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毎月観た映画と映画以外を記録しています。

(記憶喪失になったとき用)どうして韓国映画を好きになったのか その経緯

 私は本当に気が変わりやすく、また昔あったことも書いておかないとすぐ忘れてしまうので、このへんでどうしてここまで韓国映画にはまったのかを思い出せる限り記録しておきたいと思います。もし私が将来記憶喪失になって、なんでこのひとこんなに熱烈に韓国映画を見ていたんだ……と思ったとき、混乱しないで済むように。わりとよくわからないルートをたどっていたような気がするので、他人が読んでおもしろいかはわかりませんが、記憶喪失になった私が読んだらこいつなんだよと思ってとても面白がりそうな気がするので。

 私以外だれが読むんだという長さなので、適当にあれしてください。1万字弱です。

 目次です。

1.シャーロックホームズにはまる

2.スパイものにはまる

3.韓国映画にはまる

 

1.シャーロックホームズにはまる

遡るとして、2017年7月にFGOのホームズさんを引いたのが、わりと一番はじめのきっかけだった、ような気がします。FGOはその後もしばらくやっていましたが、それはそれとして、擬人化ものはなるたけ原典に当たりたい派だったので、お迎えしたからにはやはりシャーロックホームズものを読まねば、と思って……思ったのですが、このときはたしか全然手が付けられず、まあいいか、と思って、終わったような覚えがありました。 というのも(もっと遡ります)私の通っていた小学校には夏休みの午前中に図書室が解放されていて、妹とふたり通っていたのですが、その頃ちょうど講談社ミステリーランドの最初の何回かが配本されていて、装丁は綺麗だし箱入りでたくさん並んでて、喜々として手に取ったものの、こわくて最後に何かが明かされてるっぽいけどそれもよくわからないし、何が書いてあるかわからないものの多分これ図書室で読んでるからいいけど借りて帰ったら絶対読むのやめなさいと言われるやつ……と思い、それ以来ながらくなんとなく、ミステリは得意じゃない、という自認があったので。

それなのにいま血がいっぱい出るような映画を喜んでみているので、もっと大きくなってから出会っていたらもっと好きになってたかもしれないと思います。(とはいえ、一緒に通っていた妹はのちにわりと新本格読む人になっていた覚えがあるので、ふつうに向き不向きのよいフィルタになっていたというのはあるかも。私は結局森博嗣くらいしか好きにならなかったです。これから好きになるかもしれないけど。あとアリスのシリーズもこないだちょっと読みました)

しかしやっぱキャラクタだけ愛でているというのも、という思いはわりとずっとあり、そして2018年4月のことでした。

 

 

シャーロック・ホームズの冒険、いわゆるグラナダ版と呼ばれるやつをGyaoで見始めました。

 このころちょうどシューカツが煮詰まっていて、1話50分できちんとオチが付く、きれいな映像、ジェレミーブレットの麗しいほんもののホームズと、最後の冒険の前後で別人みたいになってしまう、でもどっちもホームズのやばすごい親友であるところのワトスンの関係性がいや噂には聞いていたけどこれ一番原作に近いと言われている映像作品でしょう!?それでこれ!?いや!?待って!?これって原作を読んだ人がみんなつよめの幻覚を見ているとかじゃなくて、ドイルが書いたそのまま、そのままでこの純度のなかよしさなのか……!?と、人間と人間の巨大感情の大鉱脈を見逃していたことにここで初めて気づきました。ウカツ。そりゃまだらのひもとかは子ども向けの訳で読んだことあったけど、長編に手を出したりとかしたことがなかったもんで。

グラナダ版との出会いには重要なポイントがふたつあります。

①自分が実写映像作品を楽しんで見られることがわかった

 そもそも、映像作品を見ること自体あんまり進んでやっていなかったというか、自分の享受できる娯楽の範疇に入れてなかった、というのがあります。とはいえアニメとかはわりと見たりしてたんですが、実写ものに対してハードル高めに感じていたのと、あと最近映画たくさん見るようになって改善されましたが、ひとの顔が覚えられない方だったので、常に名前を字幕で出しててもらわないと区別がつかないよ……という感じだったので、何が起きてるか把握するのが結構難しかったです。その点、グラナダ版はホームズとワトスンだけ覚えとけばあとはだいたいゲストキャラだから服装とかでわかるし、ホームズとワトスンはすごくわかりやすいので、その点もよかった。

