見た映画を記録する

毎月観た映画と映画以外を記録しています。

2022年2月に観た映画や、映画以外

 2月もしごとは忙しかった覚えがありますが、このへんから正気に返ってというか、むしろやけになってきて、わりとまあまあ本読んだりしています。いいぞ。体力つけていこう。

 

☆2022年2月に観た映画(4本)

1. ディヴァイン・フューリー 使者

klockworx-asia.com

 ちょうどディヴァインフューリーの前売りが出始めた頃映画館に行きづらくなって、観たかったな、と思ったまますっかり時が経ってしまい、このとき初めて観ました。案の定おもしろかった。めちゃくちゃ元気になった。思ったより殴ってた。闇の司祭がなんかを沼に捧げるたびサメみたいなのが泳いでるのが見えていいな~と思っていたけど、最後の手がいっぱい出てくるところとか、本当に本当にクリーチャーの造形が好みで、めちゃくちゃよかったです。パクソジュンさんもめちゃくちゃつよくてよかった。アン神父もかわいかった。

 

2.ソン・ランの響き

www.pan-dora.co.jp

 Gyaoで観ました。話に聞いていた通り、これがもう、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ、めちゃくちゃよかった。思ったより素直な話だった。伝統芸能、青年と青年、ときて、やっぱり覇王別姫のことを想起せずにはいられないんだけど、タイムスケールがソンランの響きはずっとずっと短くて、あの夏、あの夜、その数時間が、どれくらい深い深い傷になり得るだろうか……みたいな話なんです……ものすごくうつくしかった。あらゆるカットが本当に気持ちよかった。映画として手のひらの中に囲っておきたいくらいぺらぺらページをめくって楽しみたいくらいすごくきれいだった。

 アイザックさんのInstagramをフォローしているんですが、リンフンみたいなきついお顔はほとんど見せない(あたりまえかもだけど)きらきらアイドルの姿なので…夢みたいな映画だったな…と思う。物語はつらいんだけど、あまりにもうつくしくまっすぐに傷つけられたので、こういうふうになるようになっていたんだなあ、という気持ちになって、不思議とダメージを感じない、みたいな感じ…

 

3.エクストリーム・ジョブ

klockworx-asia.com

 映画館で2020年のお正月に観て以来、2回目に観ました。たぶんみんな怪物ではぎゅんさんの話してて見たくなったからかな…私はエクストリームジョブのオジョンセさん演じるチャンシクくんことテッドチャンとはぎゅんさん演じるイムベの組み合わせが当時めっちゃ好きでたくさんたくさん幻覚も観たものですが改めてみたら全然幻覚じゃなかった。ほんとになかよしだった。ね、チャンシクくん(だいたいテッドチャンなんて名前してるから悪いんだよ…なあにその名前…かわいい…)。よくできてる映画は何回観てもおもしろい。

 

4. JSA

cinerack.jp

 JSAもはぎゅんさんが出てる映画観たくて、このとき初めて観ました。

 まじめな話なんですけど、やっぱ朝鮮戦争を描いた映画、映画がめちゃくちゃよくできていて、ものすごくおもしろい映画であればあるほど、ちょっと待って、これ、わたしが(ここにいるわたしが)楽しんでいいやつか?という気持ちがないでもなくて、でも映画があるからわかるようになるぞ絶対にという気持ちになるんだよな…と思いつつ…結論なしです…結論が出るタイプの話でもないので…

 当然も当然なんだけど映画として本当におもしろくて、あとカメラが結構ぐるぐる回ってそういう意味でもおもしろいし、時系列の切り方とか、そういうことだったのか!って、青年たちはみんな素直で、そういってよければ本当に普通の青年なんだよね、若いはぎゅんさんもガンホさんもイビョンホンもむかしから本当にめちゃくちゃ良い、ていうか若はぎゅんさんほんとちっちゃくてよく跳ねる子犬みたいで本当にかわいい、でもだからこそ本当に本当に本当に苦しい映画なんだよ。でもめちゃくちゃおもしろいんだよ。矛盾しない話なんですけど…観てよかった。このへんの映画、避けていたというわけではないんだけど、あんまり観ていなかったので、観たいな。観よう。

 

★2022年2月に観た映画以外

ロミオの青い空

www.nippon-animation.co.jp

 Youtubeで無料配信しているとの噂を聞きつけ、こどものとき黒い兄弟を読んでめちゃくちゃおもしろかった記憶があったので、よっしゃ絶対観るぞ!と思って気合いを入れたはずなのに1話しか見なかったな…と書こうと思ったんですが、なんと今検索していたらあまぷらで全話見放題であることに気付いちゃった!!やったね!!観るぞう!!1話から悪者がおれは仲のいい家族が嫌いなんだよと行って畑に放火するなどしていて展開がめちゃくちゃ早そうでよさそうだなと思いました。

 

・12万円で世界を歩くリターンズ

publications.asahi.com

 私がこの世で一番大好きな劇団であるところのパラドックス定数の劇団員であるところの私がめちゃくちゃ大好きな俳優であるところの小野ゆたかさんはときどきブログを書いてらっしゃるのですが、今年に入って、ときどき読んだ本を紹介してくれるようになって、そんなの読みたいに決まってるじゃないですか。ということで、読みました。リターンズと書いてあるのの意味を迂闊にも読み始めるまでわかっていなかったんですが、12万円で世界を歩くという前作があり、そのコースを時間の経ったいまふたたび歩き、比較する…という本でした。郷愁の色が濃くて、旅行したいなって気持ちにはあんまりならなかったけど、年を取るとめちゃくちゃな旅行をするのが厳しくなってくるということはすごくよくわかったので、わかいうちにめちゃくちゃな旅行をするべきだなってつよく思いました。

 

老人と海

www.shinchosha.co.jp

 これも小野さんが読みましたとブログで言っていたので読みました。でも、もしそうじゃなかったとしても、いつかは読みたいなとずっと思っていて、ていうか図書館で借りるまでしたことあったのだけど、タイミングが合わなくて、そのときは借りるだけ借りて読まずに返してしまったのだけど、夏に読んでいたら本当にじりじりと暑かっただろうな、と思いつつ、でもものすごくあたりまえのことを書きますけど、ほんとうに鮮烈なので(新訳だからというのもあるかもしれない)冬でも全然暑い、ということがわかるので2月に読んでよかった。手が痛いこと、喉が痛いこと、背中が痛いこと、生でかじるカツオや、一緒に泳ぐ大きな大きな骨、最後の最後の締め方まで、ど好みだった。よかったね。人生にはまだまだ読んでないそして読んだら当然最高におもしろい本がたくさんたくさんあって。いい人生だ。まじで。

 

・鵜頭川村事件

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 これも小野さんがおすすめしてたので読んだシリーズ。人が厭なタイプのサスペンス、自分では絶対選ばないタイプのジャンルなんですけど、読んでみたところこれがなかなかけっこうかなりおもしろくて、本当にありがとうございますって思った。最終的にめちゃくちゃ暴力になっていくんだけどその暴力の堰が切れるあたりの感じが私が普段好むタイプの映画と近くて途中まではどろどろ厭厭な感じだったのにそれだけに破滅してからの展開もよくてオチもなかなか好みだった。そしていま検索していて気付いたんですけど今年の夏わうわうでドラマ化するんですね。もしかして…もしか…して…いや…わかんないですけど…でも…キャストはまだ出てなかったです。

 

・白痴

www.shinchosha.co.jp

 2021年10月から読んでいた白痴をこのときようやく読み終わりました。途中ちょっと休んでいたときもあったけどのべ5ヶ月かかってるな。どうしてこんなにかかったかというと、これまで読んだことあるドストエフスキー罪と罰とかカラマーゾフとか悪霊とかは、けっこう間断なくなんらかの事件とかどきどきするできごとが起こり、心の安まる暇がないジェットコースターという感じでそれが大変好みだなあと思っていたのですが、白痴は基本的にずっとロシアの社交界が舞台なんですよね。来る日も来る日も、誰かのお屋敷に行って、誰かの噂話をする、パーティをする、みたいな…ときどき札束を焼いたりしているけど…それが私にはややしんどくて、それに主人公のムイシュキン公爵が大変かわいいんだけどその社交界のルールから外れた言動をしているのがいたたまれないことがときどきあり…でも、もし、私と同じように白痴を読んでいて、いやこれほんとにおもしろいか?大丈夫か?と思っているひとがいたら、絶対絶対絶対絶対絶対絶対最後まで読んでくださいといいたいです。未読のあなたの読後感を損ないたくないのでこれ以上なにも書きませんが本当におもしろいので読みましょう。読んでください。百合もあります。

 これでドストエフスキー5大長編も残すところあと未成年だけなんだけど未成年こそは本当におもしろポイントを掴みかねていて2022年6月現在ちょこっとだけ読んで手をつけかねている…未来の私…未成年のおもしろポイントを教えてくれ…とにかく白痴は本当に読んだ方がいいですよ。おもしろいので。

 

