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毎月観た映画と映画以外を記録しています。

PENGUIN RESEARCHを好きになってよかった2023夏(ありがとう逆光備忘録)

 今年の上半期、PENGUIN RESEACHというバンドのことを新しく好きになり、ニューアルバムを聴き、ライブツアーに3回行き、ファンクラブに入るに到ったことについて、それこそ自分の備忘録のために書いておこうと思います。本当にたのしくて新しいことをたくさん経験した半年でした。(そしてそれはまだ続く!!!最高!!!)

 目次です。

  1. バンドやろうぜ!のこと
  2. PENGUIN RESEARCHが気になる
  3. 逆光備忘録仙台
  4. 逆光備忘録大阪
  5. 逆光備忘録新宿
  6. PENGUIN RESEARCHの好きなとこ

 自分用備忘録なので、知らんよ、と思うところとか、話が飛んで読みにくいところとかあると思いますが、とにかく楽しかったこの夏のことを忘れないでおきたくて、書きます。1万字弱あります。

 

1. バンドやろうぜ!のこと

 バンドやろうぜ!というソシャゲがあります。ありました。

www.banyaro.net

 2019年にソシャゲとしてはサービス終了してしまったのですが、その後もライブがあったり新規絵グッズが出たりしている謎コンテンツです。ありがとう。2016年にサービス開始したとき、なんとなくダウンロードして、ずっと同じ熱量というわけではなかったもののサービス終了までずっと遊んでいた、思い入れ深いゲームでした。

 バンドやろうぜ!はゲームと同時に、リアルライブ(ボーカルのみゲーム内とキャスト同じで、楽器とかは演奏するときのキャストで、ほんとにライブをする)の展開にかなり力を入れていました。一方で当時私はほんとにお金のない学生だったこともあり、リアルライブのことを自分が行けるものとは思っていなかったので、ライブ関係のお知らせは薄目で流していました。

 このリアルライブでのBLAST(私が一番好きだったバンドです)のキャストが、PENGUIN RESEARCHという名前で本当にバンドをしているということを、たぶん当時も知ってはいたと思います。なぜならスポットライトのシングルが手元にあるので…でも当時はあんまりはまらなかったんですよね…そういうことってある…タイミングというものがあるんだろうなって思います。

 ところで2022年12月のことでした。バンドやろうぜ以外にもいろんなアーティストや音楽系コンテンツ(ソシャゲ含む)にその後はまったものの、ここ数年は新しいアーティストを開拓する元気もなく、なんか、あたらしい音楽系コンテンツにはまりたい…バンドやろうぜみたいな…と思っていたところ、ちょうど過去ライブの円盤が出て、そこに次回のリアルライブの抽選券が入っていることを知りました。

 ライブの円盤を買うのも初めてなら音楽のライブに行くというのも人生で2回目(1回目は中学生の頃まで遡るので、自分の意志では実質はじめて)ながら、これは自分へのクリスマスプレゼントだ…!!!みたいな勢いでさくさく購入を進めて、ライブは3月末木金の2daysだったのでおやすみ取りやすい金曜日にして、木曜日、しごと終わってからライブレポを漁っていて、衝撃を受けました。

 BLAST新曲!!!!!!!!!

 信じられますか!!????サ終したアプリの好きバンドに2022年になってから、新曲が!!??????生きてるじゃん!!!!!ありがたすぎる!!!!!曲を作ってくれた堀江晶太さんというひと、本当にありがとう!!!!!!堀江晶太さんといえばPENGUIN RESEARCHではベースを弾いているんでしたよね?てことは私がバンドやろうぜで一番大好きな佐伯翼のリアルキャストのひとではないか???(このとき私はほんとうにそう思っていたのですが、実際にはBLASTのギター巻宗介の役をしているのがPENGUIN RESEARCHのベース堀江さんで、ベース佐伯翼の役をしているのはPENGUIN RESEARCHのギター神田ジョンさんで、つまりBLASTとして演奏しているときはベースとギターがいつもと逆になっているんですよね、これもめっちゃすごくないですか??なんでもできるのか…すごすぎる…)誤解はあったものの本当にありがたいことでした。

 ドリームマッチデュエルギグはライブ初めてで豊洲pitの真ん中くらいでライブのお作法全然わかってなかったからふつうにいつものリュックしょってっちゃったしグッズはなんにも持ってなかったし(会場を出てからラババンとタオルを得た)それでもほんとうにめちゃくちゃたのしくて、ライブってめっちゃ良い!!!!にすっかりなって会場を出ました。このあと配信も2Days両方みて最高でした。このとき気付いたこととして(これまで私は現場に行くタイプの趣味を演劇しか持っていなかったので演劇との比較になりますが)私は第四の壁を越えてほしくないタイプだと思っていたんですよね。ステージ上はステージ上で完結していてほしくて、観客の方を観ないでほしい、と思っていた。でも、音楽ライブでは全然そうじゃなくて、よーじくんの大和が客席へ手を伸ばすとき、踊れ!!って煽るとき、その目線や手の伸びる先がまっすぐ私に向かっているように感じて、そしてそれがめちゃくちゃうれしくて、手が届く!!!!って思ったのが本当におもしろくて、そんなわけないのに、ほんとうにうれしくて、それで私、音楽のライブ向いているかもしれん…と初めて思ったのでした。

 

2. PENGUIN RESEARCHが気になる

 この会場で確か、PENGUIN RESEARCHのニューアルバム出るしツアー回りますというチラシをもらったんだったと思います。このとき会場で初めて披露されたBLASTの新曲YATSUATARIもニューアルバムに入るからって書いてあって、めちゃめちゃほしい!!そしてまたライブでこんなに楽しい思いをしたい…もしかして…このPENGUIN RESEARCHというバンドのライブに行けば、またたのしい思いができるのでは…???と思い、なにかに背中を押されるようにさくさくとアルバムを予約し、そのとき予約可能だったうち一番近いライブツアーの仙台公演をさくさくと予約しました。

 ライブの予習として既存曲をじわじわ聴き、たぶん私このバンド好きだ、これまで私がめちゃめちゃ好きになってきたバンド(くるりとかスピッツとか)とはちょっと系統が違うけど、それこそ毎晩スクールオブロック(ラジオの方)を聴いて育った中高生の頃に出会っていたらやばいくらいはまっていただろうな…いまはそんな元気そこまでないけど、でも聴いてると元気の存在を思い出すな…ライブついてけるかな…(これは本当に杞憂だった。なぜならライブにより元気にされたため)と思いながら、5月半ば頃にニューアルバム逆光備忘録が出て、ともかくも新曲は絶対やるだろうからと思ってアルバムたくさん聴いて、2023年5月28日日曜日、仙台にて初めてPENGUIN RESEARCHのライブを浴びることになるのでした。とりあえず公式サイトのアルバムのとこ貼っときますね。

www.penguinresearch.jp

 

3.逆光備忘録仙台

 行きの新幹線でも逆光備忘録を聴きながら着いた仙台は地元でもあるのですが、別に当時もライブハウスに行く生活をしていたわけではないので、仙台CLUB JUNKBOXは初めての箱でした。(仙台で唯一行ったことがあったのはいまはなきzepp sendaiでしたがあれもめちゃでかいし)豊洲pitもでかいから、ライブハウス然としたライブハウスに行くのは本当に初めてで、めちゃ狭いとこを想像していたら小劇場よりでかくない??と思って結構おののいてしまった。ここにスタンディングで、ぎゅうぎゅうに詰まった人間がみんなPENGUIN RESEARCHを好きで、しかもライブに行くほどの情熱を持っている人間なのか…やば…!!!たのしすぎる!!!(とはいえ私が行った今回のツアーのうち3回の中でclub junkboxは一番小さい箱で、大阪と新宿は当然ながらもっと大きくてひとがいっぱいいた。すごい話だ)3月末に取ったチケットでそんなに整番もよくないし、とにかく背が低いのでステージは全然観れないかもしれないけどライブというものを楽しもう…と思ってどきどきしながら行きました。このときはまだPENGUIN RESEARCHファンというよりはBLASTのファンとしての気持ちの方が強かったので、ときどきBLAST曲もライブでやってくれると書いてあるのも見たし、あったら嬉しいな、と思って1曲目はアルバム逆光備忘録の1曲目でもあるFORCE LIGHT、それで、曲順なのかな、アルバムの並びめちゃ良かったしな、と思っていたら、2曲目がもうYATSUATARIで、もう今日、いま、死んでもいい……の境地に2曲目にしてなってしまったのでした。でもそのあともライブは続く。これはPENGUIN RESEARCHのライブのめちゃくちゃ楽しいポイントなのですが、声出せるとこがすごく多いんですよね。音源でコーラス入ってるとこはほぼ全部声出せるとこになってて、あとよーじくんが煽るのめちゃうまいし、煽られると本当に楽しい気分になって、まだまだいけるよなあ!!とか言われるともういまある体力全部ここで使い切っていきたいなって気持ちになる。とはいえ仙台のときは今アルバムの曲以外はまだあんまり聴き込めていなくて、まわりのひと見ながらなんとなくでやって、それでも十分たのしかった。けど、もっと反射で踊れるようにもなりたい!!とこのとき思いました。途中のMCで、よーじくんが、ライブって人それぞれ好きな楽しみ方をしてもいいっておれは思ってて、歌ってもいいし、声出してもいいし、出さなくてもいいし、でも、まわりに合わせる必要なんてないんだからね、みたいなことを(うろ覚え)言ってくれて、その言い方も本当に優しくて諭されているみたいでよかったし(ボーカルのよーじくんは前職が保育園の先生だったのですがそれを彷彿とさせる優しさだった…)、正直なところ、バンドのライブとか、私が行って場違いではないだろうか…という気持ちがないでもなかったけど、それで、あ、大丈夫なんだ!ここは!!って思えたのがありました。ステージは思っていたとおり全然見えなかったけど、前の人の頭の隙間からときどき見えるよーじくんや堀江先生やジョンさん(ドラムやキーボードの方までは本当に見えずフロントのひとがちら見えしていたくらいだった…)はステージのライトを受けてほんとうに後光が射しているみたいで、きらきらでぴかぴかで、このあと何度も泣かされることになる冀望からのゴールドフィラメントの演出では、もう明けないかもと思っていた夜が明けるみたいな、すごいな、音楽のライブって、こういうこともできるのか、音源もめちゃ良と思っていたけど、音源で聴くのとライブで聴くのと、全然違うものじゃん、ライブってこういうことか……って魂が抜けるようでした。

