見た映画を記録する

毎月観た映画と映画以外を記録しています。

2022年4月に観た映画や、映画以外

 4月からは突然仕事が忙しくなくなり、時間がものすごくあるようになって、しかしてその時間を持て余していたので点数としては3月と同じくらいしかいろんな作品に触れていませんでした。こういうとき、みずからのワーカホリック性に気付いてしまいそうで結構いやになる…しかし大丈夫でこれは予告ですが5月も同じくらい忙しくなくなったけど正気を取り戻してめちゃくちゃいろいろ観ているから大丈夫だよ。

 

★2022年4月に観た映画(3本)

1. リトルフォレスト春夏秋冬

klockworx-asia.com

 逆になんで今まで見てなかったのって思うよね。すごくやさしくて、すごくいい映画だった。疲れたときにはまた見ようと思った。じゅんよるくんがすごくかわいかった。いい感じだった。これとラクを同時に撮っていたなんて信じられない…噂には聞いていたけどほんとに毒戦とは全然違う映画だった(当然すぎる)…こりゃ心配されるよ…3人で自分ちで醸したマッコリ飲んできゃっきゃしてるところがめちゃくちゃよかった。台風にやられた林檎畑でがんばるじゅんよるくんもよかった。3人の中で恋愛をするとかしないとかいう話になったらどうしようと思ったけどならなくてそれも本当にありがたかった。いい映画です。

 

2. クラウドアトラス(映画)

warnerbros.co.jp

 原作も読んだので映画も観た。映画はちょっと構成が変わっていて、シャッフルされていたのだけど、原作の後書きのところで6回物語のはじめを見せるわけには映画では行かないもんね、と書かれていたので、確かにね、と思った。やっぱペドゥナのソンミのところが映画としてもおもしろかったけど、小説で読んでてそこまででもだったのに映画になったら突然映えだしたのがキャベンディッシュの物語で、ソンミ世界でもキャベンディッシュの物語は映画だったけど、だからか!?と思ったりした。パブで乱闘になるところが特によかった。原作を先に読んでも映画がおもしろいこと、あんまりないんだけど(だったら原作を先に読むなよという感じだけど)、クラウドアトラスの場合は先に小説を読んだ方がいいとおすすめされていて、実際その通りだった希有な例だ…

 

3. 悪女

akujo-movie.jp

 はぎゅんさんが出てるから見たシリーズ。途中まで、魔女みたいなすごいパワー女の子もの(どういうジャンル?でもあるよねそういうの)かなと思っていたけど、はぎゅんさんとライフルスコープ越しに再会したあたりから流れ変わってきて(わたしこの韓国映画の流れ変わったなってなるところがめっちゃ好き)、はぎゅんさんがすっかり物語を喰ってしまっていたのが本当におもしろかった。はぎゅんさんとキムオクビンさんのやおいだった。アクションもかなりすごくて、カメラが本当に振り回されて、どうやって撮っているんだろうってとこがたくさんあってその点でもおもしろかった。

 

★2022年4月に観た映画以外

チェーホフも鳥の名前

knitcap.jp

 本当は劇場で観たかったんですが、断念してしまって…配信で観ました。そしたら、劇場で観ればよかった…ってすごく思った。たぶん、その場で響く音や、ひらめく光、揺れる空気、そこにいる人間の重さ、ごと、感じられた方が、もっとずっとめちゃくちゃよかったと思ったから。とはいえ、配信でもめちゃくちゃ本当によかったです。途中からよすぎてずっと泣いてた。

 あんまりたくさん観たことあるわけじゃない中から、これが好きなひとは好きだろなっていうのを挙げるとすると、外地の三人姉妹や、KAATの冒険者たちもわたしの中では同じ箱に入っています。土地に根ざした物語、舞台の上のやさしい打楽器、透ける光、しかして物語はときに重たく、でもここに暮らしているからには、目を背けるわけにはいかないでしょ、て感じの、本当に観てよかった配信だった。本当に重要情報ですが2022年6月26日まで配信観れるし、買えます!!!!!!観て!!!!!!!!