・卍

www.shinchosha.co.jp

 小野ゆたかさんが読みましたと言っていたので読みましたシリーズ。あのね、大谷崎に対して言うことじゃないんだと思うんだけど、ほんとうに、ほんとうにおもしろいですよ。この世で一番当然のこと言っちゃった。でも谷崎、読みたいな、読んだらおもしろいに決まっているだろうな、と長年思っていつつ、今ひとつ手をつけかねていたので、小野さんのおかげで読めて本当によかった。大好きです。

 ところで物語ですが、ど百合です。ほんとになんか…これも大谷崎に対して言うことじゃないんだけど…女の子どうしってこの子とずっといるとだめになっちゃうんだよな、この子といるときの私、好きじゃないな、この子に振り回されてばっかりだ、って思いながら、どうしてかどうしても離れられないことってあるじゃんか、それがそっくりそのまま型抜きして持ってきてあるんだよね…すごいよね…文庫の装丁もよい。あと私は生まれてこの方東京より西に足を踏み入れたことが数えるほどしかないので、大阪のおんなのひとの喋り言葉が(解説を読むと、卍を書いた頃、谷崎は大阪に引っ越したばかりで、谷崎もエキゾチックなものとして関西の言葉を写しており、ところどころ間違っているところもあるとのことなのだけど)ほんとにどきどきしちゃうんだよね…

 

冒険者たち

www.kaat.jp

 人生2回目のKAATでした。卵から孵って初めて観た劇団がパラドックス定数だったからなんとなくこれまでおもため演劇ばっかり観ていたんだなあ、って、冒険者たちを観て、こんなにかるくてあかるくてあったかくてふわふわたのしい演劇もあるのか!!!って、こういうのも好きかもって、すごく思った。神奈川県役の成河さんもほんとにくるくると着替えて演じて歌って踊って、すごく好きになっちゃうって思った。。園長のことも好きになっちゃうって思った。ていうか園長って何…ゆるすぎる…伊豆は静岡でしょ…まあいいのよ。そういうのは。でも六根清浄、六根清浄、って登っていくとき、白龍が本当にすごく大きい桶をしょっていたところはけっこうぞっとしたし、みんなで祈るところ、蝶が来るところとか、何の涙かわからん涙が出そうだった。でも基本的にずっと笑ってた。こういう演劇もあるんだなあ…お~じゃにとぅざうぇええええ~~ってずっと心の中で歌っちゃう。せっかくだからyoutubeにある動画も見てって。

youtu.be

 

・旅する力 深夜特急ノート

www.shinchosha.co.jp

 これも小野ゆたかさんがおすすめしてたシリーズ、かつ、深夜特急を一冊も読んだことがないのにここから読み始めちゃったシリーズ。でも、逆にここからでよかったのかも、って思った。深夜特急を書くことになった経緯とか、その前に何してたのかとか、そのあとに何していたのか、とかが、本当に平易で読みやすい言葉で書いてある。読んでよかった。旅してみたくなっちゃった、とどうじに、こういう旅、私にはできないだろうな、ということもすごくよくわかって、うちのめされるような気持ちにもなった。沢木耕太郎、名前は知っていたけど、ひとつも著作を読んだことがなかったけど、まず文章が本当に水みたいに読みやすくて、この文章で書かれたらなんでも読んじゃうだろうな、と思って、文章の巧さにくらくらした。

 

・熱血司祭

culture-pub.jp

 Gyaoで途中まで追いかけていたんだけど、途中で更新スピードについていけなくなっちゃった…でもチャンスがあったらまた追いかけたい。おもしろそうだったので。イハニおねえさんの男社会で生きてくぜ感がえぐくてこのこれきっとあとでなんかめっちゃあるんだろうなって思ったしそのきっとひっくり返されるなんかを見届けたい。あとキムナムギル、わたしのファーストキムナムギルが熱血司祭でよかったのかっていうと完璧よかった。こんなにうつくしいのにどうしてこんなにむちゃくちゃなことするんだよ。足が長いし暴力がすごい。連載誌が青年漫画雑誌。弟分の司祭となかよしなのかわいい~と思っていたけどそのあとからやはりなんだかんだ仲良くなるみたいでそれもチャンスがあったらまた追いかけたい理由のひとつ。

 

・ツインスター・サイクロン・ランナウェイ

www.hayakawa-online.co.jp

 私がこの世で一番大好きなSF作家が小川一水だって話、したっけ。まだしてなかったら今するね。SFの卵から孵って最初くらいに読んだのが小川一水で、いまもずっと好き。それに、小川一水の特に好きポイントというか、特にずっと好きでいるポイントとして、書くものが、ずっと未来へ、というか、今から向かっているから、ほんとに信頼できるから、小川一水が書くものを読むと、人間を信頼できるような気持ちになるから、小川一水作品が人間を好きだから、っていうのがあります。

 好きな作家の項で好きじゃないかもしれないものに言及するのはなんですが、この数年のハヤカワの百合SFの売り方、ちょっと、そんなに読んでないのにこんなこというのもなんだけど、ちょっと信頼できないなって思うところがあって、それで、小川一水の新作であるにもかかわらず2020年に出た本をここまで積んできて、でも、なんとなく、そろそろ読んでいいんじゃないか、って思って、2巻も出るし…と思って、図書館で借りて読んで、これは本当の話なんだけど、おもしろすぎて好きすぎて読みながら本当に泣いた。悲しいとか、胸に迫る話じゃなくて、純粋に物語がおもしろいことがうれしくて泣いたのなんて初めてだよ。感情がものすごく混乱した。

 ツインスターサイクロンランナウェイは百合です。女の子と女の子のラブストーリーなのね。漁もする、恋愛もする、宇宙も飛ぶ、それで、あと、ツインスターサイクロンランナウェイのめちゃくちゃ最高大好き信頼できるところは、女の子と女の子が手に手をとりあってふたりでハッピリーエバーアフターするのに邪魔なもの、それは家父長制だろ!!?????って一ミリも誤魔化すことなくばばーんと書いてるところなのね。ほんとにそう。信頼できるから、私が信頼しているみなさんにも読んでいただきたいです。かわいいし。テラもダイもめちゃくちゃかわいいけど私は特にテラさんが好き。それに宇宙も飛ぶ。想像力の網を好きなだけ広げてお魚たくさん取っちゃおうよって言ってくれる。好き。大好き。小川一水の書くもの本当に信頼できる。時代と一緒に走ってくれるSF作家大好き。信頼できる。ツインスターサイクロンランナウェイは最高。読んで。読んでほしい。

 

 こうして振り返ってみると2月は普段の月と比べてめちゃくちゃ小説読んでいるな。わりと全面的に小野ゆたかさんのおかげです。ありがたい。好きな俳優が小説の趣味もいいって最高か。

2022年1月に観た映画や、映画以外

 2022年まで辿りつきました。今年だ。これを書いている今は5月です。まだぎりぎり半年過ぎてない体たらく…でも、1月のことはついこないだみたいに感じられるので大丈夫です。

 1月はほんとに映画観てない。というか、今年は全然映画観てないです。演劇とか、ドラマを今のところいっぱい観てる。なんとなく、メインメディアも移り変わっていくんだなあというのも見えておもしろいですね。

 

★2022年1月に観た映画(2本)

1. ただ悪より救いたまえ

tadaaku.com

 ほんとは公開後すぐ観たかったんですがvitalsignsで忙しくて、1月に入ってから観ました。なんといってもじぇりさま演じるレイちゃんがほんと常に美ですごかった。ファンジョンミンさん演じるインナムさんもつよくて不死身でめっちゃよかったです。お祭映画だった。あとユイちゃんのパクジョンミンさんもサバハで見ていたのに全然わかんなくてかわいくてうつくしかった。やっぱときどきぶち上がり映画を観ると脳にいいんですよね。

 

2. ユンヒへ

transformer.co.jp

 シネマートで観ました(しかも舞台挨拶の日に見に行った)。

 これも観てみたいな~とずっと思っていたので、初日、舞台挨拶の日に行って、それで、やっぱり思っていたとおり、ものすごく、ものすごくよかった…………私がめちゃくちゃ心を寄せてしまったのはジュンのおばさんなんですが、喫茶店オーバーロードだし、いつも読んでいる文庫本はカバーなしハヤカワの気配、絶対SF好きでしょ、でも彼女くらいの年齢のSFが好きな女の人が、もしかするとどういう気持ちになるような出来事があったのか、私はそれを知っているなと思うし、だいたい、SFが好きな女の人、(これはとても偏っている私見であることはわかっていつつ)ものすごく都合よく、可視化されたり不可視化されたりしがちなのに、こんなふうに、ほんとうにいそうにSFが好きな女の人を描ける時点で、信頼に足るってもうわかっているんですよ。ありがたい。ものすごくよいだろうとは思っていたけど、恋愛ものあんまり得意じゃないのだけど、ユンヒへはめちゃくちゃよくて、人間と人間のあいだに軟骨みたいなものがあって、軋むこともあるし、外から力を加えられることもある(ないでほしいが)、上手に近づけないこともあるけど、直にぶつかりあわないでも大丈夫になっている、みたいな感じで、なんかめちゃくちゃ泣いてしまったな……冬になるごとに観たい映画です。