 アンコールで、実はアルバムでまだやってない曲があるんだよな!で出てきた変幻自在のあと、予定を変更して!ってやってくれた近日公開第二章がほんとにほんとにほんとにほんとにたのしくて、come on buddy!って叫んで終わってみたら本当にライブは一瞬で、2時間も経ったというか、2時間しか経ってないというか、とにかくめちゃくちゃ楽しくて、でもまだもっと楽しくしていたい…と思って、その日のうちにまだ取れそうな公演のなかで無理なく行けそうな大阪とツアーファイナル新宿を取ったのでした。

 

4. 逆光備忘録大阪

 仙台のあと衝動的に取った次の公演は7/9(日)の大阪BIG CAT、実は過去のどのジャンルでもエンタメのために遠くに行くってしたことがなくて(仙台はなんだかんだいっても地元なので…実家あるし…)それもどきどきでした。その前週も大阪にいて意味なくシネマート心斎橋を覗きに行っていたので同じ建物でびっくりした。仙台から1ヶ月ちょっとの間にアルバム曲以外もめちゃくちゃたくさん聴いて、このときはもう完全にPENGUIN RESEARCHのファンとして出かけました。

 BIGCATはjunkboxよりも更にめちゃくちゃでかくて、ステージはほんと全然見えないかと思いきやちょうど人のあたまの隙間から堀江晶太さんがめちゃくちゃ見える場所になってやったね!という感じでした。客入れの曲とかも聴く余裕が出てきて(仙台のときはどきどきすぎて全然記憶にない…)(NewJeans誰の選曲なのか知りたいです)一番最初のFORCE LIGHTから、ぶちあがる準備できてる!!!と思いました。

 大阪でめちゃくちゃぶっささった記憶があるのは冀望と決闘でした。冀望は仙台を経て真っ暗になってもびっくりはしなかったけど、仙台のときは戸惑っていたのもあったからちゃんと聴けてなかったのかもしれない、大阪では、大きいホールが真っ暗になって、よーじくんの声が消えてから、ドラムとベースとキーボードとギターの音が、どわーーーーーっと押し寄せてきて、本当に音が波みたいだ(音はもともと波なんだけど、もっと周波数が低くて振幅の大きい波、海の波みたいな波、体を揺さぶる波、ひたされる波)と思って、目を開けたまま、じわじわ暗闇になれていく目と一緒に、自分が風を受ける帆になったみたいな気持ちで、ずっと揺れていてすごく気持ちがよかった。そして決闘はねー!!!わかってんだ聞き飽きてんの御託より勝ち星挙げてみろっての、のよーじくんの低く抑えた!!!声!!!!が!!!!うう最高~~~!!!!!大好き!!!!!か~~~っこよすぎる!!!!!!決闘は仙台でも新宿でも聴けましたが大阪が一番ぶっささったな。なんか。大阪でもアンコール2曲目は近日公開第二章で、泣きながらぶちあがりました。だって僕らこれの主役だろ!?っていわれて泣かずにいられるか。やりたいことやってやるぞこの先も、行きたいライブには全部行く…と思わずにはいられません。2回目のライブは1回目よりも更にずっと短く感じられて、茫然としながらライブハウスを出ました。こうやって書いてみると本当に本当に楽しかったという記憶だけが残っていてこまかいところぼろぼろ忘れていってしまっている…無限の記憶力を持っていればよかったのに…でも自分でも思いますが私のライブの楽しみ方って、体験としての楽しみ方なんだな、映画とか演劇とかよりは、遊園地とか読書とかに近い…そもそもステージが見えてないというのを差し引いても…ということがわかりつつあります。あとこの日仙台よりもよーじくんが西の方の言葉みが増していて、わーよさある!!!って思いました。

 高知公演の日、偶然旅行で高知にいて、翌日観光地とか空港でグッズのトート持った方とわりとすれ違って楽しかったです。

 

5.逆光備忘録新宿

 そうしてだいたい3週間後の7/27(木)、ツアーファイナルzepp新宿。この日普通に仕事で整番元々うしろの方だからと思ってぎりぎりになってしまったけど上手側のちょっと段上がったとこにいられて、ツアーファイナルにしてはじめてステージ上がめちゃめちゃ見えるところでした。うれしい。

 新宿で特にめちゃくちゃよかったのはまず嘘まみれの街で(これは仙台でも大阪でもめっちゃ楽しかったけど!!!)。zepp新宿はさすがでかい箱だけあってライトがめちゃくちゃおもしろくて、嘘まみれの街でのときめちゃくちゃ飛んだんですけどライトがぴかぴかぴかぴかって閃光みたいになっていてみんな飛んでるから床も揺れるし平衡感覚がぐちゃぐちゃになってほんとに楽しかった。あとクジラに乗ってのとき、水色の細かいライトがフロア中をくるくるしていてものすごく曲にぴったりでよかった。ライブのクジラに乗ってのよーじくんの一番最後のすこし音源にない音の揺らし方をするところ、ほんとに胸がきゅーんとなってすごく好きです。冀望とゴールドフィラメントと祝祭にて、わたしの中で曲順離れていてもこの3曲がなんとなくワンセットなのですが、ぜんぶぜんぶほんとうによくて沁みて、本当に涙がこぼれてしまった。新宿は終わったばかりでわたしの中でまだ消化が進んでいないため書きたいことがいっぱいあったはずなのにうまく言葉にならない…とにかく本当に楽しくて、終わるなんて信じられなくて、最中は過去のセトリなんて吹っ飛んでるから後半戦!!っていわれて素直にやったーあと半分ある!!ってよろこんで、でもライブは本当に一瞬で、千夜祭の最初のところをよーじくんが歌い出したとき、終わるのやだ~~~!!!って思ったけど、千夜祭もほんとに楽しい曲で、兄弟!!!って喉が嗄れるほど叫んで、それでアンコール、変幻自在と近日公開かとおもいきや、2曲目はboyhoodだった!!!セトリ見ると近日公開だった会場の方が少なかったみたいなんですが、まさか最後にライブ初めての曲来ると思わなくて、めちゃくちゃびっくりしながらぶちあがりました。ほんとに終わっちゃうなんて思わなくて、こうやって次のライブ、次のライブ、って、踏み石を渡っていくみたいな日々がずっと続くような気がしていたけど、ライブツアーって、終わるんだあ…って、茫然としながら、また次の踏み石を確保したくて帰り道にすぐさまファンクラブに入って冬のライブ抽選申し込みました。新宿、まだまだ言いたいこといっぱいある気がするので、思い出したら書き足すかもしれない…とにかく最中はいっぱいいっぱいで頭からっぽのしゅわしゅわにして飛び跳ねているのでもっとライブになれてたくさん考えたり広くステージ上見たりできるようになりたい気持ちもあるし、いつまでもこうやって自我を好きなときに解放できる状態でいたい、という気持ちもある。ライブツアーとともに私の夏も終わってしまったような気持ちにもなるけど、夏はまだあるし、冬も来る。生きてさえいればまた会えるさ。生きるぞう。という気持ちです。

 

6. PENGUIN RESEARCHの好きなとこ

 そんなわけですっかりPENGUIN RESEARCHのことを好きになってしまったこの夏でした。なんとなく、どうして他でもない今年、PENGUIN RESEARCHのことを好きになったのかを考えていたのですが、ひとつにはやっぱりライブに行ったからというのがあります。順序としては、めちゃめちゃ大好きになってからライブに行ったというよりは、ちょっと気になるからライブに行ってみよう、で、ライブでぶちあげられて大好きになったっていう順序なので、私自身がある程度自由になり、かつ声出しありライブができるこの2023年じゃなかったらこんな急激にはまらなかったっていうのはあるなと思います。音源とライブは、私のこれまでのジャンルに例えていうなら原作小説と映画、戯曲と舞台、って感じで、同じストーリーではあるんだけど、そこに立ち現れてくるものはそれぞれ全然べつもので、だからライブで初めて聴く響き方をした曲がたくさんあって、もっと聴きたい、って思うんですよね。ライブにいくようになったことで、音楽の聴き方に、この曲、ライブで聴いたらどうなるだろう、っていうのが加わりました。あとPENGUIN RESEARCHがほんとにライブが楽しいバンドだというのが、ある!!!新宿公演の終わったあといてもたってもいられず横浜決闘(2019年のツアーファイナルの円盤)を購入しここ数日で観ていたんですが円盤でも画面越しでもよーじくんの煽りについわ~~って腕上げちゃう。ライブたのしい。

 あともうひとつ、いま好きになった理由として思っているのは、PENGUIN RESEARCHの曲の全体の感じが特にいまちょうどよく必要としている感じだったというのもあると思っています。PENGUIN RESEARCHの曲はベースの堀江晶太さんがほとんど全部(ほとんどというのはギターの神田ジョンさんが作曲したものもあるからです!!クジラに乗ってのこと)作詞作曲をしているのですが、歌詞だけを読んだときと、実際に聴いたときとで、がらりとイメージが変わる曲が多いんですよね。思うに(私はボーカルであるところの生田鷹司さんのことがもうめちゃくちゃ好きになってしまったのでそれもあると思いますが)堀江さんのつくった曲がよーじくんというフィルタを通すときにすこし屈折したり乱反射したりして、サウンドもきらきらして、PENGUIN RESEARCHの曲には、敗北と鬱屈の夜の深さを知っているひとが、それと同時に出口はこっちだよって教えてくれるとか、月はこっちに出ているよとか、夜を抱えたままでも歩いていけるよとか、うるせー全部ぶちかませ!!!とか、そっとやさしくときに激しく示してくれる感じがあって、私はふだん歌詞をきっちり読み込むタイプではないのですが、それだけにほわほわと曲を聴いているときに突然ことばとメロディがざくーっ!!!とぶっささってくる瞬間があって、そのたびごとにはっ!!!好きだ!!!になってしまうんだと思います。うまく書き表すことができない…もっと鬱屈としたバンドも好きだし、もっときらきらあかるい音楽も好きだし、でもPENGUIN RESEARCHは、どっちもあって、それもどっちの曲もあるよっていうより、1曲の中に両方入っていて、だから聴いているときのコンディションによって聞こえ方が全然違って、そういう味の変わる飴みたいなところも好きなんだと思います。

