見た映画を記録する

毎月観た映画と映画以外を記録しています。

2020年2月に見た映画

 今月は13本の映画を見ました。29日しかなかったのに。なぜなら映画をはしごするということを覚えてしまったからです。やばいです。見た順に書きます。ネタバレもあります。

 

1.ナイトクローラー

 Gyaoで見ました。去年ゴリバを見て、ナイトクローラーが転生失敗と言われていたので、たしか前に無料配信していたとき途中まで見たんですけど、あまりにもつらくなってきたので途中でやめて、気が付いたら配信期間が終わっていたのでした。せっかくだから続き見るか、って思って、やっぱりつらかったです。たとえ転生失敗と思ってなくても純粋につらい。こんなハッピーエンドがあってたまるかよって感じ。ジェイクジレンホールの明らかにやべえやつって感じのお顔が、整ってるんだけど、目の見開き方とかなのかな……ほんとにこわいです。リズさんもかわいそうなんだけど、リズさんはかわいそうなところがかわいいって感じもあって、頭がわるくてほんとうにかわいそう。あとニーナの追い詰められ方が本当に自業自得なんだけど男のひとだったらこういうふうには追い詰められないじゃんか、って感じのきつさがあって、確か前回はニーナが食事に行こうって言われているあたりで止めていたので、やっぱきつかったな……

 テロライブのこともちょっと思いました。独占報道を求めるあまりどんどん逸脱していって、本当にやべえやつに食い物にされる、というところが。つらかったです。リズさんはかわいかった。

 

2.ホテルムンバイ

 新文芸坐で、毒戦との2本立てで見ました。

 実話ベースの物語というもの、いまだにどうやって向き合ったらいいのかよくわからない。とくにこうやって、つらい話だったとき。ベースにした事実が、どのくらい明らかになっていることなのかとか、書き方とか、どのくらいフィクションとの割合をとっているのかとかによるんだと思うんですけど、ホテルムンバイはかなりたぶん実話に即している?そうで、それでエンディングとかの写真、たぶん本当の慰霊祭のが映し出されていたりして、あたりまえだけどどんどんひとが死ぬし、きつくて、ちょっと語る言葉を持ちません。

 たぶん公開前くらいに、全然別の映画の前に予告が入っていたのでなんとなく知っていて、あとキャッチコピーとかにもプロフェッショナルとしてお客様を~みたいのが入っていたので、こんなだとなんとなく思っていなくて、でもこれをもしお仕事良い話みたいにして消費していたとしたら地獄だし……

 私としてはテロが起きたとき、どこまで従業員がお客さんの面倒見なきゃいけないの、そうなったらもう、個人と個人でしょ、とも思うけど、このへんはよくわからない……

 あと、テロ犯の少年たちは、何度も電話の向こうから、異教徒は人間じゃないから殺してもいいって語りかけられていて、彼らがそう思うことで無慈悲な行いをやってのけていることが見ている側にも明示されている。けど、お客、とくにインドの外からのお客(敬称をつけることでニュアンスが変わりそうなので…)、テロリストのこととか、従業員のこと、人間だと思っていない、そりゃ聞かれたら人間だと答えるだろうけど、そうじゃなくて同じ価値の存在だと思ってない、のではないか、って思って、名前忘れたけどロシアのひととか、なんなら同じお客のことだってあまり人間扱いしていない、それは彼が軍人であることともしかしたら無関係じゃないかもしれないけど、……まとまりませんけどえぐい構成で、そのなかで主人公が一人いるとすれば彼であるところのアルジュンはだれのことも、お客のことも、警察のことも従業員のことも、自分が心を配るべき人間として見ているように書かれている気がして、そこが物語的なところでもあり、見る側のために補助線を引いてくれているみたいな、甘やかされてるみたいな、気がしました。あのひとも実在人物なのかな……

 

3.毒戦BELIEVER (6回目)

 ホテルムンバイと2本立てで、新文芸坐で見ました。劇場で見るの、6回目だったみたいです。新文芸坐はこれまでがんばれチュジフンオールナイトと窮地に踊れ標的の男ハジョンウオールナイトの2回行ったことがあったんですが、どっちもANだったので、日中に行ったのはこの時が初めてでした。新文芸坐はほんとによくて、まずスクリーンがすごくでかいし椅子もふかふかだし、あと音が、特に低い音とか大きい音とかがほんとにすごくいいんですよね……それで毒戦のサントラとかほんと最高なんで、もう最初のところから、これまで聞こえたことない音とかも聞こえる気がして、スクリーンも今まで見た中で一番大きかったし、好きな映画を好きな映画館で見られるという幸運よ……と思いました。ありがとうございます。