 

☆2022年1月に観た映画以外

・ブラザーズカラマーゾフ

 どうも1/3と1/10の2回観ているみたいです。一度は12月に観たのと同じキャスト、もう一度はまた別のキャストで、キャストが代わるとまた印象も全然違っていて、スメルジャコフも背が高かったし、一度めにみたときのフョードルはもうろく寸前のおじいちゃんみたいだったけど二度目に観たときは元気でセクシーアジョシだった気がする。あとイワンがめっちゃ苦しんでるとき二回目のアリョーシャはお酒飲んでたよね!?たしか!?記憶が混濁していますが(ちゃんとメモを取っておけばよかった…韓国ミュージカルって徐々にわかってきていますが多キャストなことが多くしかもブラザーズカラマーゾフはそうではなかったみたいですが組み合わせがシャッフルなこともあって、同じタイトルを観たといっても、何日の誰の公演を観たかで文字通り本当に全然別の物語になってしまうこともあるみたい。魅力的だ)台詞とかもどうもちょっと違うらしくそれってめちゃくちゃおもしろい。私は舞台の上にいろんなものがどんどん撒き散らされていって、はじめとおわりで舞台の様子がすっかり変わってしまうタイプの舞台がめっちゃ好きなんですが、ブラザーズカラマーゾフは砂とか薔薇とかウォッカとか本当に様々なものが撒き散らされてめっちゃ大好き。イワンが監獄のミーチャに会いに行くとき、手渡しで砂を渡すとことかも好き。そこに手をついたり膝をついたりして、絶対砂が食い込んで痛いと思うんですが、あまり知らないけど、そうやって苦行を甘んじて受けるように見えるところ、あまりしらないけど鞭身派などロシア文学にしばしば出てくるわが身をなげうつような信仰を思わせる気もして、すごくモチーフに合っているなあ、と感じる。ていうか正月の三日からブラザーズカラマーゾフ観てるのやばい最高だな。今年一年がなんとなく方向付けられてしまうような気がしますよね。やったね。

 

・藤井風

fujiikaze.com

 正月実家に帰ってたんですけど、紅白歌合戦で初めて藤井風を見て、名前は聞いたことあったけど曲は聴いたことないと思ってたらさすがにきらりはめちゃくちゃそれとは知らずに聞いてて、なるほどこれのひとか、とその場では思いつつ、帰りの新幹線で暇だったけど読んだり書いたりすると酔うので、なんか聴こう、と思って、何の気なしに再生して、2時間ちょいでずぶずぶ好きになっちゃった。歌詞がちょっとナンセンスに触れているところ、声の磨りガラスみたいなところ、歌詞の正直なところ、メロディの有無を言わせぬ心づかみ力、それ歌うの!?その歌詞を!?みたいなとこが好き。歌詞が好きなんだな。歌詞以外も好きだけど。

 

・怪物

otn.fujitv.co.jp

 アマプラで見ました。基本的にドラマ見るの苦手なんだけど、怪物はめちゃくちゃおもしろくて、1話ごとの引きがすごくて、なんと1月中に全16話全部観終わってる。すごすぎる。怪物はいろんな人が話したり書いたりしているのでそちらに譲るとして(?)ヒョクくんのことがめちゃくちゃ好きだからヒョクくんのスピンオフ短編ドラマほしいなって思ってます。

 

・フラジャイル 病理医岸京一郎の所見

afternoon.kodansha.co.jp

 たしか10巻くらいまで無料配信をしていて、ちょうど暇だったので何の気なしに読み始めて、翌日仕事だったのにそのまま10巻まで読み通してしまった覚え。続きもkindleで全部買った。そのくらいよかった。本当にあらゆるエピソードにめちゃくちゃに泣いてしまい、これは私が今比較的健康だからというのと、全然医療関係のおしごとではないというのもあるからだろうけど、ほんとにめっちゃしごとがんばろという気持ちにさせてくれる漫画です。ものすごくおもしろい。いま22巻まで出てます。

 

・消えていくなら朝

www.nntt.jac.go.jp

 蓬莱竜太のかくもの、紋次郎を除けばこのとき初めて見たんですが、もちろんつらいんだけど、この家族のつらさは、私にとっては平気なつらさだ…というのがわかって、すごくおもしろかった。近めのところにプロットされるつらい演劇にも、自分のつらみツボに刺さるか刺さらないかがあるのだなあということがわかってしまった…ひでとくんちのご家族はあんなにつらかったのに…

 でも長男の、ほんとは好きにやってよかったのに、ということに(今更)気付いてしまったことへの悲哀はうぎゃ~~~わかる~~わかりたくね~~~の気持ちになっちゃった。長女なので。でもめちゃくちゃよっぱらって窓枠を指でいじいじしてるところはめっちゃかわいかった。

 

東京裁判

・五人の執事

 もう何回目かわからないけど、どちらも(たしか)初見の方を迎えて同時上映をしました。東京裁判、何回観ても本当に好きだ。やっていくぞ、って気持ちになる。五人の執事は初めて見たときはぜんぜんその姿がわからなかったけど、何回も見ているうちに、埃が払われるように、だんだん骨組みが見えてきている、ような気がする。

 

・秘密の森

bs.tbs.co.jp

 怪物を勢いよく見終わって、よし、おれはドラマを見れるぞ!という空自信をつけて、ついにひみもりに手を出しました。しかして2022年5月現在6話までしか観ていません…スンウさんが本当によいです…絶対おもしろいと思うからこそ積んでしまうこころ…

 

 1月もわりとしごとが忙しかったためにあんまり記憶がないですが、そういえば怪物完走していたんだもんな。総視聴時間でいうとかなり観ています。ブラザーズカラマーゾフも2回観てるし。なんか、今年はおなじタイトルのものを繰り返し観るとか、ドラマをずっと見るとか、していることが去年よりも多めな気がします。モードの移り変わりを感じる。

2021年12月に観た映画や、映画以外

 2021年の感想も12月まで来ました。12月も、すごく仕事が忙しくて、全然こころの余裕がなくてあんまり映画を観たりできなかった…という覚えがあるけど、だんだんまたちょっとずつ外に出るようになって、遠めの映画館にも行ったりしました。

 あと12月は私がこの世で一番大好きな劇団であるところのパラドックス定数の本公演があり、週末を可能な限り捧げていたので、延べ数はわりとあるのだけど、数としては落ち着いている、というのもあります。

 

☆2021年12月に観た映画(3本)

1. ヴェノム2

bd-dvd.sonypictures.jp

 エディとヴェノムのラブストーリーだと聞いて出かけていって、うんうんわかるわかる、前作だって付き合ってたもんね実質、と思って見に行ったら、それどころじゃなく本当に文字通りまったくもって観たまんまのラブストーリーだった。すごい。ラブの原液だった。教会で闘うところの高低差あるびょんびょん跳躍アクションが酔いそうになるくらいめちゃくちゃよかった。ヴェノムとエディの愛がすごかった。正直悪役カップルも応援しちゃった。やっぱ三角関係は難しいんですわ(?)。ヴェノムとエディ、モヒートでモルディブだった。

 

2. ファイ 悪魔に育てられた少年

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09MPYK16G/ref=atv_dp_share_cu_r

 名前はずっと聞いたことがあったのだけどこのとき初めて観ました。じぬんさんが目当てだったのだけどじぬんさんは本当にどうしようもないけど心優しくファイのことがめちゃくちゃ好きなアッパだった。ほかのアッパもファイのこと、それぞれのやりかたでそれぞれにめちゃくちゃ好きだったんだよな…きっと…パクヘジュンさんも毒戦しか知らなかったけどめちゃかっこよいアッパだった。そしてなんといってもキムユンソクが最悪でやばいうつくしい本当になんかこんなたとえ適切かわからないんだけど五十嵐隆の世界の登場人物みたいな感じで怖いんだけどいたましくてかわいそうだけどファイのこと苦しめてるのは許せんアッパだった。おもしろかった。ジングくんこのとき意識しては初めて観たんですけどのちに怪物であんなにめちゃくちゃジングくんのことみることになるとはこのときは知るよしもなかった…

 あとエンディングのネタバレしてもいいですか? なんと…ジヌンさんが…木になっているんですよ!!!!!!!ウォノのことさんざん心の中で樹にしてきたから全然文脈違うところでぶち上がっちゃいました。

 

3. レイジングファイア

gaga.ne.jp

 私はこれまでそれほど熱心に香港映画を観たことがあるわけではないんですが、レイジングファイアは本当に本当によかった。2021年の一番最後に観た映画ですが、2021年ベストに食い込む勢いだった。実はたぶんドニーさんが出ている映画をこの時初めて観たんですが…ドニーさんはかっこよかった…あとみんな言っているけどニコラスツェー演じるンゴウが本当に本当に信じられないほどよかった。とてもこの世の人間とは思えないほどうつくしいんですけど、現代時間軸のすさんだ美男もよいし、過去時間軸ではきっちりした眼鏡の後輩刑事で、最初出てきたときあまりにも印象が違うのでとても同一人物とは気付けなくて、この映画、うつくしい人間めっちゃ出てくるな、と思っていた。爆発もすごくよかった。ラストバトルも、ほとんど踊っているみたいだった。すごくよかった。観てください。私は全然詳しいわけではないのでとても間違っていたことを言っていたらすみませんが、香港、情勢的に、これまでのような映画を撮れるかわからず、それでもレイジングファイアが出てきたこと、そのなかで響いている意志などのこと、についての評を読んだ気がして、そうか、そういうことがあるのか…と思った…