 書きたいことの半分も書けていないような気がするし、いくら言葉を尽くしても書ききれるタイプのできごとではない気もするし、まだもっと書きたいことがたくさんあるような気もしますが、かくしてPENGUIN RESEARCHとライブの楽しさをこの夏知ってしまったからには、この冬も、その次も、ライブ行きたいな~~そのために健康で生きねばな…って思います。そう思わせてくれて本当にありがとう。

もう演劇をあんまり観ないかもしれない

 副題:長時間労働が悪すぎる

 

 このまえの週末、スイッチが切れたように二日間ずっと寝ていて、でも寝ながらもやもやと考えていたことを書きます。もともと、もう演劇を観ないというタイトルにしようと思っていたけど、よく考えてみると、まったく観ないということはないかもしれないな、パラドックス定数とか、イキウメとかはきっと次の公演も観たいと思うだろう、と思えてきたので、若干中和された題になりました。副題もつけました。書いているうちに、悪いのは長時間労働だなということに気付いたため。やすみましょう。はい。休みたい。

 ほんとうは先週末、土曜日曜とそれぞれ観にいく予定の舞台があり、しかし前日の金曜日あたりに(とそのときは思ったけど、ほんとはたぶんもうちょっと前から)突然演劇を観たい気持ちのスイッチが切れてしまい、本当に本当に極悪人間なんですがふたつともキャンセルしてしまった…それで、行く予定だった舞台の劇団や出演者のコメントをおふとんで眺めながら、もう演劇を観ることはないかもしれない、と、なんとなく思いました。

 私のこれまでのなかでこのようにスイッチが切れることはよくあり、たとえば昔本当に大好きで毎日聴いていたバンドで今はさっぱり聴かないバンドもあるし、学生時代あんなに何時間でもやっていた各種ソシャゲも今はひとつもやってないし、アニメも観なくなったし、漫画も読まなくなったし、でも、また聴くようになった音楽もあるし、ときどき漫画は読むし、だから、演劇もそうやって、またスイッチがじわっと入ることもあるかもしれないです。でもたぶんぱちんと全開に戻ることはないと思う。あるかもだけど。なにが言いたいかというと、何かがよくなかったとか、そういうことではなく、ただ喫水に達したのだと思うのだけど、それでもこのように突然はっきり切り替わることは結構レアイベントなので、おもしろく、記録のために思い当たる原因を書いておきます。

 

(1)しごとが忙しすぎる

 これがめちゃくちゃある。すべてがこれに帰結するとも言える。とはいえ雑すぎるので、もうちょっと細分化します。

(1-1)元気な可処分時間が少ない

(1-2)観られる期間が短いため、公演期間を逃せないと思ってしまう

(1-3)そのため、おもしろくない話に行き当たったとき、つらすぎる

 まず、しごとが忙しいといっても、土日はやすみなのでは?という向きもあろうけれども、体力がなさすぎるので、五日はたらいたら二日のうちほんとうは一日はぶっ倒れていたい(平日はめちゃ遅くまではたらいているため)気持ちがあります。長時間労働が悪い。はい。しかして演劇、たいてい一日に一回、場合によっては二回しかやっていないうえ、私が好きになってときどき観にいくようになったタイプの演劇は、公演期間がたいへん短く、一週間とか、よくて土日が2回あるとかで、その週末元気であろうがくたくたであろうが、おでかけしないと(当然ながら)観れない。体力なし人間には大変つらいことです。体力をつければいいじゃんという向きもあろうけれども…(その通りです)。

 それなのに、ときどき、(これは演劇だからってことじゃなくて、映画にもドラマにも漫画にも小説にもあることだと思う、思うけど、)ほんとにおもしろくない話がある~~~~……………………めちゃがんばって起きてもろもろ片付けてお出かけしたのに話がおもしろくないと、ほんとにつらいです。でも実際のところ、そんなに演劇を観たわけではないので(演劇というもの観れるかもしれん、と思ったの、配信華やかなりし2020年だったため)そして厳選された面白そうな評判のやつばっかり観にいっていたため、そんなにたくさんおもしろくない話に行き当たったわけじゃないんだけど、それでも、途中で観やめることができない媒体でおもしろくないと、ほんとうにつらい……なまじほどほどの都会に住んでいるため、劇場に行くことは可能だけど、よぼよぼ体力人間としてはちょっとつかれるなというくらいのパワーと少ない可処分時間を支払って、全然合わなかったな、と思った機会がちょっとだけでも、かなりつらい気持ちでした。可処分時間、体力、おうちの都会具合のうち、どれかひとつでももうちょっと強だったら大丈夫だったかもしれんが…相乗効果でよぼよぼしてしまっている…情熱にドライブされているときはそれらもまったく気になりませんが、情熱スイッチが切れてしまったので、よくわからなくなってしまいました。

 

(2)弱っていていまフィクションと向き合えない

 前項とも大いに関係があるため、前項のいち項目としてもよいなあと思いつつ、特に実感していることのため別に項目を立てます。

 いまめちゃめちゃ弱っていて、それは主にしごとのためなのだけど、それにより、あらゆるフィクションを摂取しにくくなっている。図書館ももう何ヶ月も行ってないし、映画館にも二月に一回くらいで、ドラマももうずいぶん観てないし、帰宅して時間が十分あっても、ナミビアの砂漠をみて、Twitterを見て、くたくたになってしまう…フィクションのなかの世界を支えられるほど、あたまの中に余地がないのです。それでも演劇は行けば絶対観るし、ひとつき前とかにチケットを取っているため、その週末いくらくたくたでもたいていの場合観劇までこぎ着けることができ、たいへん楽しんでいたのだけど…でも私が摂取するタイプのフィクションの形態のなかで、直接目の前に人間はいるし、話の筋もこの世で起きることに近くてしんどいことが多いし(そういうものを選んで観ていたからというのもありますけど)、大変刺激が強い部類に入るので、いま、ついにめちゃくちゃ弱り、おかゆしか口に入らん…みたいになったとき、これまでのように毎月なにかを観るというのは難易度がぶちあがるなあ…と思ってしまったのでした。半年に一回とかなら観れるかも。というか、書きながら思いましたが、そのくらいが私にとっての適正ペースなのかもという可能性がありますよね。見つけられてよかったね。やったー!

 

(3)感想をみられている

 全然そんなことないかもしれないけど、演劇、わりとコミュニケーションなのではないでしょうか。もちろん、超然とした主義の作り手や俳優も全然いると思うんですけど、つくりだした舞台が、どのように観客に受容されたのか、すごく気になると思うし、その気持ちはめちゃめちゃわかるんだけど、感想をふぁぼられたりRTされたり、まとめられたりすると、ひええ~~~となっちゃう気持ちがありました。いやなら鍵のないアカウントで感想を書かない方がいいのだけど…でもおもしろかったという気持ちをまだ観てなくて趣味が合うひとびとに伝えたいなあという気持ちがある。それに、そうやって感想をみられている(ときには、作り手だけではなく、劇団や俳優のファンや同じ公演を観たひとに)と思うと、正しい感想を書かなくては、きちんと読みとって、適切かつポジティブなことを、と思ってしまい(ほんとは全然そんなことないと思うけど)、そうすると、公演を観ているうちから、あたまの中で感想をまとめ始めてしまい、それが自分でもほんとにいやだなあと思っていて……近頃はだんだん、この話から正しい感想を読みとることができるのか?適切に発信できるのか?と物語の方からテストされている気持ちになり、これは本当によくないですよね。よくないです。

 これらはもちろん演劇以外でもあると思うんですけど、特に私が好きで観にいっていたタイプの演劇、一公演あたりに携わっている人数が少なく、感想が直に届いてしまうおそろしさがあり、ここで最初のところに戻りますが、ひええ~~~となっていたというわけでした。SNSをやめなさい。はい。でもTwitterとかで教えてもらっていなかったらそもそもパラドックス定数のようなめちゃ最高大好き劇団とも出会わなかったわけなので…それにおなじ物語を見たひとの感想とかは私もめっちゃ見たいし、運良くお話ししたりとかできるとおもしろく、うれしいので、いい面もあるんですけど…

 

 しかして、では近頃何をしているのかというと、あたらしくバンドを好きになり、ライブにいったり、アルバムを聴いたりしています。夜遅くに帰ってきてくたくたでも、1曲4分とかの音楽は聴ける。これはすごいことです。おかゆだ。しかもうまいおかゆ。ライブ会場はたいていの場合劇場より遠くにあるし、公演時間は長いし、飛んだり跳ねたりするから体力もめっちゃ使うけど…と思うと、上述のことはそれぞれささいなきっかけに過ぎず、本質は私のめちゃめちゃな移り気にあるのかもしれません。それはそれとして、長時間労働はめちゃくちゃ悪いです。でも演劇は全体として観てよかった……おもしろい物語がめちゃめちゃあったし……人間を観るということ自体が非常におもしろ経験だった……ほわっとしかわかっていなかった舞台美術とかライトとか衣装とかについてひとつずつそんな意図が!ってわかっていくのもおもしろかった……転職するかなんかして、元気になったらまたたくさん演劇を観たいな~と思うようになるのかもしれない。わかりませんが。

2022年7月に観た映画や、映画以外

 あまりにも長いこと感想を書かずにいたので、とりあえずタイトルだけメモしているアプリの1リストあたりの上限が来てしまい、いまふたつめのリストに移行している。書いてください。はい。7月はまあまあ映画観てたな。

 

☆2022年7月に観た映画(4本)

