見た映画を記録する

毎月観た映画と映画以外を記録しています。

2021年4月に観た映画や、映画以外

 4月は年度が替わったばっかりで仕事がまだあんまり忙しくなかったので結構いろんなものを観たり読んだりしてます。演劇の配信をめっちゃ見てる。パラドックス定数以外の演劇もめっちゃ面白いし、だいたいわざわざ人がお勧めしてるときはある程度以上にはおもしろいな、っていうことがわかってきたので、ほいほい観るようになったからです。あと本もちょっと読んでる。暇だったのかな。いいことだ。

 

★2021年4月に観た映画(4本)

1.ドラッグウォー 毒戦

 2019年11月から毒戦BELIEVERで踊り狂っていながらこのタイミングで初めて観ました。なんかタイミングが合わなくて……いろいろなひとが書いていた通り、本当に湿度が全然違かった。ドラッグウォーはからからに乾いていて、ビリーバーはびしょびしょに濡れている。聾兄弟が(こちらは兄弟)けっこうがっつり銃撃戦をしていてそこがすごいよかった。あと高速の料金所を見るときドラッグウォー毒戦じゃん……って思うようになった。ドラッグウォーの麻取と組織の犬は絶対付き合ってないと思う。でも付き合うよりやばいでしょ。どうしよもねえ。ほんとこれをリメイクしてよくあれになったよなと思いました。ほんとに全然違う話だ。

 

2.パンズラビリンス

 前々から名前は聞いていて、絶対好きそうだなと思っていて、そして完璧好きなやつだった。話の流れも好き。モチーフも好き。文法も好き。画面のつくり方、絵の具合も、パンのぎしぎしした動きも終わり方まで全部好きだな……疲れたときにポケットから取り出してすすりたいタイプの好きさでした。スペイン内戦、詩人のことなど考えてしまって、そこもポイントでした。フェアリーテイルで育ったんだってば。理不尽で恐ろしくて必ずしもハッピーエンドじゃないし自業自得のうち悪いことはきっちり返ってくるくせにがんばったって報われるとは限らない物語で。Gyaoで観ました。

 

3.ドリーの冒険

www.youtube.com

 外の道WIPの一環で観ました。女の子が本当に樽に入って流れて行ってびっくりした。

 

4.愛を読むひと

 Gyaoで観ました。サムネが男女ラブストーリーっぽかったので、わたしこれ見れるかな(男女ラブストーリーが得意じゃないので)と思ったら、確かに男性(てか男の子)と女性が出てきてそこにラブはあるのだけど、全然違う話で、これ見たことありますか?舞台は第二次大戦後のドイツなんですけど、どうしてほんとに、前半と後半が全然違う話みたいで、でもきっとその全然違う話観たいって思うところが狙いなんだろうなって思って、後半はまったく違う方向でわたしこれ見切れるだろうか、しんどくて、と思ったけど、見てよかったし、なにかものを考えるときに、生活の部分を落として考えていたとしてそれってほとんど何も考えれてないというのと同じでしょ、と思ったし、牢獄にいること、そこから何かを学ぶと思いますか、というのも……いま見たらアマプラでもNetflixでも観れるみたいでした。

 

☆2021年4月の映画以外

ジーザスクライストスーパースター

 配信で観ました。名前はさすがに知ってたけど見るのは初めて。それでさあ……なにをあたりまえのことをと思うと思うんだけど……め~~~っちゃおもしろかったんだよねえ……ストーリーはめっちゃ原作(ていうか)に忠実なんだけど、演出か?これが演出なのか?あと曲が本当に誇張でなく全部キャッチーですげえんだよな。イデア界のアメリカの高校生たちはこういうのを観てレポート書いたりとかしてるよね。なんとなくのイメージだけど…

 