 

★2021年12月に観た映画以外

・神はいつ問われるのか?

bookclub.kodansha.co.jp

 WWシリーズ、今ここまで読んでいます。VR実はやったことがないのだけど、からだはここに置いていこう、というやり方に、わかるわかるそうしたいという気持ちとそうはいってもそうはできないと思う気持ちと、ふたつともあり、なので大変心が揺らいだ。

 

・地獄が呼んでいる

https://www.netflix.com/title/81256675

 Netflixで1話だけ見ました。地獄!きゃっきゃ!と思ったら、ゴリラみたいなひとびと(?)がでてきて人間をぼこぼこにしていく感じで、1話だけだと全然わからなかった…。あとすごい魅力的な教祖のひとが出てきていた。いつかは続きを観たいです。

 

・vitalsigns

pdx-c.com

 私が世界で一番大好きな劇団であるところのパラドックス定数の本公演が12月の後半にありまして、だから12月はvitalsignsであたまがぎゅうぎゅうだったんですよね。本当は項をわけてひとつの記事にしたい、あれもこれも言いたい、と思っていたけど、いろいろなひととお話ししたり、Twitterとかに書いたりしていたら、気が済んじゃった。罪。生まれて初めて同じ公演を複数回観るということもした。舞台は毎回違うから、というの、言いたいことはわかるけど、それはそうでしょう、と思っていたけど、このとき初めてほんとうにどういうことだかわかりました。公演ももちろん、そのたびごとにかたちをとるから、まったく同じではあり得ないのはそうなんだけど、それよりも、観ているこちらが、昨日の公演や、先週の公演、また公演と公演のあいだにあったこと、それよりもずっと前にあったことや読んだことや観たものを、思い出したり、忘れたりすることで、このまえの公演を観たときとはまったく違っている、だから、毎回受け取るものがまったく違ってきてしまう、そういうことなのだなあ…と思いました。でもこの感じもひとによって違うんだろうな。おもしろすぎる。5回行って、5回とも見え方が全然違っていた。特に最後に行った12月26日の回は、本当に、今日こそはなにか、殻のようなもの、幕のようなものを破って、違う結論に辿りついてしまうかもしれない、というくらい、同じ話を繰り返し、繰り返しすることで、摩擦で熱が上がって、発火していて、こういうことあるんだ、あるということがわかってよかった……という気持ちになった。もっといろいろなことをvitalsignsについて言いたかったような気がするんだけど、もうかれこれ半年くらいずっと考えているから、このとき思ったこととあとから思ったことの区別がつかなくなっちゃった。いまでもロック画面vitalsignsのポスターにしてます。好きだから。

 

・ブラザーズカラマーゾフ

 カラマーゾフの兄弟を呼んでいたときから存在は知っていたんですが、なんと日本から配信が見れるとのことを知り、チケットの買い方をめちゃくちゃ教えていただきつつ、観て、すげーーーー!!!!!こういうのもあるのか!!!!になりました。このとき初めて韓国ミュージカルというものを見た。確かこの日、スメルジャコフがチェソクジンさんの日だったと思うんですが、ソクジンさんは3通りのキャストを見たあとでも一番一番大好きなスメルジャコフです。とくに棺の上で発作に苦しむところの、ほんとうに神がかりのように、爪先で立ち、ねじれて苦しみ、撒き散らされた砂と薔薇の上に躊躇なく頬を寄せるところが、本当に、本当にうつくしくて……観られてよかったです。このとき蒔かれた韓国ミュージカルおもしろいじゃんの種が今2022年5月現在じわじわ芽吹きつつある。

 

 2021年もたくさんいろいろなものを読んだり観たりしました。2019年や2020年は、映画というものを観ることを覚えて、それで頭がいっぱいだったけど、2021年は演劇を観たり、本もまたちょっとずつ読むようになったり、ゲームもしてみたり、いろいろあって、こうやって感想は書かないまでもリストに貯めていくと(すぐ感想は書いた方が良いけど)この月元気だったとか元気じゃなかったとかもなんとなくわかって非常に有用でもあった。2022年もやっていきましょう。

2021年11月に観た映画や、映画以外

 先に述べておきますと11月と12月はほんとうに摂取コンテンツが少ない。でもなんでだか全然覚えてない…イカばっかりしてたからかな…普通に仕事が忙しかったのもあるな。寒くて元気がなかったのもありそう。

 

☆2021年11月に観た映画(3本)

1. アシュラ

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08PDRL113/ref=atv_dp_share_cu_r

 これは確か韓国の方が主催してた同時上映で観たんだったと思います。まじで世界中いろいろなところの人がパクソンベ!パクソンベ!しているのを感じて本当に楽しかった。アシュラは何回観てもよい。ていうかアシュラは観れば観るほどよくなっていくような気がする。ラストの、あ~今回もだめだったよ~って感じが、ほんとに応援上映向きだなと思う…

 

2. 裏切りのサーカス

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00GL2D1S4/ref=atv_dp_share_cu_r

 なんでこのタイミングで観たんだったか忘れてしまいましたが裏切りのサーカスも何度観てもよいし、何度も観るに従って訳がわかってくるのでどんどんよくなってくる映画。好き。

 

3. 完璧な他人

hark3.com

 毒戦の直後くらいに公開していて、あ、毒戦のひと…と思ったものの、恋愛とか人間関係のごちゃごちゃって私が一番苦手そうな題材じゃんと思って見なかったやつでした。今となってはヘジンさんもイソジンさんも三食ごはんでめっちゃ見てるし、Gyaoでやっていたので、じゃあ、観るか…と思って勇気を出してみてまんまとじぬんさんのやばさにやられてしまった。ずるい。お話自体は案の定めちゃくちゃしんどいやつだったけどこの何年かで人間関係ジャンルにも公開当時よりは慣れたので…それより…整形外科医のお料理上手なしみぬきもできる黒エプロンの鷹揚な父のじぬんさんですよ!!!!!!!!やべえな~~~娘と電話しているところなんかじぬんさんの夢映画かと思っちゃった。中身はしんどいけどすごくよくできているし、じぬんさんが好きなひとにはおすすめです。

 

★2021年11月に観た映画以外

・マグメル深海水族館

kuragebunch.com

 無料公開をしている時期に読みました。そのうち紙の本も欲しい。

 そもそも深海生物が好き、なんですが、深海生物をたくさんあつめた水族館の話かなって思ったら深海水族館は深海にある水族館で、ふんわりSFみがあり、そこも好きなんだけど、おしごとの話とか、それぞれがそれぞれのかたちのままでやっていく話、でもあり、何だったかもう忘れちゃったけどこれを読んだタイミングでめちゃへこんでいたことがあって、それもあって、毎話毎話めちゃくちゃに泣いてしまった…という記憶…おもしろくてやさしくて本当にいい漫画です。

 

仮面ライダーバイス

www.tv-asahi.co.jp

 これも無料公開してたときに10話くらいまで観ました。たぶん絶対好きなのでいつか全部みたい。マッド博士であるところのジョージ狩崎のこと絶対好き。

 

アルケミスト 夢を旅した少年

www.kadokawa.co.jp

 読書会で読みました。なぜかファンタジーだと思い込んでいたからというのもあり、正直私はあんまり…だったんだけど、それこそ人生ステップを踏んでいったらまた読みが変わってくるのかもしれない…と思う…使われているモチーフとかはめちゃめちゃ好きだった。

 

・老いと建築

asagayaspiders.com

 吉祥寺シアターで観ました。あらすじを読んで、老いの醜悪さとか、そういう感じのトーンなのかな、めちゃくちゃおもしろそうだけどしんどいかもしれないな、と思って行ったんですが、冒頭舞台のうえから主役を演じる村岡希美さんの上に紙吹雪がしずかにしずかに舞ってきて、そういう、物語の中にはしんどいシーンもたくさんあるのだけど、全体として、静かで、うつくしい話だった。阿佐ヶ谷スパイダース長塚圭史さんの書くものもこのとき初めて観たんですが、ものすごく複雑できれいな構造をしている、舞台の上のここに見えているものは一見とらえどころなく見えるけど、本当はもう少し奥側まで次元があって、そこではきっとすごく構造的なつくりをされているのではないか、と思った(全然わかんないけど)。

 あと、吉祥寺シアターの中にカフェがあって、そこでコラボスイーツ(たしか、ルバーブとピスタチオのプリンみたいのだったと思う)を売っていたんですが、入るときは別のおやつを食べたばっかりだったので、へ~コラボスイーツとしか思わなかったところ、作中で出てくるモチーフをたいへん悪趣味にちりばめてあるということが観るとわかり、やだ~!!最高!!!と思っちゃいました。テイクアウトした。おいしかったです。