1. モガディシュ 脱出までの14日間

mogadishu-movie.com

 モガディシュのまじめな感想はきっとみんな書いてるから、わたしはクギョファンさんの話しとくね。ところで新感染半島のクギョファンさんであるところのソ大尉は観ましたか?ソ大尉とテジュンギ、並べてみると、わかるよ、わかる、クギョファンさんにこれさせたいの、わかる……って思って、ほんと……わたし……私の好きな俳優のこんなところこんなにたくさんの映画で何度も見れちゃっていいのかな……って思って……テジュンギの好きシーンの話するね。ごはん食べてるシーンのところで片目潰れてるのに鏡を使ってちゃんと警戒しているところ。暗い家の中で、ろうそくの光の中にぼんやりと浮かび上がって、小さいこどもに、しーっ、てするところ。野良犬を牽制するところ。カンテジンとけんかするところ。地元の若者にボコボコにされるところ。その直前に得意になって口笛とか吹いて調子に乗ってるところ。カンテジンにむけて刀落としてみせるところ。書き始めてみたら思ったよりテジュンギのこと好きだった。私、いまはもはや俳優クギョファンさんのことが好きだから、キャラクターテジュンギのこと、主観としてはそれほど刺さってないんだけど、でも正直さテジュンギが主役でしょ(言いすぎ)。まじめな感想としてはわたし他国の歴史をさっぱり知らねえや、知らないとな、と思いました。日本が絡まない国際関係特に近代をさっぱり知らない。知りたいです。

 

2. 毒戦BELIEVER

gaga.ne.jp

 なんで観たんだか忘れちゃった。すごい久しぶりに見た気がする。ひさしぶりに観ると新鮮に傷口が開く。

 

3. なまず

namazu-movie.com

 武蔵野館で観ました。クギョファンさんが見たいなと思って見に行ったんですけど、これが、ほんとにめちゃくちゃおもしろくてめちゃくちゃ好みすぎる映画だった。2022年よかったランキング一位かもしれんてくらいよかった。あまりにも好みすぎて私以外の人も本当にこの映画おもしろいだろうかと心配になるくらいよかった。映像がカラフルでキュートでめちゃくちゃかわいくて、イジュヨンさんもクギョファンさんも非常にキュートであることがそのよさに拍車をかけてはいるのだが、音楽のいれかた、カメラの向き方とか、冗長に描くところとさくっと飛ばすところのバランスとか、イジュヨンさん演じる主人公の抑えめな感情表出、何考えてるかわからん彼氏(最高!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)のクギョファンさんとか、たぶんわたしイオクソプ監督が好きだ(と、このあと他の作品も見て確信した)。ナンセンス映画かと思いきや、メッセージはドストレートで、つまりどうだかわからんものに生活や人生を寄りかからせてはおけない、ということなのだけど、それはそれとしてそのどうだかわからんもの代表であるところの彼氏のクギョファンさんが最高すぎて説得力がありすぎるんだよな、こんなかわいい彼氏、いたらやべえことになっちゃう、おしまいになっちゃうよ、みたいな激しい説得力……イオクソプ・クギョファン両監督作品に頻出のモチーフなどもあってわーい知ってる!の喜びもあってよかった。とにかくよかったんですわ。でもこの良さをネタバレなしに言い表せない。先入観なしでみてほしい。しかし彼氏のクギョファンさんが最高すぎるという話はしちゃう。もう一回みたいなと思っているうちに上映が終わってしまったがもう一回みたいな…

 

4. 女神の継承

synca.jp

 シネマートで観ました。たぶん初めて映画館でホラー映画を観た。めちゃくちゃこわくて、こわすぎて、ジャンプスケアのところで傷跡が残るほど自分の腕をひっかいてしまったらしく映画館を出たあと半袖の腕がそれこそホラー映画状態になっていた。でもってじゃあどこが怖かったんですか?と言われると、当然ピュアに脅かしてくるところは怖いんだけど、モキュメンタリー形式で(モキュメンタリー形式大好き)撮影クルーが終盤まであんま怖がってないでごりごり写してくるとこも怖いんだよな。ちょっとは怖がってよって思っちゃう。終盤のそりゃもう大風呂敷を畳みに畳む畳みかけも最高だけどこれは最後まで行くなってわかってからはぶち上がっちゃってもうアドレナリンがでまくりよ。しかしラストのおばさんのインタビューのところはやっぱりよくわからなくて、このわからなさは確かにコクソンのわからなさだな…と思って、解説とかあんまり好きじゃないんですけど帰ってから解説を読み漁っちゃった。ホラー映画を観るという体験も含めておもしろかったです。

 

★2022年7月に観た映画以外

・Drunk

www.singing-dog.com

 サンモールスタジオで観ました。井内さんが出ているというので観にいったが、これが、めちゃくちゃ……めちゃくちゃよかったんだよなあ……

 当日パンフによれば脚本を書いている劇団主催の方が実際に過去アルコール依存症であったことがあるとのことなんだけど、舞台はとあるバーで、そこに連日集うよっぱらいたちは、毎日宴会みたいで本当に楽しそうで、序盤とかまじで祝祭じゃん!って感じなんだけど、それがお酒のんでるとき最初は楽しいけど飲みすぎてだんだん気持ち悪くなってくるみたいに、ひたすら明るい舞台の上に、だんだん影が差してきて、でもではおさけをのむのやめるよ!って言って、やめれるかっていうと、そうでもない…という話でして…突然私の話するね。私は人間をお酒を飲むのをやめれる方とやめれない方のふたつにわけたら自分はやめられない方だと思うんだよね。今は偶然、環境とか体質とかのせいでそうなっていないだけで、いつでもアルコールに依存する準備はできている…と我ながら思う…ので、それがために本当に身につまされてしまって…見ながら泣いていたかもしれないというか内容的に間違いなく泣いていると思うんだけど泣いていた記憶がない。それくらい物語にずぶずぶになりながら観ていた。めちゃくちゃよかった。井内さん演じる馬場ちゃんの存在が物語の救いになっていてわたしは井内さんのことも好きなのでそれもよかったなあ。もう一回みたいかって言われると…しんどいんだけど…人生の節目におさけに身を飲まれそうになったとき(そんな日が来るかわからないが)もう一回みたい。

 

・リーマン・トリロジー

www.ntlive.jp

 池袋の映画館のでかいスクリーンの前から2番目とかで見てすごくおもしろかったがすごく首が痛かった覚えがある。経済史をおもしろいと思ったことはこれまでなかったがそうか人間の話と思えばこんなにおもしろいのか…という感じ。透明の箱がくるくる舞台上で回ったりするギミックもよかった。めちゃくちゃ長いが飽きさせないという感じで。これも体験含めおもしろかった枠かもしれないな…満員になってる映画館久しぶりだったし…みんな集中してて夜行バスにちょっと似ていた…

 

・導かれるように間違う

www.saf.or.jp

 成河さんと亀田さんだというので観なくては!と思い、観ました。SAF遠くて雨も降っているのにめちゃ早めについてしまい、やっと開場して劇場の中入ったらけっこう急なすり鉢状の席に波の音がずっと響いていて、始めて入るタイプの劇場だ…と思った。物語としては不条理劇と書いてあるとおり、メッセージはあるようでないようで、ストレートなようで屈折してるようで、つまりさっぱりではないもののいまいちわかんなかったんですが、ダンスってわからなくても目で楽しめるからいいよね。ダンスだからよけいわからなかった気もするけど。そんはさんは本当に最初から最後までほぼ踊り通しだったんですがパワフルという印象でもないのにずっときびきびとうごいていて、回転椅子と車椅子で互いに振り回しあうところとか視覚的にかなり良かったな。亀田さんもかわいくてめちゃよかったです。そんはさんと亀田さんものジャンル(?)としてもよさみがあった。

 

・チョン・ヘインのI LOVE NEW YORK(1話)

gyao.yahoo.co.jp

 1話だけ無料だったので観ました。とにかくねえヘインさんがかわいすぎるんですわ。一時間転がりまわりながらかわいいヘインさんを浴びるやばバラエティ。かわいすぎる。ほんとにジュノと同じ顔の人間とは思えず…俳優ってすごい…ありがとうございます…けっこうずっとごはん食べててそれもいい。

 

・アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風

www.hayakawa-online.co.jp

 1,2巻は戦闘機がばしばしと飛ぶ架空戦記SFだったのだが3巻になって突然時空が歪むタイプのハードSFになった感。でもおもしろい。深井零が自分の鏡写しみたいな下士官を連れて飛ぶが自分じゃない人間は自分じゃない人間だなあと知るところがよかった。そういう話じゃないかもしれないけど…

 

・伝説のリトルバスケットボール団

www.shownote.com

 配信で観ました。かつて私が韓国ミュージカル俳優の中で一番大好きな俳優であるところのイジュスンさんも出ていた作品で、2022年あたらしいシーズンが始まるその一番最初?のライブ配信だったと思う。ライブで観るの初めてでどきどきしました。ステージ上でほんとにバスケしてるんですよね。パス練習とかシュートしたりとか。そもそも私スポーツ系部活ものに結構弱いのでもうだいぶわ~~~という感じなんですけどなにやってもうまくいかないいじめられっことか勉強しすぎて全部忘れちゃったとかもわ~~~って感じだしわりとけっこうめちゃ泣いてしまったな…すごくよかった…じゅすんさんがかつて演じた役はダインといって幽霊3人組のなかでは数学とかも得意でクレバーなタイプの少年なんですけど俳優が違ってもやっぱその子が一番よくてってか好きだなあって感じで好きな俳優がしがちな配役はやっぱ好きなんだな…と思った。海行こうよ!の歌がかわいくてよかった。噂には聞いてて絶対好きだろうなと思ったけど案の定めちゃくちゃ好きなタイプの物語でした。

 