・外地の三人姉妹

deathlock.specters.net

 これも配信で観ました。考えたこととか言いたいことがいっぱいある。わりとこのあともいろいろな作品のことを考えるときに参照するかもなと思います。この時点では原典の三人姉妹を知らなかったのでどうなんだと思いつつ、知っていて、このあとどうなるかわかっていたら全然違う味がしたろうな、翻案の巧みさに目を惹かれてしまったろう(実際翻案はむちゃくちゃ巧みで、こんなにきれいに持ってくるということできるすごい…と思う、ほんとにすごい)と思うと、なんでもそうだけどそのときの観劇体験はほんとにそのときばかり、ほかのときにはまた別の気持ち……mergeはあったんだみたいなはなし……(ほんとかな)おそろしいがめちゃくちゃおもしろい。

 三人姉妹はだいたいの人が読んだことあるという体で書くね。あらすじとかはリンク先に書いてある通りなんですけど、モスクワに帰ろうよ、が、日本に帰ろうよ、になっているの、この時代設定とシチュエーションが、韓国映画でむこう側からはいくつか観ていて、それで思い入れがよけいにある、ないとは言えない、だけど……しかして(観ているときにはそこを分離することはできなかったものだけど、知らないので)三人姉妹自体の主張も底の方から叫んでくる、どうしようもない、ほんとにどんどんどうしようもなくなっていく、それでも生きていかなくては、生きていかなくては、が、外地の三人姉妹では、生きていくのをやめるのがロシアの三人姉妹よりももうちょっとたやすい、命は実際に危険に晒されていて、本意でなく生きていけなくなることが全然ある、それでも、生きているうちは生きていかなくてはいけないのか……みたいなのがぐちゃぐちゃになって、あとそもそも私は私自身が三人姉妹の長女なので、一番上のおねえさんにごりごりに感情移入し、つらいつらいと呻きながらそれでもとにかく観るのがやめられない、こういうの、おもしろいともまた違くて、目を離せないみたいな感じ、そうしているうちに、一番最後の、舞うところ、その舞の手のしずかさ、かろやかさ、または不器用さまで、よかったね、終わってよかった、って気持ちになって、ひんやりした頭でそれまでずっと観ていたんだけど、その一番最後の踊りのところで、なんだかわからないけど箍が外れたようになってびゃあびゃあ泣いてしまった…………

 わからないけど現地で実際に観ていたらきっと音や光や実現していることにたいする衝撃が大きくてこれほど素直に受け取ることは難しかったかもしれない、まだ慣れてないからかもしれないけど、と思うと、このようなかたちで観ることができてよかったのかもしれん。て思いました。めっちゃ泣いておいてなんだけどめっちゃ泣いてよい舞台だったと思っていいのかわからん。でもこのわからんの棘があるおかげでちゃんとわからんでいられるなあと暗殺とかお嬢さんとか京城学校とかも観てて思うな。

 

スーパーカブ(漫画とアニメ)

 全くの余談ですが(すべてが全くの余談ですが)いま二輪免許取ってんですよね。小熊さんがひょいひょいと乗ってるからそういうもんかと思っていったら全然違くてすごくむずかしい。小熊さんはすごい。小熊さんの見た目が好きですがアニメを見ているうちに中身もどんどん好きになりリスペクトせざるを得ない。アニメ自体も、すごくゆっくりのテンポと温度で、カブにまたがって走り始めた途端、スモーキーな色味だった世界がぱあっと彩度があがるの、アニメだ!!!って感じでたいへんよいです。アニメ見終わったら小説も読みたい。

 

・聖地X(イキウメ)

www.youtube.com

 イキウメのyoutube配信作品の中で一番最後に観たんですけどこれ、これめっちゃおもしろいよ!!!かなり好きなタイプのSFでした。円城塔のもうちょっとわけわかるバージョンてかんじのテクスチャ。山田輝夫を好きにならざるを得ない。あと金輪町の味が一番濃くてそういう意味でもコレクションに近くて、ゆかい、こわい、かわいい、おもしろい、とかがねじねじ飴になっていてすごくよいです。あとほとんどはじめてみた森下さんが邪悪じゃないし怖くもない作品。

 

ソーイングビー(1話だけ)

 あまぷらで観ました。ミシンが欲しくなるので危険。

 