 そもそもチェーホフも数読んではないけど好きだし、おととしの立ち止まって考えるでチェーホフサハリン島の話聞いてたし、だいたい賢治は大好きだし、賢治の中でも特に春と修羅が好きなので、私にとっても答え合わせみたいな物語で、でもギリヤークの話とか極東ロシアの朝鮮民族の話とか、ほんのりは知っていたけど全然きちんとは知らなくて、でもチェーホフも鳥の名前のすごいところは、それが、めちゃくちゃ重たく痛ましくは描かれてなくて、そうも描けたろうに、舞台はあくまでさらりふわりと進んでいく、だから長い物語も水を飲むようにしてごくごくと観すすめられてしまう…ものすごくよかったです…観てほしい…

 

・ブラザーズカラマーゾフ

 4月にもまた配信があり、初めて観るキャストの回でした。このときのイワンはわたしが思ってる陰険で冷徹なイワンと違って、最初はなんかわりとアッパーで元気なイワン来たぞと思ったら、後半どんどんめちゃくちゃになってくれて、ほんと最高!!!!って感じでした。めちゃくちゃになるタイプのイワン大好き(つまりすべてのイワンが好きだ)。このときを最後にブラザーズカラマーゾフの配信は観れてないんですけどやっぱ円盤がほしいです。絶対好きなひといっぱいいると思うけど、ネイバーの配信ややハードルが高いので…

 

・ハングルへの旅

publications.asahi.com

 おすすめしてもらって読んだらものすごくよかった本。茨木のり子、実は詩は教科書とかで読まされるときの印象があって全然好きじゃないんですけど、この本はエッセイで、めちゃくちゃよかった。勉強しているというほどじゃないけど韓国語にちょっと触れているので、勉強を始めたばかりの似てるとこ見つけてうれしい気持ちとか、数字が難しいよ~!とか、わかるポイントもいっぱいあるし、あとやっぱ詩について書かれているところがすごくて、音の響きの美しさについて書かれている章を読んで、いつかぜったい原語で詩をよめるようになるぞ…と思った。独学もよいけどコミュニケーションを目的に語学をやっているならやっぱ教室にも行ってみたいよな…という気持ちにもなりました。

 

TIGER & BUNNY 2

www.tigerandbunny.net

 乗るぜ!このビッグウェーブに!と思って、とはいえ2022年6月現在まだ9話までしか見てないんですけど…でもシーズン1だって私は放映からずいぶん経ってから見たけど、それでも全然おもしろかったから、大丈夫かなと思っている。だいたいどの話もきちんとハッピーになりつつどきどきさせてくるの、うまいなあ、と思いながら観てる。悪そうなテンション高いあかちゃんみたいなふたご、私絶対好きなんだよな。

 

・スリル・ミー(イジュスン×ペナラ)

youtu.be

 プレスコールの動画があったら貼りたかったけど、ジュスンさんとペナラさんの回が見つけられなかった…のでイベントと思わしき思い出せないあの夜のことの動画を貼ります。観てください。

 前述したブラザーズカラマーゾフで、あれ、韓国ミュージカル、好きかも…?となっていたタイミングで、韓国版スリルミーが配信で観れることを知りました。昨年の5月に日本版の配信は3ペアとも観ていて、そのときはそこまでぶっささるという感じではなかったのだけど、せっかくだし、字幕がなくても3回も見てるやつだから筋はわかるでしょ…と思って、見始めまして、そうしたらなんと毎週日月の配信を4週にも渡ってやるっていうから、じゃあ飽きるまで見るか…などと思っているうちに今ずぶずぶとはまりつつあるところなんですが、実はこの1回目の配信を観たときは、今ものすごく大好きになっているイジュスンさんに対してそこまで特別に何かという感じではなかったんですよね。そういうこともあるよね。むしろペナラさんが、めちゃくちゃ大型ネコ科動物って感じで最高だなこの彼、むちゃくちゃになるのも本当に上手だし…と思っていた。筋はだいたい一緒なのですが演出が韓国版の方が自由で、それどころかペアごとにけっこうかなり違っていて(これは韓国ミュージカルの特徴であるようだ)でもこの最初の配信のときはまだそれに気付いてなかったからへ~韓国版ってこういう感じなのか~ということに終始してしまった感…また観たい…

 

・秘密(劇団普通)

gekidan-futsu.com

 劇団普通は昨年夏に三鷹の星のホールで病室を観て、ものすごくよかったので、今度の新作も絶対観たいと思って、はやめにチケットを取っていました。そしたら私がめちゃくちゃ大好き俳優であるところの小野さんが急遽出るということになり、大変気持ちが混乱した…