・グッド・モーニング(ロロ)

photos.google.com

 配信で観ました。めちゃくちゃいいから!!!っておすすめしていただいて、きっといいんだと思うんだけど、わたし青春ものとかちょっとあんまりなんだよな…傷が開くから…などとおもいおそるおそる観たんだけどこれがさあ!!!!めちゃくちゃよかったんだよ!!!!!大丈夫なタイプの青春だった。大丈夫なタイプっていうのは、つまり身に覚えがあるでしょ?みたいな感じでこっち刺してくるタイプのやつじゃなくて(そういうのにもいいのはいっぱいあんだけど)ここにこういう人間とこういう人間がいます!では観てってね!みたいな、個別の高校生ふたりの話をすることで逆に普遍的にみんなうわ~~~いいな~~~~ってなるみたいな、そういう感じのやつだった。いつだって誰もがおかしいほど愛し愛されて生きるのさ…Jpopが使われているのにこんなにさわやかでいいのか(いい!!)わけわかんない感動でなんで私泣いてるんだろ?と思いながらしゃくり上げてしまった。よさがある。白子のことも逆乙女のことも好きにならざるを得ない。愛おしすぎる。踊るしかねえ。ふたりとも変な人間なんだよな。愛さずにはいられない。って感じ。説明が下手すぎる。めちゃよかったんですわ。

 

・宇宙の果てのレストラン

www.kawade.co.jp

 遙か昔に銀河ヒッチハイクガイドを読んだことがあり、このたびその2巻を読みました。正直イングリッシュジョークを全然フォローできておらずたぶんおもしろみを何割とかしかわかってないんだろうな…と思いつつあるけどガイドを読んだ当時よりはエンジニアジョークは多少わかるようになっているはず…という思い込み…ギャグの合間の(どっちが合間かわからんが)SFギミックがさくっと切れ味きれいでそれがよいんですよな。あとめちゃめちゃなパーティがまじでめちゃめちゃでよい。

 

 7月は映画も観てるし演劇も観てるし配信も観ててバランスがいいな。この先、8月からはしごとが信じられないくらい忙しくなり、こころの余裕がなくなっていくので、2022年は7月くらいまでが本番だった感ある(そうはさせるか!11月からでも取り返してみせるぞ!)。

2022年6月に観た映画や、映画以外

 5月に宿題を完済して早速残りを積んでいる。いまは8月です。6月もまあまあ元気でいろいろ観にいったりとかしていました。

 

☆2022年6月に観た映画(1本)

1. トップガン

topgunmovie.jp

 マーヴェリックは見てないんだけどマーヴェリックの方貼っておきますね。こっちも気になるなと思って、とりあえず無印をアマプラで見ました。ほんとスポーツ映画みたいだなと思った。あと、トムクルーズがめちゃくちゃかわいかった。本当にかわいかった。グースもかわいくて、私は背の高い副官タイプがめちゃくちゃ好きなので(ワートリの穂刈とか、T-34のスチョーパとか)グースのことをめちゃくちゃ好きになっちゃった。TGMの方見に行かなかったのはそれもある。

 

★2022年6月に観た映画以外

ユダヤ警官同盟

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 前から気になっていたんですが、このたび初めて読みました。すごくおもしろかった。4年ほど前、来る日も来る日もルカレを読んでいたんですが、その当時は逃避で読んでいたのもあったけど、やっぱ私ハードボイルドが好きなんだよな、ほんとに読んでて息がしやすい…と思った。ユダヤ教とチェスが二大重要モチーフなんですが、どっちのことも全然わからなくて、でも全然面白かった。わかったらもっとおもしろいのかもしれないけど、ハードボイルド特有の急転直下に気持ちよく振り回されたので、わからなくても大丈夫って感じでした。ハードボイルドの好きなところは主人公のおじさんがめちゃくちゃよわくなるところ。

 

・キングダム

https://www.netflix.com/title/80180171

 いままだ4話までしか見ていないんですが…ゾンビがこわくてというか寝る前に見ると興奮してしまって寝付きが悪いから…ネタバレをしますと床下に人間が詰まっているというビジュアルからもうおぞましかったのにその理由として極めてよくゾンビの生態が考えられていて思わず感心してしまった。いまのとこゾンビよりも王家の周りの人の方が怖い。そういうドラマなのかもしれない。ゾンビが来てるのに人間同士戦っている場合じゃないでしょ。チュジフンがよい主人公をやっているのなんだかんだいってみるの初めてかもしれず、世子さまの善良さをいまいち信じきれない(申し訳ない)。早めに続き見ます。

 

ラフマニノフ(チョンウクジンラフマニノフ、チョンミンダーリ先生)

 naver後援ライブで観ました。日本からは観られないやつかと思って大変ショックを受けたが観られてめちゃくちゃよかった。この回は1回目だったので、ほぼまったく筋がわからず、完璧に雰囲気だけで観たんですけど、チョンウクジンさんのさみしい少年みたいなラフマニノフがめちゃくちゃよくて、ダーリ先生のジョンミンさんとは年も離れているように見えて、父と息子感があり、最後のいそいそと燕尾服を身につけて指揮台に向かうところ、ぱあっと晴れ上がったラフマニノフのお顔がほんとうによかったなと思いました。ラフマニノフは3組(のべ4回)観たんですけどラフマニノフ役の俳優の方はみんな多少なりともピアノが弾けて本当にすごい。ダーリ先生はみんなヴィオラがぜんぜん弾けなくて(?)本当にすごい。

 

・バイオーム

www.umegei.com

 配信で観ました。成河さんが出ているというのでほいほいと観たのですけど、前半本当に見始めたことを後悔するくらいつらくて、いったん停止してしばらく寝かしておくくらい、合わん、この世をこんなつらい写し方しなくてもいい、と思うくらいだったんですけど、わたし、中村勘九郎というひとをこれまでまったく知らず、名前から歌舞伎の人かなということくらいしかわかってなかったんだけど、ルイとケイをくるくるぱたぱたと繰り返すさまが、ほんとうにすごいしまずこどもの役をしているのもすごいのにそこに中村勘九郎ひとりしかいないのにひとりで声と身振りだけで舞台サイズの大きい絵本を描いている、みたいで、ふたりのこどもが木の上で、遊んでいるのが、本当に見える…中村勘九郎さんがものすごくよかったです。そんはさんもよかった。好きな俳優が木の役をやっているなんてそんなボーナスステージがあっていいのだろうか。ある。お話もめちゃくちゃつらかったけど何をしたいかはなんとなくわかった。それに景色が本当に美しかった。でもめっちゃつらかった。

 

・グッドラック 戦闘妖精・雪風

www.hayakawa-online.co.jp

 遙か昔に1巻を読んでいて、このたび2巻を読みました。正直1巻のことはチキンブロスが衝撃的すぎてほかのことは大体忘れていたけど雪風と深井零のラブストーリーだから…というような惹句を信じて読み始めたら雪風はもっと野生の獣のような存在で全然思っていたのとは違ったがおもしろかった。スピッツ雪風が妙にはまる。

 

・ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

https://namu.wiki/w/%EB%B9%88%EC%84%BC%ED%8A%B8%20%EB%B0%98%20%EA%B3%A0%ED%9D%90(%EB%AE%A4%EC%A7%80%EC%BB%AC)

 特設ページのようなものが見当たらなかったのでとりあえずWikiを貼っておきます。韓国観光公社のイベントで上映会をしているのを千葉まで観にいきました。今思うとかなりわけわからん行いだ。熱に浮かされているっておそろしい。

 ミュージカル自体は、ゴッホの生涯をテオの視点からぼくのにいさんヴィンセント・ヴァン・ゴッホはこういうひとでしたって語っていくという形式なんですが、舞台セットはそこまで派手じゃないんだけど、そのへんから取り出されてくる白いキャンバスに絵とか心象風景がプロジェクションマッピングされておもしろい感じの演出になっていた。あと、テオの俳優の人が他の役も兼ねるんですけど、ゴーギャンの役のとき優しい弟とうって変わって本当に冷徹に見えてぞくぞくした。話としてはほんとに素直な一代記という感じだったんだけど、ゴッホの人生なので当然つらい一代記でもあり、うう~~……と思って観ていったところ、ラストでゴッホは亡くなるのだけどそのあとエンディングでいろいろあったけどこれが僕の人生だ!ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ!という歌とともに花咲くアーモンドの木の絵が舞台の後ろのスクリーンにさっと大きく映し出されてアニメーションで花が散り、それがもう本当にうつくしくて鳥肌が立ったしゴッホの絵全然観たことないけど今度展示会かなんか近くまで来たらぜひ見て見たいと思った。救われるようなエンディングだった。すごくよかったです。あとこの頃ちょうど韓国でも公演が開かれていて仲良しのヴィンセントとテオのお写真がいっぱい上がっててうぐ~~~となってた。

 

・シデレウス

musical-sidereus.jp

 自由劇場で観ました。韓国版の方の噂は聞いていたところ、日本のキャストでもやるということだったので、せっかくだったら井澤勇貴さんの出ているペルセウス(キャストが4組あってそれぞれ星座とか星の名前がついている)をと思って、ペルセウスの初日に観にいきました。チケットとるの遅かったので席はかなり後ろの方で、自由劇場はミュージカル向けの箱としては小さめとは言え見えるかな、声聞こえるかな、楽しめるかな…日本のミュージカルは2回目(1回目は楽しくなかった)だし…と思っていたら!!!!これが!!!!!!めちゃくちゃよかった!!!!!!お話としてはガリレオガリレイケプラーが宇宙についていろいろ発見をするが異端と睨まれてそこにガリレオガリレイの娘のマリア(修道女)が絡んでくる…って感じなんですけどそもそも素朴に科学技術がきらきらしている話がわたしはめっちゃ好きで、宇宙について新しいことがわかった!わかるとおもしろい!ふたりでやればもっともっといろんなことがわかるのでは!?っていうのがうまい(井澤さんは歌聴いたことあったけどこの回ほかのふたりもうたうまい(そりゃそうっちゃそうなんだけど)回でめちゃめちゃよかった)歌でくりひろげられそりゃ気持ちをぐらぐらと揺り動かされないわけないじゃんって感じ。おもしろかったです。わりとめちゃ泣いちゃった。観てよかったなと思いました。

 

モータルコンバット レガシー2

store.steampowered.com

 映画を見終わったあとから見始めて以来積んでいたがここで初めて観終わった。映画では散々モータルコンバット始まってねえじゃねえか!って言われてたけどレガシーではちゃんとモータルコンバット始まってたよ。

 