 

・鈴を産むひばり

www.minatonohito.jp

 前から気になっていたんですが、機会があって読みました。静かで理路がきちんとしていて、クロックの合った詩情、という感じが、すごく性に合った。ほんとのこというと仕事の机に置いておいて合間にぺらぺらとめくりたいくらい静かでよかった。

 

・それでもデミアンは一人なのか?

bookclub.kodansha.co.jp

 WWシリーズ、むずかしくて、本当に少しずつ少しずつ読んでいます。百年とかWとか、もっとずっと前との繋がりがだんだんあらわに見えてきて、おもしろい(でも読み手としての私が前にあった出来事を忘れている!!これだから!!)。

 

 この記事のあたまとおわりでもずいぶん時間が立ち、いまは2022年5月なのですが、半年前のことなんか忘れちゃってるんだよね。しっかりしてください。こまめに感想書いていこうね。はい。

2021年10月に観た映画や、映画以外

 10月まで来ました。2021年もあと一息だ(ほんと?)。

 

★2021年10月に観た映画(5本)

1.007/慰めの報酬

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00JA5HTXC/ref=atv_dp_share_cu_r

 ボンド予習シリーズ。前作よりも好みだったけどそれはなんか薄暗かったからかもしれない…あとわるいマッツだったから…あと拷問されてたから…

 

2. DUNE砂の惑星

wwws.warnerbros.co.jp

 原作は読んだことないんだけど、観るしかないじゃろと思って行きました。お話はつづく!って感じだったけどとにかく映像がむちゃくちゃよかった。全部よかった。スパイスの匂いが鼻先でした。たぶんたしかIMAXで観たんだけど観てよかったなあと思った。うつくしい映像と音楽に浸って呼吸して肺の中いっぱいにして帰ってきたって感じ。

 

3.トーベ

klockworx-v.com

 ものすごくひさしぶりに武蔵野館に行って映画を観ました。私はムーミンにそれほどすごく思い入れがあるタイプの人間ではないので、人間トーベヤンソンの物語として、めちゃめちゃおもしろがってしまった。ずぶずぶのロマンスでもないけど、人間と人間の嫉妬と執着と好きの気持ちが、べたべたにじゃなくてうつくしくかわいらしい色合いでそれでも内臓がはんぶん出てるみたいに描かれてるのがすごくおもしろくてよかった。信頼できるお友達に端から見せて回って感想を聞きたかった(のでいまからでも感想を教えてほしいです)。おかえりホームパーティのどうしようもなくなって踊るしかないところがすごく好きだと思ったな…

 

4. 殺人鬼から逃げる夜

gaga.ne.jp

 この日はトーベと二本立てをするというやばい楽しい日だった。これもひさしぶりにシネマートで韓国映画みることになって、しかもそのあとさらに深夜徘徊をしたので深夜の脇道が10倍くらいこわくなってたいへんお得だったやつ。

 映画自体も、そんなに期待しないで見に行ったら、めちゃくちゃおもしろくて、わたしEXITもだけどこういうずっと走っているタイプの物語が好きなんだな。こどものとき、みんなのうたに犬が追いかけてくる歌があってすごくこわかったんだけどこどものときすごくこわかったものってなんとなく大人になってからも好きだよね…って思いました。殺人鬼のウィハジュンさんが最高最悪笑顔でめちゃくちゃよかった。すごくおもしろかったのでネタバレみずに観てほしいです。どきどきしてほしい。

 

5.暗数殺人

klockworx-asia.com

 あまぷらで観ました。ちょうど劇場公開の頃映画館に行きにくくなってしまって、いつか…そのうち…と思っていたら妹の方が先に見ていてやべっと思って観た。チュジフンの凶悪殺人犯ってことでどんなだろと思っていたら、映画自体はすごく誠実できちんとしていて、しかしてユンソクさんとチュジフンの演技はやはりたいへんよく、謎の解けていく気持ちよさもあって、すごくしっかりした映画だった……もうだいたいみんな観ていると思いますがうっかり見逃している人がいたらすごくちゃんとしているのでいつ観ても大丈夫だよって言いたい。

 

☆2021年10月に観た映画以外

・現代演劇大全 いま観るべき舞台のすべてがわかる

magazineworld.jp

 おすすめしていただいて読みました。なんとなく断片的に観たり聞いたり配信観たりしてたひとや劇団の名前が、点と点を結ぶみたいには~こことここがこう!なるほどね!になってたいへんわかりやすいマップでした。2019年の本なのでいまって言ってそんなにうそじゃない。やっぱこのへんが好きなひとはきっとこのへんも好きでしょうマップがあるとほんとにありがたいのと、このようなところで名前が挙がるからには好みじゃないにしてもきっと履修しとくとよいことがありそうだなの指針にもなって、読んでよかったです。野木萌葱先生のお名前も対談の中で出てた。うれしい。

 

・翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件

kodansha-novels.jp

 講談社ミステリーランドは私の小学生時代の夏休みの友だったんですが、いたいけな小学五年生のぼくはわけもわからんままにはやみねかおる森博嗣の並びにある神様ゲームを手に取り、わけもわからんまま心に深めの傷を負って以来さよなら神様しか読んでおらず(さよなら神様は読んだ)麻耶雄嵩…こわい…と思い続けていたんですが機会があってここで読むしか!と思って挑んだ翼ある闇、これが、め~~~~~~ちゃおもしろかったんですよねえ……なにを今更って感じだと思うんですけど……香月実朝のことを好きにならざるを得ない。ミステリ小説の感想書くのってめっちゃ難しいな。とにかくおもしろいんで読んでください。

 

・サイスタ

sidem-gs.idolmaster-official.jp

 2022年はソシャゲをやらない年にしようと思っているので、いまはやめているんですが、去年の10~12月はサイスタにだいぶ救われました。SideMはいっこ前のゲームをちょっとだけやっていたことがあって、やさしいストーリーが好きだなあと思っていたので。忙しくなければずっと続けていたと思う(けどソシャゲやっているとほんとに他のことやる時間がなくなってしまって…)。当然花園百々人くんのこと大好きになりました。かわいすぎ。

 

・夏と冬の奏鳴曲

bookclub.kodansha.co.jp

 麻耶雄嵩を読んでみよう第二弾。このあと痾と合わせて3冊読みましたが、私今のところこれが一番好みでおもしろかったかも。孤島に知ってるどうし知らないどうしも集まって、そして誰もいなくなったじゃんと思いきや、全然話はまったく違う方に転がっていって、……おもしろかった。わたしは舞奈桐璃ちゃんのことが好きだなと思った…

 

・痾

bookclub.kodansha.co.jp

 麻耶雄嵩読んでみよう第3段。これもおもしろかった。このときはメルカトル鮎を読んでみようと思っていて、メルカトル鮎読む順で検索したのその通りに読んでいたんですが、痾のメルカトル鮎はかなり意味不明でかなり良かった。これから読もうと思っているひとに提案ですが絶対刊行順に読んだ方がいいと思いますよ。その方がおもしろいので。

 

・ズベズダ(同時上映)

 配信で同時上映した!!これもすごくたのしかった。ズベズダは登場人物も多いし作中で流れる時間も長いので、私の目の届いていないところの感想がすごく楽しい。

 

・白痴

www.shinchosha.co.jp

 ドストエフスキーの長編を読んでみようシリーズ、白痴まで来ました。ついこないだ読み終わったので、そこで感想書くね。のべ5ヶ月くらい読んでいたことになるな…

 

・TRUMP

trump10th.jp

 2回目か3回目、はじまゆで観ました。訳がわかってみると尚更酷い話であることだなあ…山田裕貴さんのクラウスがかわいくて最悪で好き。

 

COCOON 月の翳り星ひとつ

cocoon.westage.jp

 二夜連続、これもはじまゆで観ました。ここから初見だったので、どんなおそろしい話が…どきどき…と思っていたけどコクーンはわりとやさしい、おとなになるってことだね、みたいな終わり方して、こうやって繭期を卒業できる者もいればできないものもいる、残酷であることだなあ…みたいな残酷の裏打ちみたいな話だった。名前忘れちゃったけど深海奏汰くんみたいなタイプの子が出てきてめちゃくちゃ好きだと思った。トランプ観てその記憶が鮮やかだったから舞台セットとかも衣装もめちゃくちゃよくなってそのへんでもしみじみした。

 

・この世の王国

honto.jp

 読書会で読みました。南アメリカの本を読もうという話だったが読み始めてみるとハイチだった。アメリカ大陸のアメリカより南のこと、なにも知らない…たしか著者による前書きでこれはほんとのことなんだよ、ほんとのことが魔法と区別がつかなくなってしまうそのことこそが魔法なんだ、というようなことが書かれていたような(書かれてはいなかったかもしれない、好き勝手に誤読したか記憶が朧かのどっちかかも)気がしたけど、そもそもハイチの歴史のことを一ミリたりとも知らない者だからほんとうにどこからが本当の話でどこまでが魔法の話なのか、全然わからなくて、これがマジックリアリズム、やはり好きだ、と思ったな……