 映画館に推しとかあんまよくわかんないっていうか、好きな映画をたくさんやってくれる映画館がいい映画館でしょ、とこれまで思っていて、そりゃもちろんそういう側面もあるけど、毒戦を追いかけていろんな映画館に行って、同じ映画を違う映画館で見るというのも意識的にやったのは初めてだったし(同じ映画館の違うスクリーンで見るとか、おんなじ東宝シネマズ系列の別のとこというのはあったかもしれない)、そうしてみるとやっぱり相応しいスクリーンサイズとか、館自体の雰囲気とか、中身は同じはずなのに、どこで見たかで結構受け取り方変わるなな、すごく豊かだ、と思いました。そう思う機会を作ってくれてありがとう、好きな映画だ、と思います。

 

4.ハスラー

 歌舞伎町の東宝シネマズで見ました。すごく相応しい場であったと思う。

 あんまりちゃんとあらすじとか知らないまま行って、ストリッパーのひとたちがお金をまきあげる、百合、ってくらいしか知らなくて、めっちゃ踊りがうまくなってのし上がっていく的なやつなのかなと勝手に思ってて、それで途中まではだいぶ想像した通りのお話だったんだけど、途中から……しかしその途中からの描き方が、よかった、と私は思いました。実話ベースなの知らなくて……

 幸せの描写がとてもすごくよくて、だからこそ、あ、これ、途中からそうじゃなくなるやつだ、ってわかってしまって、アッシャーが来るところとか、本当に幸福すぎてもうすでに泣いていたんですけど、そのあと……ディスティニーは賢くてすごく愚かで、でもラモーナに出会っちゃうって、たぶん天災に出会ってしまうみたいなもので、あんな魅力的な嵐にあってしまったら、もう巻き込まれていくところまで行くしかできることはないのだ……ラモーナに褒められるってそんなの自分のこと全部全部肯定されるのとおんなじなんですよ、って私は思うし、それなのにディスティニーはずっときちんと比較的自分のことを持っていて、えらくて、かしこくてできることを全部している、それでもどうにもならないのは、それはどうしてかっていうと……

 私の倫理観でいうとやっぱヤクはちょっとだめでしょと思うは思うんですけど、でもラモーナの言っていたように、ヤクを盛るのはだめで、お金で人間を買うのはオッケー、それはどうやって線が引かれてるんだよ、法律だとして、その法律はどのようなひとがどのように作った法律、どのようなひとが誰のために運用している法律……みたいな、でもやっぱヤクはちょっとって思うけど、このように迷うこと自体ラモーナに翻弄されているみたいで……

 でもキッチンでいろいろやって薬の配合を試すところ、実験!大事!いいぞう!!って思ってしかもすごくハッピーで、あんなのやりたい、私もキッチンの床でぶっ倒れたいよ……とにかくディスティニーとラモーナがめっちゃよかったんですってば……

 見た直後のときは信じられんくらい泣きながら大変興奮していたが、その後やべー最高と思ってひとの感想を見ようとしたらまじ全然わかってねえほんとに同じものを見てたのかよっていうのがいっぱい出てきてやっぱ他人の感想は地雷を踏みすぎる、私の好きな映画は私の好きな人にだけ見てほしい、信頼している人の感想しか読みたくないよ、って思いました。

 あとそれまで完全に没入してみていたので、ディスティニーがレコーダーを切って何も聞こえなくなってしまうところ、記者のひとを締め出すところで、私も物語から締め出されたような、あんたの話じゃないんだよ、これは映画、って言い渡されたような、そういえば最初から全然一ミリも私の話ではないんですけど、なんかめちゃくちゃに衝撃がでかくて、すごいつくりだ、と思いました。