星の王子さま(韓国ミュージカル)

www.youtube.com

 韓国観光公社の無料配信で観ました。ありがたすぎる。ふしぎに夢みたいなライトと箱庭みたいなセットで、舞台の上には3人いるんだけど、王子様と飛行機乗りと、あとサンテグジュペリ役の俳優(チョンドンファさん)が入れ替わり立ち替わり、薔薇やきつねの役を兼ねて、あと飛行機乗りの役の俳優は女声なので、音域の広いハーモニーでとてもよかった。最後チョンドンファさんが王さまになってしまってそんな話だったっけ!!と思ったがめちゃくちゃ美しく大団円感がかき立てられたのでよかったです。

 

ラフマニノフ(キムヒョンジン、キムギョンス)

 かわいすぎオフショットを貼っとく。NAVERの配信で観ました。

 キムヒョンジンさんはスリルミーの私で観てめちゃくちゃかわいいなあと思っていたんだけど、ヒョンジンさんのラフマニノフはこの前に観ていたチョンウクジンさんとは打って変わって陰鬱…というよりは自分に本当に腹立たしい、やつあたり、みたいな感じがして、あと、先生の役のキムギョンスさんが髪の毛がすごくきれいな水色なんだけどめちゃくちゃ怪しい先生感が激しく出ていたのもあってなんか若いふたりがぶつかってはそこから音楽が生まれてくる…って感じだったな…と思った。この回は配信に謎の字が出る事故があって7月にももう一回観れたんですけどかわいくてお気に入りの回だったのでまた見れてよかった。キムヒョンジンさんはめちゃくちゃ泣くんですよね。だからよけい感情が溢れているな…って感じになるのかな…

 

・鶏口牛後

www.jacrow.com

 座高円寺で観ました。鋼の糸に続いてJACROW2作目だったけど、男と男のどろどろビジネス劇であった鋼の糸とはがらりと変わってこっちはファッション業界のおしゃれさわやかビジネス劇だった。おもしろかった。おしごともの、やっぱ好きというか、大変身近であるために感情を容易に揺さぶられてしまうな。あと、素材メーカーのおにいさんがめちゃかわいくてよかった。素材メーカーのおにいさん、会社が宮城にあるという設定で、体にあってないスーツを着て方言で喋るという大変キュートなキャラクターなんですけど、なんで東北弁でしゃべらせるのや、ビジネスがわからん田舎者は東北ってか?と思って最初かなりむっとしたんだけど、この素材メーカーというのが海洋ゴミから布地を作るメーカーという設定で、震災で沿岸に打ち上がったがれきをみてこの海をなんとかしなきゃいけないと思って…という設定があきらかにされるにつれてめちゃくちゃに泣いてしまった。今になっても全然、震災のこと見えてるよされるとありがとうって思っちゃう。全然おしゃれビジネスマンじゃないけど私も三人兄弟の長女なのでそのへんでもあ~わかりみ~みたいなとこ若干あった。よかったです。

 

ラフマニノフ(パクユドク、チョンドンファ)

 またかわいすぎるオフショのやつ貼る。ヴィオラ下手すぎ先生かわいい。韓国ミュージカル、この手のかわいすぎオフショをたくさん貼ってくれてほんとにありがたいです。

 チョンドンファさんは星の王子さまでも観たので、だんだん観たことある俳優を2回目観るフェーズに入ってきたな…という感じでした。これまで見たことある韓国ミュージカル、スリルミーとかブラザーズカラマーゾフとかは同じ役をするキャストのあいだでそれほど年が離れていないと思うんですけど、このラフマニノフは観られた3組のあいだでもかなり俳優の年齢がまちまちで、それによって本当に幅広いラフマニノフとダーリ先生が観られ、わかさゆえのほとばしる情熱とか、技量の乗った深い哀しみとか、同じ曲でもこうも違うかというのが本当にいろいろ観られてすごくよかった。

 

 ところでいま11月なんですけどどうしてだろう。ふしぎだな。時の経つのが早すぎる。半年に一度しか感想を書く気持ちになれないのかな。6月はめちゃくちゃミュージカルを観ていてほんとによかったですな。

2022年5月に観た映画や、映画以外

 ついに5月まで辿りつきました。いま2022年6月なので、正当な部分の感想を書いているということよ。この2年くらいでリアルタイムに追いついたの初めてなんじゃ…えらい…えらすぎる…それというのも時間があるからです。5月は本当に時間があったので、めちゃくちゃな点数の映画や演劇や小説やミュージカルを見たり読んだりしていました。毎月こうありたい。

 4月から引き続き、韓国ミュージカルに真剣にはまりかけていまして、それに私がめちゃくちゃ好きになっちゃったイジュスンさんという俳優の方がこんど出る公演がふたつも決まっていて、気持ちだけはもう渡韓するしか!です。実際どうしよう。めちゃくちゃ迷ってる。それはそれとしてひさしぶりにドラマを完走してそれにもずぶずぶとはまっています。元気と時間があるとこうなるんだなあ。常にこうありたい。

 

☆2022年5月に観た映画(4本)

1. クローゼット

klockworx-asia.com

 これも劇場公開の頃みたいけど映画館に行くのはまだ無理かな~と思って断念したもので、このとき初めて観ました。熱血司祭に続いてセカンドキムナムギル。一応ホラーで、怖いシーンはしっかり怖いんですが、キムナムギルが出てくると突然なんか雰囲気が変わってしまって、怖くなくなってきて、いいのかよ、と思いつつ、おもしろかったし、キムナムギルはいい俳優だなと思った。室長、カルトのネオ様みたいだった。ていうかクローゼットという映画自体が、ホラーなんだけど途中から怖がらせるよりもおもしろがらせる方に舵を切ってしまう感じが白石監督作品みあるなって思った。すごい好きな感じ。韓国映画らしくエンタメの中にも社会に接地するところもあり、祈祷シーンもあり、めっちゃよかったな。劇場で観たらもっと怖かったかもだけど、配信だったのでおもしろかった。映画見終わって部屋の電気つけたらちょうど部屋のクローゼットを開けっぱなしにしてあって本当にぞっとした。

 

2. タチャ イカサマ師

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B09CKBJKT5/ref=atv_dp_share_cu_r

 こないだお休み取って一日映画観る日にしたときに見た3本立てのうち1本目。すごくおすすめしていただいて、その通りすごくおもしろかった。2007年の映画だな~と思うところもあるんだけど、めちゃくちゃ長いのに物語はきゅるきゅる動いて、全然飽きない。長いこと連載してる漫画みたいだった。若いスンウさんめっちゃかわいかった。調子乗ってるところもかわいかった。最初ルールもよくわからんし…と思っていたけど、札がひっくり返るのをどっちだ!?どっちだ!?ってどきどきしながら見つめることに最後にはすっかり楽しくなってしまって、こりゃああぶねえや、と思いました。物語が長いから序盤でかけられたヒントをすっかり忘れていて、回収されたときの気持ちよさもよかった。

 

3. 感染家族

www.finefilms.co.jp

 これは私が映画館で韓国映画を見始めた2019年公開の映画だったので、まだ韓国映画ならなんでも見る!というわけでなく、ちょっと気になってはいたけど見なかった映画でして、やはりこのとき初めて観ました。3本立ての2本目。サードキムナムギル。それで、これがほんとにめっちゃくちゃ好みタイプのゆるっゆるゾンビ映画だった。ロンドンゾンビ紀行がすごく好きなんですけど、大好きゾンビ映画ランキングでロンドンゾンビ紀行の次くらいには付けてくる。いつ陰惨な展開になるんだよ、と思うんだけど、これが、あんまり…ならないんだな!!!ゆるゾンビ映画だから!いつまで経ってもゾンビがキャベツ食ってる。このゾンビが毒戦でドンウだったチョンガラムくんなんですが、めちゃくちゃかわいくて、あぶあぶキャベツ食っているところが本当によい。どきどきはらはらもそのうちちょっとする。でも基本的にゆるい。そこが好き。

 

4. 新感染半島

gaga.ne.jp

 これも観たいなと思っていたけど劇場で見逃したやつ。3本立ての3本目。ちょっとあの…ほんとに申し訳ないんですけど…クギョファンの話だけしてもいいですか…?後述しますが5月はD.P.を完走して、アンジュノとホヨル先輩めちゃくちゃよかったな、と思っていたんですが、俳優クギョファンのことは、ホヨル先輩を演じたよい俳優、としか思っていなくて、カンドンウォンには備えつつ、完全に油断して半島を見始めたところ、出てきた瞬間銃を咥えているソ大尉に、あ、だめだ、好きだ、だめだめちゃくちゃ好きだ、となってしまい…………カンドンウォンは大丈夫、きっと生き延びてくれるだろう、でもソ大尉は?どう?めちゃくちゃ死にそうじゃん!?それに本当に精神がぐらぐらでめちゃくちゃ魅力的だ、待って聞いてない、ホヨル先輩じゃないときのクギョファンもこんなにめちゃくちゃに魅力的だなんて聞いてないよ…!!!!!!!って思って、クギョファンからもう目が離せなくなっちゃいました。えらい地位のあるひとのはずなのに、ずっとひきつったような笑顔なのも、こわいし、だいたい体格からしてもさしで闘ったら負けちゃいそうだもんね。きっといろいろなことがあったんだろうな。その過程で世界に絶望してしまったんだね。好きだ。好きすぎる。クギョファン…好きすぎる…という気持ちになった映画でした。それはそれとして映画全体としては世界というものに対してやっぱり希望を持ってやっていこうや!というメッセージが感じられそのへんのバランスもよいなあと思った。何かのインタビューで、半島の監督がクギョファンは汚い商業映画には出てくれないと思っていた、と言っているのをたしか読んで、汚い商業映画て…と思いつつも、クギョファンの経歴などを読んでいると、こんなにめちゃくちゃ好きになれそうな俳優が配信で見やすい作品に出てくれてほんとにありがとうありがとうって気持ちになります。独立映画というジャンルがあるんだな。日本から観るのめっちゃ難しそう。

 

☆2022年5月に観た映画以外

・Trace U(イユルウビン、イヘジュンボナ)