 それはそれとして、今作もやっぱりものすごくおもしろかったです。そういってよければ、劇団普通の作品は、エンタメ性とはものすごく遠いところにあって、生活、それも全然ドラマチックじゃないほんとの生活が、そっくりそのままどこかから切り取ってきて舞台の上に動態展示してある、っていう感じなんだけど、それのどこがおもしろいのかっていうと、本当に隅から隅までおもしろいんだよな…不思議なんだけど…今回演じられた王子小劇場というところは、私がこれまでいったことのある劇場(少ないけど)の中でも一番くらいにちっちゃくて、それほど大きくない部屋の片隅が植木鉢で仕切られていて、それを囲むように客席が並べられていて、舞台(として区切られているところ)の後ろには小道具なのか本当にただそこに置かれているだけなのかわからないような脚立とか箱とかがそのまま置かれてあって、絵本のいすうまくんというのがあるのだけど、全然関係ないけど客席と舞台、物語とこの世のあわいが、本当に薄くなっているところが、いすうまくんに似ているなあと思った。これは実は事前にアドバイスをいただいていて、ちょうど客席の折れ曲がるあたりに座ったんですが、植木鉢で仕切られているわれわれ観客は、舞台上から観るとちょうど庭にあたるんですよね。それで、話の中で、みんなが庭を見るシーンがあるんだけど、そのとき俳優たちはめちゃくちゃ客席を見る(目が合った気がするとかじゃなくて本当に見る)のが、見る側と見られる側の転倒を感じて、すごく不穏になるし、めちゃくちゃよかった。劇団普通は台詞が全部茨城弁なんですが、私は東北の南側の出身なのでイントネーションとかはちょっとわかりみがあり、だからこんなにさもない日々の暮らしのようでいてずるずると物語に引き込まれてしまうのかな…本当に不思議だ…

 最後、主役であるところの娘が、本当に手が痛いんだよ、と、自分だけに負担がかかっていることを、父母に向けて訴えるシーンがあるのだけど、そのときお母さんの役のひとは、娘の手をさすって、つらいね、いたかったね、というのだけど、そのシーンが、わりと物語のクライマックスで本当だったら大変感動的なシーンになってもよさそうなところ、すごく空虚で、全然わかってない、母といえども全然わかってない、どの家にもどの家にも不理解がぎゅうぎゅうにつまってて、茨城じゃなくたってどこにもほんとは逃げるとこなんかない、やだー、すごくやだ、と感じられるシーンになっていて、これは私が誤読してしまったのかなと思っていたけどあとから人の感想を読んだり聞いたりしていたらやはりそのようなシーンであったようで(ひとによるけど)いやさを明示しないで巧みに観客として感情を繊細にうごかされるとき、魔法みたいで、演劇をみるようになってよかった、こんなわけわからん気持ちになることがあってよかった、って思う。

 

・スリルミー(キムヒョンジン×ノユン)

www.youtube.com

 2週目。キムヒョンジンさんとノユンさんです。この週はほんとにほんとに驚きました。なぜなら…………彼と私がほんとうにほんとうにラブだったからです!!!!!やばかった。付き合ってた。ていうかほんとに愛し合ってた。ただちょっと彼がニーチェに間違ったはまり方をしちゃっただけ、って感じだった。そんなスリルミーもあるのか。解釈が本当に自由だな…って思って衝撃を受けてこの週あたりからずるずると引き込まれ始めます。キムヒョンジンさんのこともかなり好きなんですけど、この2021年上期?のキャストにはもう一人キムウソクさんという私役の方がいらっしゃるんですが今回の配信ではウソクさんは見られなくて、ジュスンさんとヒョンジンさんが2回ずつみれて、ウソクさんもすごくかわいらしい感じの私であるとの噂を得ているのでそれは残念だけど、ペアシャッフルの醍醐味である相手によって演技が全然違うというのがめちゃくちゃよくわかってそれがすごくよかった。この次の週のジュスンさんとソクジュンさんの回が私はめちゃ興奮したのだけど、このヒョンジンさんとノユンさんの回は、お気に入りと言うにふさわしいあまあまの感じで、ずっとラブだったし、この回もまた見たいな…と思いました。

 

 4月は時間があったがゆえに韓国ミュージカルなどというものすごく深そうな沼に足を踏み入れてしまってこれからどうなっちゃうんだろう。どきどき。