 

 10月の記憶全然ないけどなんか元気にやってたようでよかった。しごとの忙しさや気温や元気具合その他で覚えてる月と覚えてない月があって、おもしろい。上の空で本読んだり映画観たりしているな…どうも10月は…

2021年9月に観た映画や、映画以外

 9月もめちゃめちゃ元気だったみたいでいろんなものをいろいろ摂取してる。演劇配信をいっぱい観てるみたいです。

 

★2021年9月に観た映画(7本)

1.お嬢さん

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B074TTK456/ref=atv_dp_share_cu_r

 あまぷら見放題に入ったタイミングで観ました。もう何回目か思い出せない。何回観てもめっちゃおもしろいなあ……

 

2.シャン・チー/テンリングスの伝説

marvel.disney.co.jp

 映画館で観ました。スーパーヒーローもの、全然得意じゃないので、予告編は何度も見ていたものの全然観るつもりなかったんだけど、アジア映画らへんでめちゃ評判がいいのとなんかわからん顔のないもふもふしたやつが気になったので観にいきました。そしたらほんと観ず嫌いしなくてよかったな、って感じのおもしろさだった。モーリスもめちゃめちゃかわいかった。

 ちょうど2021年はモーコンとか観てあちこちでハリウッドで活躍しているアジア系俳優をちょっとずつフォローするようになって、なのでその文脈のことを思って、足場バトルのところでめちゃくちゃ泣いてた。この涙はなんの涙なんだよ、って思う気持ちもいっぱいあるんだけど、アジア映画の文脈、踏まえたいなあ(なのでアジア映画をもっといっぱい観るぞ!)という気持ちになりました。

 あと私はオーシャンズ8で観て以来オークワフィナがめっちゃ好きなんですけどケイティが本当に最高だった。もともとのケイティというキャラクターの最高さもあるだろうしそれを演じているオークワフィナのこともめちゃくちゃ好きなのでもう、シャンチーとのベストフレンド観もすごい絶妙で(正直けっこうはらはらはしていたのだけど)本当にありがたかった。OR~~~~~~~????されたい。モーコン以来マーシャルアーツのよさがめちゃくちゃわかるようになった結果楽しめる映画が更に増えて、本当にありがたい。

 

3.ザ・スーサイド・スクワッド

wwws.warnerbros.co.jp

 この日、実はシャンチースースク孤狼の血2というやばい3本立てをして本当にわけわかんなくておもしろかった。実はオリジナルのスーサイドスクワッドを観たことがなくて、ハーレイちゃんのこともバーズオブプレイしか知らなかったんだけど、バーズオブプレイのハーレイちゃんはときどき正気をちらつかせたのに対しザスーサイドスクワッドのハーレイちゃんは正気のしょのじもなくってほんとそれも最高だった。ハーレイちゃん大好き。ハーレイちゃんがチェルシーみたいなお花を散らしながらどんどん人を殺していくところ最高だった。あと主人公のおにいさんがネズミを怖がるところが不覚にもめちゃくちゃかわいかった。ネズミのおねえさんもめっちゃかわいかった。ナナウエもめっちゃかわいかった。ポルカドットマンもめっちゃかわいかった。ポルカドットマンのいまヒーローだ!!ってとこ、全然泣くシーンではないのに泣いてしまった。私が文脈を踏まえてないからわかんないのか本当にむちゃくちゃなのかもわからなくて、でもときどきこういうわけわからん映画を観ることによって気持ちが最高になる。私自身の正気も担保される気がする。どのようなメカニズムかはともかく。

 

4.孤狼の血 LEVEL2

https://www.korou.jp/

 邦画あんまり得意じゃないのでふだん観ないんですけど、これはかなりつよいおすすめがあってそれじゃあ…と思って観にいったら最高の暴力で最高になったやつでした。おすすめ本当にありがとうございます。前作ではかわいい広大だった松坂桃李さんがこわくてえぐいひいさんになっていて、でも日岡には本当は何にもなくて、いろいろやったけど本当に空虚だった、その結局は空虚なんだよっていうところをこれでもかとやってきてありがたかった。最後の手錠のまま車を運転して衝突して鈴木亮平泥仕合泥仕合を繰り広げるところアシュラのシャブ積んだ果物市場の車とのカーチェイスを彷彿とさせてくれてほんとうに暴力映画としてかなり最高でした。村上虹郎さんも本当によかったです。

 

5.シャドーオブナイト

www.netflix.com

 モーコンでビハン役のジョータスリムさんが出ていたので観ました。インドネシア映画、初めて観たんだけど、スプラッタのえぐさとステゴロシーンの長さ丁寧さいろんなものを武器として使うところとかがかなりよかった。物語の展開はなんかめちゃめちゃに早すぎてよくわからんところがちょっとあったんですけど、とにかく苛烈な暴力映画が観たいというときにすごくおすすめです。タスリムさんとイコさんの間になんかすごい感情があったことはわかったんだけど何なのかがよくわからなかった…あと、ファティというとってもキュートなおにいさんが出てくるんですけど、めちゃくちゃホットですっごくキュートなので観てほしいです。

 

6.カジノロワイヤル

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00JA536G6/ref=atv_dp_share_cu_r

 スパイものが好きといっている割にはボンドは一作も観たことがなくて、このたび新しい映画が公開されるといっていたのでそれならダニクレボンドだけでも予習しときたいなと思って見ました、けど、合わなかったな…ぴかぴかの車とか女たらしとかをあんまりいいってわたしが思わないからだと思う…

 

7.クーリエ 最高機密の運び屋

www.courier-movie.jp

 映画館で観ました。すごくよい映画だったがすごくしんどかった、史実を下敷きにしていると知っていたからよけいしんどかった。あとほとんど工作という評を信じて見に行ったらある意味ほとんど工作だったけどある意味では工作のようにはならなく(これはクーリエも工作もわるくなくて私がわるい)それでよけいぎりぎりまで助けを信じてしまって、でもあのとき暗闇にひらめいた光それが救いの光なのかもしれないけどそんなつらいことって……すごくいい映画でした。でもいい映画なだけにつらい。

 

☆2021年9月に観た映画以外

・ブルーストッキングの女たち

youtu.be

 ズベズダの予習として青年座を観ておこう…と思って観ました。最初の方に日本のいわゆるストレートプレイと青年座について解説がついていて、わかりやすくて本当にありがたかった。大杉の話はインテレクチュアル・マスターベーションのことが念頭にあったためにそうだよな青鞜社からもこっちへの道があるのか…!と思って日本史の復習をする思い。新劇、というやつ、それこそ小学生とか中学生の演劇鑑賞会ぶりくらいに観て、すごい、劇劇している…!(演劇らしいの意)と思いました。

 

・夜会行(鵺的)

v2.kan-geki.com

 これもおすすめしていただいて配信で観て、そしたら本当に本当に観てよかったなという気持ちになったやつです。女の人5人の演劇なんですけど、恋人どうし同居している二人だけが最初舞台にいて、でもそこにお友達が来て、そしたらまず手を洗うし、乾杯するときはみんな背中を向け合って乾杯して、それがなんか、あ、いま、いまこのときだ…!!!とこの2021年9月のときには思って、その時点でもうだいぶわ~~っとなっていたんだけど、若い女がいまこのときにこの場所で生きていく、といったときにかかってくるしんどみが五者五様にあって、ほんとうは(ほんとうって何?)ここで支え合っていかなきゃ、でもそうやっていつもそうできるわけじゃない、でもほんとうのほんとうは支え合わなくたってやっていけるように社会の方がなるべきなのでは?と思ったり、劇中に出てくるひとたちは私とかぶる属性もあればかぶらない属性もあり、でも、ほんとうはぴったり同じじゃなくたって共感したり共感しなくたって支えたり手伝ったり一緒に生きたり、できたい、できるはずだ、できなきゃとまではいいたくないけど、でもある、この種の苦しみは、ある!!!!!!あるということを描いてくれてありがとう(描かれないものはしばしばなかったことになってしまう、それだったら、どれほどつらい苦しい汚いものでも描かれた方がよほどいい、というのが最近わたしが思っているところなのでというのもある)って思って途中からもうびしゃびしゃに泣いてしまった。いまこれをかきながらも思い出してちょっと泣いてる。上のURLから観劇三昧で配信始まったんで観てください。観てほしい。すごく極悪クソ人間じゃない、ふつうの、ふつうとされる人間がいかに人間を酷く酷く傷つけるか、それで、でももし横にそうやって苦しんでいる人がいたときに、できることはある、って思いたいなあって思わせてくれるはなしでした。観てほしい。

 

・リリウム

gekijyo.net

 トランプシリーズはこの時点でグランギニョルまで見てて、リリウムだけ観たことなかったんですけど、このたび見せていただきまして、本当に本当にマリーゴールド観た!!???ねえこれ作ったひと、マリーゴールド観た!!???って思いました。こんなにかわいいのにこんなにえぐい。あとファルスの工藤遥さんが声も背格好もほんとに理想の美少年で、特に声が少しハスキーなところがほんとに少年ですごかった…バクステ観るとほんとにみんな年端もいかぬ少女でやばいんだよな。なんて演劇を演じさせるんだ。