 このころ、スリルミーの前後の時間帯で配信しているので…と教えていただき、トレイスユーも配信を追い始めました。トレイスユーはスリルミーと同じくふたりミュージカルで、ウビンとボナというふたりの登場人物がいるんですが、スリルミーよりも更に誰と誰のいつの公演だったかが重要で、なぜならペアによって結末が全然違った感じになることもあるからです…これは好みがあると思うんだけど私は演劇の一回性というやつを感じて現象としてめちゃくちゃおもしろいと思っている。今日このとき咲いた花は二度とふたたび開かない、みたいな儚さを感じて…

 それはそうと筋などは教えていただいたものの、このように途中の台詞とかも結構違うので、スリルミーよりも更についていかれん、となるかと思いきや、まあついていけてはいないんですが、ミュージカルなので、歌に乗せてある感情が拾えてれば物語に全然十分以上についていけて、ミュージカルという媒体ってめちゃくちゃ力強いじゃん、こっちの首根っこを引っ掴んで物語と一緒に引っ張り回してくる…と思いました。このとき観たペアは、ウビンがかなりおとなっぽい感じで、ボナはすねたようなかわいさで、でもふざけたようにしてばんばん指鉄砲で撃ってくるウビンが、最後にみせる本当にうつろな顔にめちゃくちゃぞっとした。プロジェクションマッピングがかなり効果的に用いてあって、そういう舞台装置もかなりおもしろい。あと生バンドが後ろにいて、ペアによってはバンドをいじったりしてるのもおもしろい。トレイスユー、おもしろいミュージカルです。

 

・スリルミー(イジュスン×イソクジュン)

www.youtube.com

 ジュスンさんとソクジュンさんはプレスコールの動画がいっぱいあったのでいっぱい観てください。この回を観て、私はイジュスンさんという俳優のことが本当に本当に大好きになりました。なぜなら、この回のジュスンさん私は……彼のことを10で言うと1しか好きじゃなかったからです!!!!!!!これは本当です、インタビュー動画で言っていたので…前の週が好き度無限大だとしたら(これも本当にヒョンジンさんが言っていました)この週は好き度1だったんですよ。こんなに振り回されて、好きになっちゃわないわけがない。眼鏡を落としたのはおれたちじゃない、おまえだよ、といわれて、なに…???????????といっているところのじゅすんさんはほんとうに、ほんとうに、ほんとうに彼のことを憎んでいたと思います。99年の直前の아니, 아니, 아니...の本当に地獄の底から呼びかけてくるような囁き声、それなのにソクジュンさん彼は自分のことで頭がいっぱいで、ジュスンさん私はソクジュンさん彼のことを本当に見下して自分の力試しのおもちゃと思っていただろうけれども、ソクジュンさん彼の方もジュスンさん私のことを自分の優位性を湿すための変わったアクセサリーとしか思ってないからソクジュンさん彼はジュスンさん私の背中を撫でたりひたいにキスしたりそれがジュスンさん私は愛されてうれしいとかじゃなくて思い通りに彼が動いていてうれしいって感じで、だからジュスンさん私はさいごほんとうにゲームに勝った!やった!!!!という感じの99年だったろうに、ラストのラスト、公園で、こんど地獄から手を伸ばしてきたのは彼の方だったのだ…………という感じで、がしっとソクジュンさん彼がジュスンさん私の肩を掴んで暗転、で、カーテンコールで、肩に頭を!!!ああ!!!!肩に頭を!!!!本当に観客の情緒をめちゃめちゃにするのがお上手です。めちゃめちゃになりました。すぐヒョンジンさんノユンさん回との対比で語ってしまうが(ほんとうに鮮やかな対比だったので)ヒョンジンさんノユンさん回のラストはあんなに愛し合っていたのに、ヒョンジンさん私の手はノユンさん彼をすり抜ける、本当に悲しいラストだったんですよね。それがなんでお互いに地獄から現れては足を引っ張り合っているのさ。最高。最高。ありがとうございます。イジュスンさんは素の姿はほんとうにかわいらしくてそれなのにそのジュスンさんの頭の中からこんなに彼に興味がない私が湧き出てきたということじたいに感謝しちゃう。好きな俳優だ。好き。ひとはこうやって沼にはまるんだなって感じでした。

 

・TraceU(キムギョンスウビン、パクギュウォンボナ)

 この週のトレイスユーは、前に観たやつとは全然違って、ウビンとボナは本当に友達みたいに仲良しで、めちゃくちゃかわいかった。で、結末がまったく違っていて、噂には聞いていたけどこんなに全然違うのか!!!と思ってめちゃくちゃおもしろかった。この週のウビンとボナは、たぶんふたりでいっしょに外に出ることができたんですよね。水槽で手をばちゃばちゃしていたのもこの週だっけ…この前のときのトレイスユーは、ウビンとボナの分離度がひくめのように見えたけど、この回はなかよしのふたごって感じで、俳優同士の背丈とか雰囲気とか、歌声も近くて、そうか、こういうところもキャストシャッフルのおもしろさだよな、と思いました。

 

・スリルミー(キムヒョンジン×ペナラ)

www.youtube.com

 ヒョンジンさんとペナラさんもプレスコール動画がいっぱいあるのでいっぱい観てください。4週にわたってスリルミーを観てきましたが、このキムヒョンジンさんとペナラさんの回が一番もともとの演出意図に沿っているのではないかな~と私は思っています。王道、って感じだった。

 インタビュー動画でも言われていますが、ペナラさんは本当にかっこいいんですよね。体格も優れていて。キムヒョンジンさんはどちらかというと小柄な方なので、このペアは本当に彼と私が黒豹と栗鼠みたいに見えて(カラーリングもある)だけどキムヒョンジンさんの私は彼のことをほんとうに愛しているので、ほんとはそんなつもりじゃなかった、ふたり永遠に暮らしていければそれでよかったのに、失敗した、ごめんねリチャード、って感じの、あに、あに、あに…で、こんなに先週と違うことあるかよとまた思いました。最高。たのしい。あとこの上に貼ったプレスコールでも歌っている思い出せないあの夜のことのところ、ノユンさんとのペアのときは動画みたいにめちゃくちゃ自信たっぷりに女の子に会いましたねえって歌っていて、そのときもそういうのもあるのかよ!!!と思ったのに、この週のペナラさんとのペアのときは、ものすごく自信なさげに、彼がいないと何もできない、って感じで歌っていて、そんなにひとりのひとの中で解釈幅があることある!?すごい、キムヒョンジンさん…と思いました。この回はヒョンジンさんもペナラさんもめちゃくちゃ泣いていて、僕と組んでからキスをするあたりとか、99年とか、泣きすぎていて、ほんとうに今日はやばいのではないかという気持ちがすごくしました。こんなに毎週スリルミーを観ていたの、やばかったな。めちゃくちゃたのしかった。またこの夏のスリルミーも(もちろんできれば観にいきたいけど)配信してくれたらうれしいなと思います。

 

・D.P.

https://www.netflix.com/title/81280917

 DPに関しては、できれば項を分けて言及したい。私はドラマを見る才能がないんですが、DPに関してはものすごく先へ先へと引っぱられて、全6話を1週間というか実質5日で見切ってしまったくらい、切実に観た。ものすごくおもしろかった。と同時に、本当に痛ましくて、絶対に観た方がいいってわかっていたから口の中をぎゅうぎゅう噛みながら観ていたけど、そうでなかったら途中で観るの諦めて、重たいからまた今度、ってしてしまっていたかもしれない。しかし更にそれと同時に、主人公バディであるところのアンジュノとハンホヨルのほんとにほんとにほんとにほんとにキュートで応援したくなる感じがやばくて、今まさにやばいやばいと思っています。

 DPの舞台は2014年で、迂闊にも全然知らなかったのだけどなぜかというと韓国軍のなかでいじめを起因とした大きな事件が立て続けに起こった年、そのあと軍の中でも変化があり、しかしてDPの舞台はその2014年なのだということでした。DPをみているとき、同時にいくつもの気持ちがあるんだよね。そもそも軍隊が(この世のどこにも)なければいいと私は思っているけど、あるならあるで、その中はましであってほしいし、そもそもなんで韓国に軍隊が…て歴史をひもときつつ思うときこんな楽しんでいいのか!?とも思うし、しかして楽しいのは本当だし、ジュノとホヨルの活劇パートは本当に楽しい…しかしておそらくだけれども軍の中には(社会の中には?)どっちもあるのだ、ソクポン先輩みたいに、向こうも見えてて、でも自分にはそうじゃないとわかってしまったときどうすれば、アンジュノみたいな立場になったらどうすれば、せめて誰かのホヨル先輩になれるようにするにはどうすれば…って、みずからに引き寄せても思うところが多いし、そうじゃなくて今この世にもある、おそらくほとんどまったく同じ問題が至るところに、それに対してどうする、って、どうして何もしてくれなかったの?が、画面を越えてまっすぐ誰にでもささるし、しかして、ジュノとホヨルはまじで最高のバディだ、それは欺瞞とかおくすりのめたねの役割だけじゃなくて、たぶんここもほんとのところ、でも……書きながら泣きそうになってしまう……ドラマも5話あたりからずっと泣きながら見ていました。でもまた観たい。まだ全然わたしの中で感想がまとまっていないので支離滅裂です。もしまだ見てないけど手を握っててほしいというひとがいたらぜひ一緒に見よ。観てください。ホヨル先輩とアンジュノのこと大好きになっちゃった。シーズン2も本当に本当に期待しています。

 

・アッチェレランド

books.rakuten.co.jp

 5月、SFを読もうキャンペーンもひとりで始めてまして、それで読みました。だいたい10年以上前のサイバーパンクなので、ところどころ時代を感じるところもあるにせよ、ストロス自身がエンジニアということで、実際2009年でここまで見えていたのはすげえや、って思う。うしろむきなSFの楽しみ方。遠宇宙に行っちゃうあたりとか正直あーついてけんって思うけど、筋がめちゃくちゃ家族の3代記なのでそっちはわかりやすくて完全には置いてかれないようになっているのもうまい。おもしろかった。

 