Gyaoで無料配信めっちゃやってることを知った

 グラナダ版以前もGyaoはちょっとだけ使ったことありました。だいたいロンドンゾンビ紀行を年1くらいで見ていました。が、そのときは、普通は全部有料のところを夏休みスペシャルとかで数本だけ無料、みたいな感じなのかなと勝手に思っていて、だからほかの映画も探してみようとか全然ならなかったんだと思います。ところが、グラナダ版は41話あるので、一日一話くらいのペースで見ていると、だんだんひょっとして、ほかにもめちゃくちゃたくさんの(そして、今まで気づいていなかったが潜在的私向けの)実写映像作品が無料で公開されているのでは……?となんとなく思うようになっていきました。気付けてよかった。Gyaoにはほんとうに感謝しています。

 

 ところで実写映像作品がじぶんむけでないとは思っていたものの、それでもシャーロックのことは噂に聞いて知っていました。はまれば絶対好きそうだなあとは思っていました。

 

 しかしてグラナダ版を完走したころ、もより図書館にSeason1のDVDがあることに気付き、借りてきて、見て、それはもう…………好きにならないわけないって感じです。このころには、正典もたしか読み通してて、もし予備知識なしでジョンとシャーロックのshipだけ見たいと思っても十分おもしろかったかもしれないけど、どこが正典のどこをくすぐっているのかわかってから見たので、グラナダ版のほむ氏と先生の反応と比べたりとかして、パスティーシュとしてもすごくよくできていたし、それに……なにより……もう……ジョンとシャーロックの関係性が死ぬほどよいです。こりゃあ全世界の視聴者があたまをおかしくするわけよということがすっごくよくわかりました。

 というわけでpixivを漁りに漁って、たぶん世間の人がはまっていた時期とちょっとずれてはいたんですけど、それはもうたくさんたくさんたくさんあって、このころAUとかの概念を得た気がします。あと俳優を好きになって俳優から作品を辿るというやり方の存在も知った。もしかするとあたりまえかもしれないんですけど……俳優のひとのことがいくら好きでも、面白くない話を見るのはつらいじゃんか、監督とか脚本化でたどるのはわかるが……と思っていたので……(そういうこともあるけど、それはそれとして推しの俳優のことを見るのは歓びだし、俳優自身の作品選びというファクタを当時は知らなかったです)あと、(シャーロックは完結していないけど)もう完結した物語の二次創作をずっと続ける、というやり方があるんだなあ、というのをはっきり知ったのもこのときだったと思います。それまで在籍したことのあるジャンルは、アニメとか漫画とかソシャゲとか、まだ終わりが見えてない、いまも続いている物語、だったので。

 とかしているうちに、シャーロックとジョンのふたり組と一緒に描かれがちな別のふたり組がいることに気付きました。それがギラムちゃんとディクソンくんでした。

 

(韓国映画とは全然関係ないですが、ホームズの映像作品はあとガイリチ版、人形劇ホームズを見ました。どっちもすごくおもしろかった。すごく魅力的な正典があって、そのうえもうひとひねり、というのは、技巧が必要でそれを成しえたならおもしろくならないわけがなく、それで知っている物語と知らない物語がまぜまぜになるところが私はすごく好き。パスティーシュもおすすめされていくつか読みました。あとシェイクスピア&ワトソンも見ました。シェイクスピア&ワトソンはyoutubeで見られるので馬鹿話と下ネタに抵抗がなければみてほしいです。好きそう。)

 

2.スパイものにはまる

  どうもこのギラムちゃんという金髪碧眼のかわいいおにいさん、裏切りのサーカスという映画に出ているひとみたい。裏切りのサーカスというのはティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ(TTSS)という小説が原作になっているようだ。映画だけでは筋がわかりづらいから、原作を読んでからの方がいいみたい、なるほどなるほど。もより図書館にある。読もう。という感じで、ホームズを読み終えた勢いのまま、私はジョンルカレの沼にも滑り込んでいきました。

 このころちょうどシューカツが終わって、開放的な気持ちだったというのもありそうです。

  ギラムちゃんのこと、20代後半くらいかと思っていた。裏サー当時はベネディクトカンバーバッジ自身が30代前半とかだったと思うので、FanFicではもっとかわいい顔してたし、原作ギラムちゃんが中間管理職のおじさんでびっくりしました。

  あと、裏サーを見たいと思ったのにはもう一つ理由があって、おやすみシェヘラザードという映画レビュー百合漫画をこのころ読んでおり、これの第1話が裏サーで全然意味わかんなくてすごくおもしろそうと思ったのもあります。いまはわりと漫画自体は百合寄りになってきたけど、こうやってわけわからんふうに映画観てもいいんだな~という視点はだいぶ私の実写作品に対するハードルを下げました。絵柄も好き。ふらんちゃんが好きです。第1話はずっと無料とかな気がするのでよかったら読んでみてほしい。

 TTSSめちゃくちゃおもしろくて一気に読んだ覚えあります。引き続き映画のDVDを、これももより図書館で借りました。今はもう最寄りじゃなくなっちゃったもより図書館ありがとう。