 

カラマーゾフの兄弟(読了)

 日曜夜の読書会でちまちまと読んでいたカラマーゾフの兄弟を2021年9月ようやく読み終わりました!!!!!!いやほんとにおもしろかった。イワンが好きすぎる。カラマーゾフの兄弟はねたばれをなるべく踏まずに読了してほしいと思いますのでここに詳細は記しませんがまじでほんとうにおもしろいので読んだ方がいいですよ。

 

・丘の上、ねむのき産婦人科

www.dcpop.org

 Aを同時視聴、Bはひとりで観ました。どちらかというとAの方がよかったと思った。

 ときに私自身の話ですが私自身はたぶん人間を生産することはないと思うんだよね(そのようなつもりはないので)。そのうえでいちばんしんどかったのはふたつ目のキャリアとこどもを天秤にかけさせられる話、いちばん楽しかったのはスプレッドシートの話、いちばん観ていて居心地がよいなと思ったのは李そじんさんと東谷さんの話。いろいろ思ったこともあったのだけど同時再生のときに感想をぽちぽちと流したので気が済んでしまっているみたいだ…

 

トム・ソーヤーの冒険光文社古典新訳文庫

 読書会で読みました。初読ではなくて、本物のこどもだったときたぶん岩波少年文庫とかで読んでいるんだけど、忘れてたのか完訳じゃなかったのかけっこうこのたび初めて読んだエピソードとかニュアンスとかあるなって思った。私も違う人間になってるし。今回読んで一番好きだなと思ったエピソードは家出して島で数日暮らすときたばこをハック以外のふたりが無理して吸って気持ち悪くなってるとこ。かわいい。

 

・三人姉妹

 たぶん前読んだのとは版違いで読んだのだと思うけどなんで読んだんだったか忘れてしまった…もっとちゃんとメモしといてください。はい。

 

・湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三

www.kaat.jp

 野木萌葱先生脚本の、めちゃくちゃたのしみにしていたけど、感染状況的にあきらめて、払い戻してしまった、それをこのとき初めて配信で観ました。パラドックス定数は多くても5人とか6人とかそのくらいのことが多いので湊横濱はひとがたくさん出てて新鮮だった。タケと晶くんが好き。晶くんと瞳さんの感じも好きだな。最初こども世代が三人吉三だと思っていたのだけどそうでなくてなんだなんだその強感情もうちょっと詳しく見せてくれませんか!?世代ごとに三本連作とかで!!!と思った。ヒトガタちゃんも好き。横濱だからってのもあると思うけど、鯨楼はちょっと村山早紀の気配があるよね。中で起こっていることは一ミリも村山早紀ではないのだけど…

 

・ズベズダ 荒野より宙へ

seinenza.com

 私はこれめちゃめちゃ好きだったなあ……だって好きな要素しか入ってないんだもん。まず野木萌葱先生の脚本が好きだしソ連も好き、ロシアも好き、宇宙開発も好き、技術者の話も好き、全部好きで、シアタートラムに観にいったんですけど、途中休憩ありの長丁場で、はあもうおなかいっぱいありがたすぎる……って思いました。グルシュコさんがよすぎるんじゃ。私が見に行った日、雨が降っていて、雨降りのなかを途中まであるいて、行きはそれでも残り半分くらいはバスに乗ったんだけど、帰りもいいところでバスに乗ろうと思って歩き出したけどあまりによすぎてぼんやりして家まで歩き通しちゃった。そこそこ距離あるのに。私はもうほんとうに技術の話が好きになってしまってそれってどうなのちょっと(なぜなら技術の向上は簡単に他の様々なもの、たとえば国家の威信などと結びついてしまいやすいものだから)と囁く声もわたくしの一部にはあるのですがそれでも好き。スターリンの死のシーン、ほんとうに示唆の巧みさに、演劇だ!!!!!と思ってざあっと鳥肌が立った。これももう途中からわけわからんくらい泣きながら観てたな。シアタートラムいくと泣きがち。すごくよかったのだけどリアルタイムでたくさん感想書きすぎて気が済んでしまっているみたい、思い出したら追記します。やっぱ見た瞬間感想を書くしかないな。

 

・一九八四年

www.amazon.co.jp

 読まねば読まねばとずっと思っていたがこのたびようやく読んだ。すっごくおもしろいかって言われるとそれなりだけどやはりこれを下敷きに諸々が描かれていたのだなあと言うことがわかって解像度がごりっと上がりました。ガラスの文鎮が好み。解放とセックスが直通なのはあんまり好みでない。暴力は好み。拷問はめちゃくちゃ好み。揶揄にしたって直接的だけど解説と本編の間に入っているニュースピークの説明と、それはこのディストピアに終わりが来て、終わったあとに書かれていると読めると解説に書かれていたその迂遠な救いは好みだなあと思った。

 

・外の道(配信)

 外の道配信をみてようやく、劇場で観た方がいいってどういうことかすごくよくわかった。カーテンを閉めても部屋には光が入ってしまうし、ノートパソコンの画面から闇を呼び出すのはすごくちからがいるけど、劇場に呼び出すのはほんとにたやすい。

 

・CLUB Slazy

www.clie.asia

 くそつらかった学生時代スレイジーのドラマがおれの魂を救っていた時期が確かにあったんだ。と思って円盤ボックスを入手して最初の無印を観ました。やっぱ落ち着くんだよなと思ったし、歌が全体的に好き。舞台観れるかも、人間観れるかも、のかなり初期体験なので、あんまり冷静に考えられないんだけど、この先ももうなんにも考えられなくなったらスレイジーを観ればいいやと思ったらけっこう魂が救われる。いいですよ。

 

社会主義と個人

https://www.amazon.co.jp/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%A8%E5%80%8B%E4%BA%BA-%E2%80%95%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%82%B4%E3%81%A8%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%8B%E3%82%89-%E9%9B%86%E8%8B%B1%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E7%AC%A0%E5%8E%9F-%E6%B8%85%E5%BF%97/dp/4087205169

 ズベズダ予習がしたくて、ここらでちょっとちゃんと社会主義てかソ連のことしっとくかと思って読んだシリーズ。書かれていることより書かれていないことの方がおそろしい。

 

ロシア革命ペトログラードの市民生活

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E9%9D%A9%E5%91%BD%E4%B8%8B-%E3%83%9A%E3%83%88%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E3%81%AE%E5%B8%82%E6%B0%91%E7%94%9F%E6%B4%BB-%E4%B8%AD%E5%85%AC%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D-%E6%AF%85/dp/4121009460

 ズベズダ予習がしたくてソ連とロシアを知ろうとしたシリーズ。こっちは、ロシア革命当時の三文新聞記事をリミックスしたやつなんだけどこれがなかなかめっちゃおもしろかった。革命によってピーテルの治安がどんどんおしまいになっていくのがすごくよくわかって、最初は泥棒とか入りまくってやばかったんだけど、市民がそのうち泥棒をなんとかいう呼び方のリンチをするようになって警察が逆に泥棒をかばうみたいな、更にやべえことになっていて、世界史の教科書には描かれないタイプの市民生活だ…と思ってめちゃめちゃおもしろかった。時代的には全然ズベズダともドストエフスキーとも違うんだけど勝手にロシア改造度がごりごりと上がった。

 

・鳥髑髏

 鳥髑髏このとき途中まで観て、時間がなくて観さしてまだ観終わってないんですよね。みなきゃ。

 

・アンブレラアカデミー9話と10話

www.netflix.com

 これも8話までで長らく観さしてあったのをこのときようやっとシーズン1を見終えた。こんなつづく!って終わり方ある!?!?兄弟の上の方に感情移入するのが私の常ですがここんちの上の方の兄弟は全然感情移入できるタイプじゃないからむしろヴァーニャもっとやったれ!!と思っていたのでやや不完全燃焼。シーズン2でヴァーニャがもっとやってくれると信じてる。(みなさい)

 

・都会のトム&ソーヤ 6と7

 まちとむもリアルタイム小学生だった時分にずいぶん楽しんで読んだんだけど自分が内人くんや創也くんの年齢を超えた瞬間読まなくなってしまったな…と思って、このたび読書会でトムソーヤの方を読んだのでそういえばと思って続きから読んだ。でもこのあとまた読んでない。読みなさい。読むぞう。

 

 

 こうして並べると9月は過去の回収もしようとしててえらい。しかしなにがどうなったらこんなにたくさん本を読んだり映画を観たり配信を見たりできたんだ。元気がありすぎる。あやかりたい。

 演劇配信でも劇場でもこころをぐらぐら動かされて私はけっこう悲しいわけでなくても感情がぐらぐら動かされると赤ちゃんみたいにめちゃくちゃ泣いちゃうのでだいたい泣いてる。人間がそこにいてなんかやっているというのはなんかそういうおそろしさ、おそろしさでなくてもひとごとにさせてくれない強度がある。そういうよさなんだなあ、というのがわかりつつあります。