・三人姉妹(光文社古典新訳文庫

www.kotensinyaku.jp

 前述のように外地の三人姉妹を観てうわ~~となったのでこれは本家の三人姉妹も機会があったら見たいがともあれまずは読むしかあるまいと思って読みました。そうしたら、外地の三人姉妹も、骨組みは、かなりめちゃくちゃ忠実で、ていうかめっちゃ忠実だったんでだいぶびっくりしました。でも響きは全然別になっているの。でももしかしてロシアのひとはいまこれを読んだら近い感じの気持ちになるのかな。生きていかなくては、の響き方が全然違うんですってば。こっちの三人姉妹だと、何はともあれ生きていかなくてはね、生きてるんだから、って感じがして、でも外地の三人姉妹では、どうして生きていかなくてはいけないの、が、生きていかなくては、の向こうから聞こえてくるのは、前ってどっち、のせいなのかな……三人姉妹の項なのに外地の三人姉妹の話をしてしまう……

 

カラマーゾフの兄弟原卓也訳、新潮文庫

 ついに読み始めました。ドストエフスキーはこのまえに罪と罰、悪霊を読んでて、どっちもめっちゃ面白かったので、満を持して……これを書いている2021年8月現在まだ読み終わってないので読み終わったら感想書くね。最初イワンのこと推しちゃうに決まってんでしょって思ってたけどいまのところミーチャのことどんどん好きになっちゃう。破滅に向かって走っていく男が好きなんだ。

 

・カジャラ

www.youtube.com

 カジャラの安井さんはイキウメの安井さんとはまた違くておもしろい。なんかイキウメの安井さんよりもつめたく感じる。小林さんも安井さんのことめっちゃうごかすのめっちゃ楽しいんだろうな。頭蓋骨のやつとピーポーのやつと保険屋さんのやつが好きです。

 

・外の道WIP

sotonomichi.jp

 外の道WIPでは作っている途中の途中までの台本と映像も公開されていて、それを一日にひとつずつ見たりしました。劇チョコのアクターカメラみたいに、演じる人がかわるがわるにカメラを持って、そのひとの視点の映像が見られたりする。全然違う方を向いていて、すごく面白い。公演が終わったので別に大丈夫かと思いますが実際の外の道は途中まではけっこう一緒だったのに最終的には本当に全然違う物語になっているように私は感じて、でも観ている間に、うわ、全然違うじゃねえか~~!!!という楽しみ方ができるというのはめっちゃおもしろいなと思いました。

 

・インテレクチュアル・マスターベーション(同時再生)

pdx-c.com

 もう何回目だか覚えてないけど同時再生で観ました。ひとときゃあきゃあ見るのに、インテレはめっちゃ向いてると思う。温度が高いので。すごく好きだ。

 

・誰に見しょとて

www.hayakawa-online.co.jp

 余談ですが(全部余談ですが)しごとで化粧品にかかわることになることがあって、でもわたし、自分の顔に塗るものとしての化粧がすごいきらいなんだよね、でもモチベあげなきゃな~と思って、読んだ。素直におもしろかったです。顔にもっといろんなもの塗りてえと思うようになったわけではないけどやらんとしている方向性はわかったし(ほんと?)おしごとのモチベーションはあがった。久しぶりにゼロ年代日本SF読んだな。やっぱ私これで育ってきたんだよ。って思いました。

 

 こうやって振り返ってみると4月はめちゃめちゃいろんなものを観てるし読んでるな、すごい……いつこんなことやってたんだろ……と思いますがそういえば最近は週末を免許取得に捧げてるから時間がないと感じるのかもしれないな…教習自体はそんなに時間かからないけどそのあとくたくたになっちゃうし…

 このころ久しぶりに図書館に行って本を借りて読んでってことができてたけど今またできなくなっちゃったから取り戻したいですそっちも。重たいやつだけじゃなくて軽くておもしろいものも読んでいくのがいいんだよな。でも選ぶのが大変で…元気がないからかな…あと演劇の配信もっとごりごりと手を伸ばしていきたいな…このように振り返ることにもよい効能がありそう。