 愛がわかんなくなりました。見たことがない人は裏サーの円盤をお貸ししますので声をかけてほしい、そしてラストシーンを見てほしい。愛のことを考えちゃいます。

 ここでだんだん俳優を追うということがわかってきました。あとなんか、共演しがちな俳優がいるというのもわかってきた。コリンファースとマークストロングのことです。キングスマンというのがどうもコリンファースとマークストロングが出ててスパイでテイラーってそれ実質TTSSじゃん。見なきゃ。ということでキングスマンとKMGCも見ました。このとき初めてツタヤでDVDを借りるということをしました。まじで生まれて初めて。100円とかだった。やすいじゃん……どうして今までやっていなかったんだ……と思いました。自分が可能なことだと思ってなかったからです。もっと早く思っていたらなあ。でも今はもう思っているので大丈夫です。

 キングスマンはめっちゃおもしろかったけどはっきりいってさあ…………ねえTTSSをみたうえでやってんでしょ!?これ!?Firthstrong時空をハッピーにさしてくれよ!!!!!!マーリンのことを考えるとカントリーロードをどこまでも辿っていきたくなる気持ちになります。マーリンが好きなので。KMGCに続く物語を永遠に待っています。

 

 それはそれとして、ジョン・ル・カレ作品自体にもだいぶはまりました。ジョンルカレ作品は遠回しで筋がわかりづらく、だいたいスパイものとか国際陰謀ものなのでそもそも作品内の関係がめっちゃ混み合っていて、よくわからないうちに突然重大な出来事が起こり、物語が終わる、みたいな感じとよく言われていますけど(後半は言われてないかもしれない 私が思っています)私はその感じがめちゃくちゃ好きになりました。そもそも不必要に詳細な文章が好きなのもあります。それに堅くて昔のできごとを年取った男性が書いているのになんだってキャラ造詣がそろいもそろってこんなにもえるのだ。これはほんとです。読んで。スマイリーのシリーズを読み終わったあたりでなんだかんだ忙しくなってしまい、まだ読んでないやつがいっぱいあるのでうれしいな。まだご存命だし。うれしい。

 このころ、だんだん私はスパイものとかサスペンス、スリラー、アクション、というジャンルが好きだな!?ということがわかってきました。それまではSFおよびファンタジーが主沼だったので、自分でもびっくりですが、成人男性と成人男性の間のただならぬ関係がこれらのジャンルにはあふれていて、そのことに気付き始めたのです。

 いまはなんかUIが使いづらく変わってしまってできないんですが、そのときのGyaoでは邦画・洋画・アジアの映画のそれぞれについて、ジャンル検索で一覧を見ることができるようになっていて、洋画ーサスペンスのくくりの映画を端から見たりしました。あんまり覚えてないけどどれもスーツを着たおじさんたちがたくさん出てきて殺し合ったりしてすごくよかった。サスペンス以外もちょっとずつ見て、もしかして私、映画を見るのが好きなのでは、ということがわかってきました。

 

3.韓国映画にはまる

 そんなある日のことです。

 新しき世界という映画が男と男の超巨大感情であることは、なんとなく知っていました。TTSSの感想をめちゃくちゃ漁っていた頃、よくその筋で並べて語られていたからです。裏サーからの流れだったので基本的にはいわゆる洋画(このくくりあんまりわかってない、アメリカとヨーロッパの映画ってこと?英語じゃなくてイタリア語とかフランス語でもこのくくりに入っている Gyaoでは洋画とアジア映画でわかれているので、アジア以外は全部洋画に入っていると思っていいのかな)しか見てなかったんですが、韓国映画、そういうのもあるのか、でも男と男の巨大感情なんだよね?もうわかっちゃったぞ、って思って、観ました。

 

 無料配信期間が終わるまでの1か月に7回見ていたらしい。

 nemuinuu 新しき世界 で検索してほしいですが、暴力描写にぶんなぐられて、あっけにとられているうちにどんどんのっぴきならない方へ転がっていくジャソンと兄貴の、特にジャソンが、ヤクザスーツで黒髪長身のおじさんばかり出てきて全然見分けがつかないよどれが主人公……とおもっていたはずなのに最後下界を見下ろして煙草に火をつける姿の、その壮絶な美しさ……本当に最初と最後同じひとだっただろうか、と思って、もう一度見返さずにはいられなくて、そうしたら、なんとジャソンは、映画の始まった一番一番最初から、好意を隠して押さえつけようとして、でもわかってしまった私たちにはもう見えるんです、ほんとはすごくすごく愛がある、ということが……