 あとエンドロールでDJのひとがショーの初めの曲の入りって体で観客に向けてしゃべるんですけど、そこで、今日は女性のお客さんも多いな、って言っていて、そこのところで画面にはほとんど文字しか映っていないところにも関わらず、自分でも信じられないくらい涙が出て、私のことを見ている、見られている、頭数に入れてもらっている、と思って、これがどうして嬉しかったのか、そんなめちゃくちゃ泣くほど嬉しかったのかはちょっと今のところ言語化が難しい……でもとにかく、だんだんそうでなくなってきているとはいえ、私向けの物語、と私が思っているもの、ときどき私のような人間をターゲットにしていない、だから変な楽しみ方をしちゃったなあと思いながらでも私はこれが好きなんだもんって思うことがすごく多くて、そのことには全然不満を抱いていないんだけど、でもだからときどき、ステージの上から君のこと見えてるよ、ってファンサをされると、もう信じられんくらい感情が揺り動かされるので、そういうやつだったんじゃないかと思います。見終わった後より今の方がめちゃくちゃ言いたいことあるな。ほんとのポールダンスも見てみたくなりました。

 

5.無垢なる証人

 ここから9人の翻訳家までは、無謀にも一日四本立てをやったときの映画です。新宿は最高だな。おしりがすごい痛くなりましたけど、取り合わせがよかったのもあって、すごいいい感じで見れたので、これで一日に複数本映画を見るというやばい行いを覚えることになってしまいました。どうしましょう。

 ヒャンギ先生がとにかくすごい、というのは、予告編を見ていた時点でもだいぶわかっていたんですけど、ヒャンギ先生がほんとにすごくすごかったです。ウソンさんはいつものウソンさんて感じで足がむちゃくちゃ長くてよかった。ウソンさん、初めて観たのが監視者たちで、次に観たのがアシュラなので、いいひとのウソンさんを見ると逆にうさんくさい感じがしてしまい、ちょっと申し訳なかった。容疑者のひとの演技もすごくよくて、そりゃもうあらすじ時点でこのひとが本当はどうなのかわかってるようなもんだけど、それでも本当はどっちなんだ、怪しい、でも信じたい、って思って表情をよく見ると本当にどっちでもあり得そうな何とも言えない表情をしていて、すごいと思いました。ヒャンギ先生は本当にすごかった。眼球が、全然じっとしていなくて、すぐうろうろするの、ほんとわかる、すごくて、何をどうやって役作りをしたんだろう、すごく知りたい、と思った。あと友達の女の子のことに心を馳せてしまい、すごくつらくなった。ジウが私は弁護士にはたぶんなれない、だから証人になりたい、というところ、本当につらくて、それはまあたぶんそうなんだけど、そのようなことを言わせてしまって、そのことが本当につらく、賢いのでそのことがわかる、どころか、自分で口に出して表明できる、それでも弁護士というのはそういう仕事ではないのだ、と思って、むずかしい……全然法曹のこと知らなさすぎてどの辺まで物語なのかわからない。ウソンさんのひとが検事のひとと付き合うエンドかなってちょっと思っちゃった。

 

6.ナイブズアウト

 ミステリあんま得意じゃないから、最初全然見るつもりなかったんですけど、助手が嘘をつくと吐くというやばやばど性癖情報を得てしまって、そりゃ見るしかねえと思って非常によこしまな気持ちで行ったところめちゃくちゃおもしろかったです。よかった。

 ミステリがあんま好きじゃないののひとつに、全然推理ができないから、どんでん返しされてもへ~そうなんだなんにもわからんかったわ、となってしまうというのがあるんですけど、映画だと推理をしてもしなくても話は進んでくれるし、あとめっちゃわかりやすく示してくれるから、ミステリの苦手ポイントが一つ減って、みやすいなって思いました。あと主人公の子はほんとにめちゃくちゃ吐いてた。最低なんだけど、もうポークビーンズ食わすとこでもうわかっちゃって、めちゃくちゃ期待してしまい、ボウルを頼むとこ、もう最低!!!最高!!!と思って、性癖に振り回されておりました。最低。ごめんなさい。

 善良であることが最終的によい結果に繋がる物語、べただけど、救われる気持ちになるしやっぱ好きだな。好きです。

 

