくちゃ好み。揶揄にしたって直接的だけど解説と本編の間に入っているニュースピークの説明と、それはこのディストピアに終わりが来て、終わったあとに書かれていると読めると解説に書かれていたその迂遠な救いは好みだなあと思った。
・外の道(配信)
外の道配信をみてようやく、劇場で観た方がいいってどういうことかすごくよくわかった。カーテンを閉めても部屋には光が入ってしまうし、ノートパソコンの画面から闇を呼び出すのはすごくちからがいるけど、劇場に呼び出すのはほんとにたやすい。
・CLUB Slazy
くそつらかった学生時代スレイジーのドラマがおれの魂を救っていた時期が確かにあったんだ。と思って円盤ボックスを入手して最初の無印を観ました。やっぱ落ち着くんだよなと思ったし、歌が全体的に好き。舞台観れるかも、人間観れるかも、のかなり初期体験なので、あんまり冷静に考えられないんだけど、この先ももうなんにも考えられなくなったらスレイジーを観ればいいやと思ったらけっこう魂が救われる。いいですよ。
・社会主義と個人
ズベズダ予習がしたくて、ここらでちょっとちゃんと社会主義てかソ連のことしっとくかと思って読んだシリーズ。書かれていることより書かれていないことの方がおそろしい。
ズベズダ予習がしたくてソ連とロシアを知ろうとしたシリーズ。こっちは、ロシア革命当時の三文新聞記事をリミックスしたやつなんだけどこれがなかなかめっちゃおもしろかった。革命によってピーテルの治安がどんどんおしまいになっていくのがすごくよくわかって、最初は泥棒とか入りまくってやばかったんだけど、市民がそのうち泥棒をなんとかいう呼び方のリンチをするようになって警察が逆に泥棒をかばうみたいな、更にやべえことになっていて、世界史の教科書には描かれないタイプの市民生活だ…と思ってめちゃめちゃおもしろかった。時代的には全然ズベズダともドストエフスキーとも違うんだけど勝手にロシア改造度がごりごりと上がった。
・鳥髑髏
鳥髑髏このとき途中まで観て、時間がなくて観さしてまだ観終わってないんですよね。みなきゃ。
・アンブレラアカデミー9話と10話
これも8話までで長らく観さしてあったのをこのときようやっとシーズン1を見終えた。こんなつづく!って終わり方ある!?!?兄弟の上の方に感情移入するのが私の常ですがここんちの上の方の兄弟は全然感情移入できるタイプじゃないからむしろヴァーニャもっとやったれ!!と思っていたのでやや不完全燃焼。シーズン2でヴァーニャがもっとやってくれると信じてる。(みなさい)
・都会のトム&ソーヤ 6と7
まちとむもリアルタイム小学生だった時分にずいぶん楽しんで読んだんだけど自分が内人くんや創也くんの年齢を超えた瞬間読まなくなってしまったな…と思って、このたび読書会でトムソーヤの方を読んだのでそういえばと思って続きから読んだ。でもこのあとまた読んでない。読みなさい。読むぞう。
こうして並べると9月は過去の回収もしようとしててえらい。しかしなにがどうなったらこんなにたくさん本を読んだり映画を観たり配信を見たりできたんだ。元気がありすぎる。あやかりたい。
演劇配信でも劇場でもこころをぐらぐら動かされて私はけっこう悲しいわけでなくても感情がぐらぐら動かされると赤ちゃんみたいにめちゃくちゃ泣いちゃうのでだいたい泣いてる。人間がそこにいてなんかやっているというのはなんかそういうおそろしさ、おそろしさでなくてもひとごとにさせてくれない強度がある。そういうよさなんだなあ、というのがわかりつつあります。