2021年8月に観た映画や、映画以外

 2022年2月になりました。この調子でいくと半年後には書き終わっている計算だ(困る)。引き続きリストを綴っていきます。

 

★2021年8月に観た映画(6本)

1. 消えた時間

www.cinemart.co.jp

 おうちでシネマートで観ました。本当にかなりやべえ映画なのでチョジヌンさんのわるいファンだなあわれこそは…と思う方は絶対観てほしい。そうでない方はむちゃくちゃな映画が観たいなあと思ったときに見てほしい。何を言ってもネタバレになるんだけどとにかくチョジヌンさんをむちゃくちゃにしたいってことがすごくよくわかった。私はチョジヌンさんのわるいファンなのできゃあきゃあしちゃいました。

 

2.T-34 レジェンド・オブ・ウォー

t-34.jp

 ずっと気になってたけどこのとき初めてGyaoで観ました。当然よかったなあ…わたしはスチョーパが好きです。ああいう背が高くて無口でテーマカラーが暗めの副官がわたしは好きなんだ。最初フルネームで呼ばれていたのに気付いたらスチョーパになっていたときのもえる気持ち。白鳥の湖もめちゃくちゃよかった。戦争映画だから当然描写はたいへんえぐいときもあるのだが戦車が森を走るところとか人間が野原を走るところとかとにかく走るところの絵が全体的にすごくうつくしくてよかった。あと当然ラスト橋の上に魂を奪われました。長いバージョンもあるらしいので機会があったら見てみたい。

 

3.ダンケルク

https://www.netflix.com/title/80170278

 Netflixで観ました。T-34と同じ箱に入ってたので勢いがついて…けっこうしんどかった。でもほんとに戦争映画、そんな数観たわけじゃないんですけど、うつくしいんですよね…これがわたしには不思議だ…ジャムパンのしんどみ。あと音がしんどくて、沈む!沈む!のくるしさが本当に、逃げても逃げても岸に帰れない…のつらみ…

 

4.否定と肯定

www.amazon.co.jp

 Gyaoで観ました。うわさに聞いていたので、観なきゃって思ったんですけど、みてよかったな…邦題のひどさというのもよくわかりました。でも重たい題材なのにすごくテンポがよくて観るのはつらくないのがすごい。

 

5.孤狼の血

Amazon.co.jp: 孤狼の血を観る | Prime Video

 LEVEL2がすごくいいよっておすすめされてて、気になったので1を観ました。韓国映画であるやつ。松坂桃李さんがすごくすごくよかったのでそういう向きにはおすすめです。鈴木亮平もすごくこわくてよかったです。暴力がめっちゃよかった。BLだった。

 

6.華麗なるリベンジ

https://www.amazon.co.jp/%E8%8F%AF%E9%BA%97%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%83%AA%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%B8-%E5%AD%97%E5%B9%95%E7%89%88-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%9F%E3%83%B3/dp/B0711RV1TF

 実は華麗なるリベンジはDVDを持ってて、ずっと積んでたんですけどこのとき初めて観ました。当然めっちゃおもしろかった!!!!!カンドンウォンがむちゃくちゃかわいく、ファンジョンミンさんはスペシャルホットでした。安心のおもしろさ。

 

★2021年8月に観た映画以外

モータルコンバットレガシー

 引き続き観てます。シーズン2になったら日本語字幕つくようになった。うれしい。

 

・1911年(アクターカメラ版)

 7月に劇場で観たもの、配信で8月にまた観ました。アクターカメラのありがたみ。

 

明日のナージャ

 youtubeで観ました。実は途中で脱落してしまったんですが、毎週1話ずつ観ていて、華やかでかわいくてすこしさみしくてすごくいいアニメだった。機会があったら続きみたいです。

 

・ソムリエは名探偵

 熊井さんが!!!!かわいい!!!!!熊井さんがかわいいです。林檎剥く熊井さんがほんとにかわいい。小野ゆたかさんのことが好きです。

 

・機龍警察(自爆条項、暗黒市場)

 実はずっと昔に一巻だけ読んだことがあったんですが、軽率になんらかのジャンルにはまりたいな~と思って自爆条項と暗黒市場をこのたび読みました。本当に軽薄。で、当然めちゃくちゃ好きなやつだったんだけど、夏川と由起谷のことがセットで好きになり、なので未亡旅団の前で足踏みしているというわけ。ほんとにごめんなさい。

 みどライザが当然好き。一巻のときはもうちょっとアクション警察ものって感じだったような覚えがあったので、自爆条項はライザの過去とかけっこうずぶずぶに情緒たっぷりでびっくりしました。私はむしろこっちの方が好み。暗黒市場は当然大好きのやつだった。きゃっきゃとよろこびました。ユーリ…ごめんね…好きだよ…ユーリがキモノの中で吐いたとこ最高だった。ほんとごめん。好きだよ。あんこくいちば、なのか、あんこくしじょう、なのか、気になります。

 

・髑髏城の七人 Season花

https://www.netflix.com/title/81351467

 円盤をお借りして、このたび初めて髑髏城の七人というやつを観ました。最初好きになれるかわからんかもと思ったけど何しろ三時間もあってめちゃくちゃ舞台セットもすごいし出てくる人の衣装とかもすごいし巌鉄斎さまとかまじでなんだったんだ。おもしろかった。エンターテインメントって感じ…

 

・立ち止まって、考える シーズン3

ukihss.cpier.kyoto-u.ac.jp

 新しいシーズンが始まるごとにはっ前シーズンの宿題…って思ってる。ついていきたい気持ちはあるんですってば。でも実際、わたし自身の思うところとしてきちんと人文系の訓練を受けていない…という負い目てかコンプレックスのようなものがあるので、こうやってつまみ食いできるのは普通に嬉しい。シーズン3になっちゃったんだよなあ、こんなに長いことずっと非常で、という気持ちもあるな…そろそろシーズン4始まるかな。宿題片付けないと。

 

・シェフは名探偵

 七月に引き続き観てました。ほんと助かる。最終話の方にいくにつれてオリジナル展開になっていくのだけど、オリジナルのところばっかり浮くでもなく、シリーズ全体でやりたいことがはっきりしてて、ありがたかったな。ほんとにみやすいドラマだった。

 

SHERLOCK バスカヴィル・ハウンド

 7月に見始めたやつを8月までだらだら観てたらしい。SHERLOCKはやく続きみないとな…

 

・水中翼船炎上中

bookclub.kodansha.co.jp

 出版されたのは2018年だったのだけどそのとき買うかどうか迷っているうちに初読が2021年になってしまった。私が穂村弘を好きになったのはおおよそ15年ほど前のことですがだんだん、なんか、たとえば斎藤茂吉みたいに、もう亡くなっていて、若いときから年を取ってもずっと書き続けていてその著作が追えるようになっているタイプの歌人とかいるじゃんか、そういう風に、だんだん穂村の書きたいこと、書くことが変遷していくさまがリアルタイムで見えている、それがすごくおもしろいし、私はあまり書き手を生きている人間だなあと思うことがない(生きてる人間の著作であろうとなかろうと読むので)けど、穂村は同時代人だなあ…ってめっちゃ思う。

 

アブラクサス つみ

tumi.mystrikingly.com

 かなり好きな俳優のおひとりであるところの今里真さんが出演されていたので観ました。なんか…適切な感想かわかんないんだけど…洋画っぽくて、こういう演劇もあるのか!と思った。実際の事件がモチーフになっているとのことで、よりありそう感が出ていたのかも。今里さんはこれまでけっこう得体の知れない役を多めに見てきていたので、絶対こいつ裏切るでしょ…と思ったが最後まで味方だった。よかった。

 

・1848

www.nhk.or.jp

 パラドックス定数の井内勇希さんが出演されていたので、聴きました。で、そしたら、もしいうちさんが出演してなかったらこれを聴き逃していたのは悲しすぎる損失!!!と思うくらい、めちゃくちゃめちゃくちゃおもしろかった。

 ハンガリーの歴史って、正直全然知らなくて、世界史とかでもオーストリアに絡めてちらっと出てくるくらいだったので、私が知らないけど世界にはこのような歴史の物語があったのか、という方面からもおもしろかったし、まず私はラジオドラマを聴いて育ったとこあるのでひさしぶりに青春アドベンチャーの3週もある物語をごくごく飲んでうれしかったというのもあります。ほんとにおもしろかった。井内さんもいっぱい喋っててよかったし、あと詩とか演劇のことば、ことばが革命を鼓舞して、そうして進んでいった、しかして武器の前での無力さもきちんと描かれていて、でも一度蒔かれた種は草原に根ざし続けていく、その根の強さも信じさせてくれて、本当によい物語でした。青春アドベンチャーは平日の夜に放送しているのだけど後半とか毎日泣いてた。よすぎて。井内さんこのようなめちゃくちゃおもしろい物語に出演してくれてほんとにありがとうございます。

 

 

 こうやって並べてみると八月はめちゃくちゃ元気だったみたいでいろんな媒体のいろんなものに手をつけているな。外に出られなかったからというのもありそうだけど、やっぱ夏は元気ということがわかりました。