7.1917

 ワンカットと聞いて勝手にドキュメンタリー的なものを想像していたら、他人の夢を覗いているみたいな映画だった。この日3本目ということもあってちょっとぼんやりしていたのにすごくぴったりはまって、すごくよかったです。戦争映画だけど、基本的に道行はごく少人数なので画面内ではあまり人は死なない。マークストロングの脚が長い。しょうじきコリンさんとつよしさんの絡みを期待していなかったと言えばうそになりますが同じ軍隊に所属していたらまあなんかあるよね。こっちでやるので大丈夫です。つよしさんがいろいろいうので頑迷なベネディクトカンバーバッジもちょっと期待したが話の分かるベネディクトカンバーバッジだった。しかしそれもまたよかった。ていうか英国俳優ばっかりだからってのもあるけどめっちゃTTSSじゃん。うれしい。白亜の塹壕で、銃弾が飛んできて白い土が舞うところ、うつくしかった。森の中で歌を歌っている兵隊たちに出会うところも本当に美しかった。妖精の輪に会ってしまうみたいな。桜が舞って死体が流れる川も美しかった。焼夷弾に照らされて、影が踊って伸びる廃墟の街も、うち捨てられた農園と桜の果樹園も、うつくしくて、戦場をこんなに美しく撮るなんて、そんなことやっていいのかよって思っちゃうけど、誰かの夢ならしょうがない。

 

7.9人の翻訳家

 本当におもしろかった!!!!!!誰ひとり知っている俳優が出てきてないのに、筋だけで本当に面白くて、こういうことがあるとき映画端から見ていて本当よかったって思います。全然ノーマークだったけどTLですごい褒められていたからせっかくだしと思って行ったらほんとにすっごくすっごくおもしろかった。いつもありがとうございます。

 そもそもビブリオもの、書痴ものというか、本にまつわる物語、というのが私は好きで、それが本で繰り広げられている場合自己言及のおもしろさというのが加わるんですけど、映画だとどうなるんだろ、見た目地味でしょう、机並べているところを映したって……と思いきや!!すっげえおもしろかったな……絵的に派手だったかというとそんなことは全然ない、映っている人数は多いけど基本的には屋内それもその軟禁されてる屋敷の中で、すごく大爆発とか言うこともない、それなのになんでおもしろいかって、それはやっぱ翻訳という営為とか、人間が物語に狂わされてしまうところとか、どうしても書きたい気持ちとか、書けない気持ち、書いたものが読まれる気持ち、とか……

 デンマーク代表(うろ覚え)のひとの気持ちが本当につらくて、もし私がものを書くことを真剣に目指していたら辛すぎてあそこで映画館を出てしまったかもなと思いました。英語の翻訳家の彼が、あなたにはわからないよ、とぱしっと言われていたのもよかった。それがどうしてか、あとから明かされて、でももしそうじゃなくたって、彼にはわからないこと、ていうかもっというと、本質的にはだれにもわからないことだろうな、と思って、ほんとにねえ……人間が物語を作るのに物語で人間は生きたり死んだりますからね……

 それはそれとして本筋のトリックというか、展開もすごくよかった。時系列が混ぜられているのも、そんな親切設計しなくたって大丈夫だよって最初思っていたんですけど、そうじゃなくて、檻の内側にいるのはどっちなのか、そして今つかまりそうになっているのはどっちなのか、というのが、ぱたぱた行ったり来たり、あと原稿を盗むところ、回想シーンなのもあって動きが作中で一番か二番目くらいにあって、そこでどうしても見ている側としては心を捉えられてしまう、魅力的に感じて、その説を支持したくなる、ところに!!それもまたぐるりとひっくり返してくる、でも筋を追いづらいって思うところ全然なくって、丁寧ですごく作り自体もうまい映画だなって思いました。9人の翻訳家がみんなめちゃくちゃキャラ立ってて全然人間をごっちゃにしちゃわないで済んだのも人間見分けられないマンとしてはありがたかった。親切な映画でもある。

 ダヴィンチコードだかその続編が翻訳されたときのエピソードがモデルらしいので、デダリュスが読めない分そっち読んでみようかな。ほんとおもしろかったです。

 

8.スウィングキッズ

 神と共にからD.O.ことドギョンス俳優様ことでぃおくんのことをすっかり好きになってしまい、とかしているうちにでぃおくんは入隊してしまい、過去MVが豊富にあるけど、いま生きているでぃおくんの姿が見たいよお!と思っていたところででぃおくんの主演映画、こりゃあみるしかない、と思って、年末とか1月の凄くつらい時期、でも今死んだらスウィングキッズが見れない、ここまで頑張るよ、と思っていたんですよね。

 プロモーションの感じから、つらいけど明るく頑張る、厳しい時代でも踊ることはできる、的な映画かと勝手に思っていて。アイドルもしているひとが主人公でダンス映画、これはもう約束されたようなもんじゃんと思っていて。ちょっと甘く見ていたなって思いました。すごくいい映画だった、し、誠実で、そりゃあたりまえなんだよな、その戦争、まだ終わっていないんだもの、休戦ってこと、いろんな映画を見て、なんどもそうだった…と思ってはいるけど、まだ全然わかっていない、新鮮につらくなってしまうが、それその戦争なんで起こったんだよということを考えると、そんな安易に傷つくこと、無神経の極みでしょとも思い、……