 このあとまっすぐ韓国映画沼にはまっていったかというと実はそうではなく、ハイヒールの男を見て、これも暴力がやばくて最後までどうなるかわからない、哀しくてうつくしい、すごい映画だ、と思ったものの、新しき世界とこれも並べて語られていたインファナルアフェアから男たちの挽歌、そして覇王別姫とかブエノスアイレスとかでレスリーチャンをしばらく愛でたりしていました。美しい人が好きなので。

 あと昨年度2018年度の年度末はまあなんやかんやあって心の余裕が失われ、あんまりいろいろ覚えていません。仮面ライダー電王とかを見てました。

 無事年度が替わって2019年の春頃のことです。新しき世界の兄貴、ファンジョンミンさんが主人公をやるスパイもの、工作 黒金星と呼ばれた男という映画が日本公開されることを知りました。ファンジョンミンさん!!!しかもスパイもの!!!好き×好きじゃん、絶対見るわ、と思って前売りを買いました。このときはじめてシネマート新宿に行きました。こんなちっちゃい映画館があるのか……もう一生来ることはないかもしれないが知れてよかった……と思っていた気がします。このときはまだ韓国映画があんまりいろんなとこで公開されてないということを知りませんでした。このあとめちゃくちゃシネマートに通うことになります。

 そのあとしばらくして、新しき世界のジャソンであるところの、イジョンジェさんが出てくるファンタジーもの?神と共に 第一章 罪と罰 という映画が公開されているということを知りました。6月ころのことです。知ったときには確かもう公開が始まっていて、その週末に見に行こうと思ったら新宿の映画館ではもう席が埋まっていて、まじ……?と思いながら初めて降りる駅の遠くの映画館まで行きました。どうしてわざわざこんなことをしたかというと、ひとつには年度が替わって環境も変わり、外に出るタイプの趣味を作りたい、さもなければ引きこもってしまう、という危惧もちょっとあって、映画館なら外出るし、でも人と接さなくても大丈夫だし、いいのでは、と思っていて、映画館に通う実績を作りたかったのです。それで、観終わったら駅まで走らないと終電なくなっちゃうような日曜夜ぎりぎりのレイトショーを取って、見に行って、

 わかりやすくこう……すっごくおもしろかったです。びっくりした。今まで見たことないタイプの映画で。詰めたいもの全部詰め、みたいな。ファンタジーと思ってたけど、もうなんでもありだった。びっくりした。

 このあたりで、もしかして韓国映画、というものが、私は好きなのでは……?おもしろいものばっかりなのでは……?全然心配しないで端から手に取ったらよくて、全部面白いから全部見るべきなのでは……?????ということに気付き始めます。おおむね正解でした。

 というわけで、本当におすすめされているもの端から手にとって見始めました。このころ観たのはお嬢さんとかアシュラとか不汗党とか、もう絶対間違いないってやつで、プレゼンツイートもたくさん出回ってたし(ほんとにありがとうございます)正解ばっかり引き当てて、しかも全部の映画がほんとにすごくやばいし、暴力もすごくて、話は全部一筋縄ではいかない、とちゅうでこうなるのかな~とおもったふうにならない、すごくおもしろい、でももしかしてこれ全員死ぬかな~と思ったらその予想は当たる!みたいな、ほんとやべーって感じでした。このとき何を指標に見る映画を選んでたかとか覚えてないんですけど、GEOとかに行って、韓国映画の棚の前で、観たことあるタイトルを手に取ったらそれが全部当たり、って感じで、すごい、すごすぎる、と思い、

それで7月ころ工作が公開されて、見に行きました。

工作は、直接的な暴力描写はほとんどなくて、それでいて、死が隣り合わせの緊迫感と、イデオロギにすりつぶされる個人とか、これルカレで履修したとこだ、やっぱ私が最高に好きなやつだ、と思って、汽車が国境の闇に吸い込まれていったとき、これで終わりか、よい映画だった……と思ったら!!!!!!!!!!あのようなラストを持ってくるということ自体もう愛さずにいられねえよって私は思います。

それで暴力が出てこない韓国映画もやっぱりすごくおもしろいことを知りました。

 

このあと、端からGyao韓国映画のとこを見たり、神共からEXOのみなさまを知ってKpopアイドルのMVを見るようになったり、神共とかがんばれチュジフンとか窮地に踊れハジョンウとかのオールナイトを見に行ったり(オールナイトも初めて行った)10月はむに行ったり(即売会行くのも初めてだった)新世界とTTSSの円盤を買ったり(円盤買うのも初めて)10月には事故のようにして毒戦Believerと出会ってしまいもうやらないと思っていたのに二次創作とかをはじめてしまったりして今に至ります。

韓国映画がめちゃくちゃ面白いことに気付けてよかったな、という話でした。