 まだ全然私の中で消化できてないのでちょっと……

 それはそれとしてでぃおくんはやっぱ最高でした。でぃおくんがやる役、まだドンヨンとロギスしか見たことないけど、ドンヨンのときこんな素でやべえやつ、この子だけほんとにそのへんを歩いてきたのを連れてきたんじゃないの、えっアイドル!?という衝撃があったものですけど、ロギスもまず姿勢からして違うんだもの……アイドルをしているときの、バラエティとかに出ているでぃおくん、骨格がそうなんだとおもうんですけどちょっと猫背っぽいイメージがあって、でもロギスはいつもそりかえっていて、それは英雄の弟だからなんだけど、ほんとはすごくたくさん動けるはずの表情筋を、押さえて押さえている、というのがすごくよくわかって、でも踊っているときはそれが出てしまう……顔に出なくてもステップに出る、ステップに出なくたって、踊りたい、と思っているその態度に出てしまう……という感じが、ほんとうにすごい俳優だよ、好きです。好きなひとがいい仕事をしているのを見ることができるのは本当に幸せだ。

 オジョンセさんの役のひとが、それならなんでそんなに上手に踊るんだよ!って叫ぶところ、そのあとも何度も思い返しては、本当だよ、って思ってしまった。カーネギーホールのことも、あとジャクソンのことも考えると本当につらい。踊っているときは全部忘れられるとかいうこと、本当はない。って感じで、そういう意味でも非常にまじめなつくりだと思いました。でぃおくんの役選び推せるな。

 ほんとは何度も見たいなって思ったけどあまりにつらすぎてもう一回見れるかわからない。でも最後にふたりで踊るところ、本当にありがとうと思った。ハスラーズもだけどつらい物語の最後に踊られると本当に涙がむちゃくちゃ出る。ジョジョラビットも。

 

9.ミッドナイトランナー

 U-Nextで見ました。映画じゃないので特に言及しませんが、今月はUnextの無料期間もやってて、基本的には客ザゲストを完走したりしていましたが、客ザゲストがぶじおわったのでなんか見たいな~と思って見ました。やべえ最高ボーイズでした。

 信頼できるど性癖情報として吐く、裸で逆さに吊るされて拷問される、などをすでに知っていて、そりゃあ見ずにはいられんわ!と思ったものですけど、結構早めの段階でサクッと激しく吐いていて、うわ~やべえ最高じゃんと思いましたし、なかなかな感じで拷問もされてて、よかったですね……非常に……

 悪役が信じられんくらい悪くて、でしかも麻薬売る組織とかじゃなくて、めっちゃほんとにありそうで、かつすごく悪くて、普通にめちゃくちゃ最悪だったんだけど、それはそれとしてパクソジュンとカンハヌルがよお!!!!よすぎたんですよね……

 いいですか!?体力と情熱はめちゃくちゃあるけど頭はあんまよくない男の子と、頭でっかちででも周りとはちょっとずれててでも熱意は人一倍みたいな男の子の組み合わせ、嫌いな人いますか!?いたらそのひとの分まで私に回してほしいくらい私は大好きです。それだったんですよね。カンハヌルが歯が多いなって言われてるの見てから他のところでカンハヌル見てもつい歯を見ちゃう。多いかはわからないけどすごく揃っててきれいだと思います。大志を抱いて突き進むばかとばかって感じでめっちゃかわいくてすごくよくてものすごく応援したくなった。教官もよかったですね。でもあんながんばってて希望を持ちまくりできらきら輝いてる子たちのこと応援したくなっちゃうよね。わかるわかる。

 

10.V.I.P.

 これもUnextで見ました。なんかよく3人いていろいろしている二次創作を見かけたことがあったんでそういうでこぼこトリオが解決してく的な感じかな~と思ったらよう……リデボム……そんなことがあっていいのかい……という暗澹たる気持ちになりました。展開がめっちゃ早くて場所と時間がいったりきたりするので、最初んとこのヒットマンみたいなことしてるとこのこと最後にはすっかり忘れてたので、新鮮に驚けて逆においしかったかもしれん。パクジェヒョク、眼鏡の苦労人でかわいいなって思ってたのにそんな大変身、ずるいよ、好きになっちゃうじゃん。イジョンソクのひとが美しすぎてすごい良かったです。でも役柄はほんと地獄のような最悪さだった。

 

11.ザキング

 これもUnextで見ました。三日連続でUnextでやべえ韓国映画を見た。

 ちょっと申し訳ありませんが、チェドゥイルのことまだ全然消化しきれてないので保留で……ごめんなさい……リュジュンヨルの最高さはすごく感じました。リュジュンヨルに犬みたいな青年を演じさせたい一派が確実にいるな。いいぞ。もっとやってくれ。でも今度は絶対幸せにならしてやってくれ。頼む……

 でも、じゃあパクテスと再会しなければチェドゥイルは幸せにやっていけたかというと、そんなことなくて、それどころか政治的な後ろ盾がない状態でそんな成り上がれるわけもなく、かといってチェドゥイルはチェドゥイル自身の暴力性が自分の身を焼くタイプなので下っ端チンピラだったら大丈夫とかいう問題じゃないんだよな……しかしふつうにみんな見下してて最低最悪、ほんとノワール映画の最悪描写は最悪であればあるほど私のテンションはぶち上がります。なんでドゥイルのこと宴席の下働きにしてたかって見た目がいいからでしょ。わかる。真っ黒で細身の上下着さしたりして意図が露骨だよ。わかる。ほんとジュンヨルくんの目の演技というのがほんとうにすごい、口元の方が動きがあるけど、より鮮烈に感情を表出させるのは目のところだと思う。書いてあるみたいに表したい感情がはっきり出ている。すごい。どうやってやってんだろう。すごい。好きです。チェドゥイルの最後のこと考えるとつらすぎて気持ち悪くなってくる。全然チェドゥイルのこと話にかました意味がよくわかんないんですけど……

 あと噂に聞いていた誰かのスキャンダルをもみ消すために女優の麻薬使用歴をばらすとか、プライドを捨てろ!権力に従え!とか、極悪ウソンさんとか、歌うウソンさんとかを履修できてよかったです。

 

13.キルユアダーリン

 Gyaoで見ました。

 ハリーポッターじゃないダニエルラドクリフを初めて観たんですけど、ハリーポッターのときは苦手だなと思っていた、むちゃくちゃ繊細そうなところが、この若くて恋をしていてドラッグを乱用するアメリカの詩人という役にぴったりはまっていて、すごくよかった。先週の金曜日にお酒を飲みながら見ていたのでほんとはどうかわからないけど、これも誰かの夢みたいな、夢というほどではないけどドラッグでみる幻覚みたいな、ふしぎなつくりになっている気がして、こういう映画もまた結構好きだなということがわかりつつあります。小説だとそもそもこういうふわっとしたやつが好きなので、そりゃそうかもしれないけど、見始めたばっかりのころはそもそも映像を追うこと自体が難しかったので、わかるべきものなのかわからなくていいものなのかが判別できないとなると難易度が高かったので……

 ウィリアムバロウズの前髪がてろんと垂れていて丸眼鏡でおぼっちゃんで笑気ガスでらりっていて厭世的なものの見方をするSF作家というキャラクターが最高でやべーと思いながら俳優のひとを画像検索したらそれほど好みど真ん中というわけでもなかった。であるからにはバロウズが好きなんだと思う。裸のランチ予約しました。

 もっと巨大感情で殺す話だと思っていたので、そうでもなくて、巨大感情はあるんだけど、それが人に向いているのか、創作に向いているのか、どっちも本人たちもたぶんはっきり分別することはできなくて、でもそういうの、私おととしまで文人界隈がメインジャンルだったもんで、あ~好き…魂に刻み込まれている…と思っちゃいました。

 

 

 

 以上です。こうして書いていると、自分の中で感想がまとまるまでに最短2週間はかかるんだなということがわかります。月半ばの4本立てしたあたりのところまではだいぶ感想が言葉になるけど、先々週末のスウィングキッズあたりから怪しくなってくる。でもあんまり前だと感想を忘れてしまう。固まらないうちに言葉にしてしまうと、そこで思ったことが固着してそれ以上のいろんなことを思うのが難しくなってしまう。感想をまとめておくタイミングが難しいなって思っています。でも2か月もこれをかけて我ながらえらい。2/12できたらそんなのもう全部できたも同然だよ。3月分もちゃんと書けるように正気を保ってがんばります。