・批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く

www.chikumashobo.co.jp

 図書館で借りて読みました。予約かなり待って、おお人気、と思っていたけど、読んでみたら人気の訳がわかった。めちゃくちゃ読みやすいし、おもしろい。私は批評というものをほとんどまったく読まない人間ですし、批評というものを完全にまったく書かない人間ですが、それでも批評をするモチベーションというものがちょっとわかったような気分になった。きっとすっきりした批評を書くことができたら本当におもしろいんだろうと思う。批評を読むモチベーションは引き続きあんまりわかっていないけど…

 

・西瓜糖の日々

www.kawade.co.jp

 おやすみの昼間にお酒を飲みながら読みました。めちゃくちゃ大正解という感じだった。小説と書かれているし、実際小説のようではあるのだけど、読者に対する作用としては散文で書かれた連作詩集に近い、と思う。たぶん。すくなくとも私に対してはそうでした。さらさらしていて、本当にあるような、ないような、地平線の向こうに不穏な影も見えて、でも足下からはよくわからないぼんやりした明るい光が差している、みたいな感じ。むかしからよく複数の本の冒頭に西瓜糖の日々が引かれていて、きっと好きであることはわかっていたけど、やっぱりな、って思いました。

 

・風にあたる

tankakenkyu.shop-pro.jp

 山階基さんの歌は、長い合宿が賞を取ったときに読んで、ちょうど私もその頃ルームシェアをしていたこともあって、そうだなあと思うところと私のルームシェアとは違うなと思うところがあり、気になってはいて、歌集が出たことは知っていたんですが、ちょうど2019年から歌集が置いてある本屋が身近でなくなってしまったこともあり、短歌を読むこと自体からも遠ざかっていて、このとき初めて読みました。はだざわりがさらさらしていて、叙情の波打ち際でゆびだけひたしている、という感じがして、やさしいひとだけどこころはひらいてくれないみたいな、そういう歌集だなと思った。そんなにたくさん気持ちは動かせない、という気持ちのときがあると思うのだけど、そういうときにめくりたい。晴れた河原でぼんやりとめくりたい。引っ越し作業の合間にぼんやりめくりたい。そういう感じでした。

 

・闇の左手

www.hayakawa-online.co.jp

 逆にこれまで読んでなかったんだって感じだよね。書籍を所有しているので、図書館から借りた本が切れたときだけちまちまと読んでいます。当然めちゃくちゃよい。わたし…闇の左手パロ…するかもしれない…読み終わったら…てくらいわれわれが当然大好きなやつだ。

 

・天の敵

www.ikiume.jp

 お借りした円盤で観ました(ありがとうございます!)。これを観ているときちょうど今度の再演のことがアナウンスされていてめちゃくちゃタイミングがよかった。おもしろかったのでネタバレはひかえますが、ド性癖シーンがあって(イキウメは欲私のド性癖シーンがある…)日々の中でふとそのところのことをちょっと思い出すこと、ある…

 

・女神様が見ている

www.ktofestokyo2022.com

 韓国観光公社のイベントで上映会があって、そこにいって1回、そのあと配信もあったので合計2回観ました。これもまた、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ、めちゃくちゃおもしろかった……韓国ミュージカル、おもしろいものしかないのかもしれん……

 舞台は朝鮮戦争末期、韓国軍の兵士ふたりが北朝鮮軍の捕虜4人を輸送するために舟で出発するんですが嵐に遭い、無人島に漂着して、捕虜と看守が逆転し、…という導入のあらすじのところだけ読んで、どれほどつらい話だろう、と思うと、ミュージカル全体のトーンとしてはすごくハッピーで、たのしいミュージカルなんだよね、DPのところでも似たようなことを書いたけど、このものすごく重くて熱いテーマと楽しくてさくっとしたトーンが両立しているというのが本当に本当にすごいなと思う、そういうのをもっといっぱい観たりしたい。一番好きな曲は北朝鮮軍の下から2番目の兵士であるところのジュファと妹のところ。たぶんだけど、たぶんなにがどうものすごく幸運に転んだって、約束はかなえられてなくて、でもこのとき、ジュファの頭の中に去来した幸福な記憶はほんとうなのだけど、でも、実際にあってあり得たことであり物語ではない…………と思うとだいぶ厳粛な気持ちにもなる。でも物語は続く。ミュージカル、媒体として力が強すぎて、心の中に素手を突っ込んでめちゃくちゃかき回されるなあという気持ちになる。すごく楽しい。また観たい。できれば私がめちゃくちゃ大好きな俳優であるところのイジュスンさんがスノかジュファを演じているところが観たい。またこころが落ち着いたら追記するかもしれない。

 

・関数ドミノ

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 シアターイーストで観ました。チケットを譲っていただいて2回観た(ありがとうございます!)。過去の関数ドミノをひとつも観たことがなくて、外の道WIPで配信してたやつとあと金輪町コレクションと外の道しか観たことがないのですが、それでだいたいイキウメってこんな感じかな~と思っていた感じと今作はだいぶ違っていて、びっくりした。けっこうドストレートこの世の話だった。浜田信也さんがものすごくよかった。黙っていて、舞台の上で、いろいろに立ったり座ったりしているだけでものすごい説得力があるというのは、あれはいったいなんなんだろう。ものすごく不思議だ。公演中なので致命的なネタバレなどは書かないようにしようと思いますが、ラストの慟哭、しょうじきわかりみある……と思って、大変身につまされた(だからなおのことこの世の話じゃんと思っちゃったのかな)。

 

・TraceU(キムジョングウビン、カンサンジュンボナ)

 この回こそは本当に前二回とも全然違っていた(つまり配信で観た3回とも全部まったく違っていたということです)。このときのウビンは、ボナよりもなんなら年下というか幼くみえて、あんまりしっかりしてないし、かわいい、と思っていたら、最後…

 トレイスユーは最後に劇中で出てきた曲を4曲ぐらいがーっと歌って終わるんですが、私は韓国語がほんとに全然わかっていないので、それが刀ミュでいうところの第2部というか、物語パートから独立しているライブパートだと思っていたんですよね。客席も立ち上がってコーレスもすごいし。だけど、このたびこの項を書くために初めてWikiを観たら、あのパートも物語の続きだったんだ!!!!!!このときのペアは、このライブパートも本当に物語の続きのようでした。とちゅうまでなんならウビンよりおにいさんぽく見えていたボナはもうめちゃくちゃになってしまって、ウビンを呼んで、そしたらウビンはイチゴ味チョコバナナウユを持って出てくるんだけど、ふたりでぴったり背中合わせになって歌って、ほんとうに幸福そうなのだけど、ウビンはずっとボナのことみてる、消えちゃうかもって顔でずっとみていて……本当におもしろいなと思った。全然違いすぎるじゃん、これまでの物語と。もう一回みたい。

 

・図書館的人生vol.2 盾と矛

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 私はイキウメの物語の中で一番か二番くらいにやさしい人の業火な「懐石」が好きなんですが、なぜかというと、人間のことをこんなふうに見て、書くことができる人間のつくるもの、本当に信頼できるなあと思うくらい人間のいやなところを露悪的じゃなくてただそこにあるというふうに描いているなあと思うからなんですが、こっちの版の懐石もめちゃくちゃよかったな。あと、金輪町コレクションで初見のときはできあがっていく状況のショックがつよすぎたし、直前に箱男とか見ていて頭がぼーっとしていたからかもしれないけど、リピーターの含意がこちらの版ではよりはっきりしていたような気がして、よりわかりやすくこわくなっていて、それもよかったです。ひとえさんは何するかわからない(妖怪的な意味でも)って感じだったけど、古河さんはあきらかに人間だけど、ますます何するかわからんってかんじで、それも怖かった。やっぱ懐石好きだなあと思った。

 あと瞬きさせない宇宙の「幸福」、初見だと思っていたら、獣の柱の序盤のところだったんですが、あっ獣の柱か!知ってる知ってると思ったからこそ短編としてのオチの救いのなさにうわ~~~っとなっちゃった。よかったです。

 

 

 総じて5月、カロリーが高い。時間と元気があるとこんなにいろいろなものを観たり読んだりできるんだなあ。あと物語ではないのでここでは言及しませんが私がこの世で一番大好きな劇団であるところのパラドックス定数の野木萌葱先生のトークショーに行くなどもしていました。ものすごくおもしろかった。我ながら5月にこんなに正当に元気だったのは初めてかもしれません。6月も元気を出していきたいです。あと6月は地道にちゃんと感想を書いてゆきたいです。

2022年4月に観た映画や、映画以外

 4月からは突然仕事が忙しくなくなり、時間がものすごくあるようになって、しかしてその時間を持て余していたので点数としては3月と同じくらいしかいろんな作品に触れていませんでした。こういうとき、みずからのワーカホリック性に気付いてしまいそうで結構いやになる…しかし大丈夫でこれは予告ですが5月も同じくらい忙しくなくなったけど正気を取り戻してめちゃくちゃいろいろ観ているから大丈夫だよ。

 

★2022年4月に観た映画(3本)

1. リトルフォレスト春夏秋冬

klockworx-asia.com

 逆になんで今まで見てなかったのって思うよね。すごくやさしくて、すごくいい映画だった。疲れたときにはまた見ようと思った。じゅんよるくんがすごくかわいかった。いい感じだった。これとラクを同時に撮っていたなんて信じられない…噂には聞いていたけどほんとに毒戦とは全然違う映画だった(当然すぎる)…こりゃ心配されるよ…3人で自分ちで醸したマッコリ飲んできゃっきゃしてるところがめちゃくちゃよかった。台風にやられた林檎畑でがんばるじゅんよるくんもよかった。3人の中で恋愛をするとかしないとかいう話になったらどうしようと思ったけどならなくてそれも本当にありがたかった。いい映画です。

 

2. クラウドアトラス(映画)

warnerbros.co.jp

 原作も読んだので映画も観た。映画はちょっと構成が変わっていて、シャッフルされていたのだけど、原作の後書きのところで6回物語のはじめを見せるわけには映画では行かないもんね、と書かれていたので、確かにね、と思った。やっぱペドゥナのソンミのところが映画としてもおもしろかったけど、小説で読んでてそこまででもだったのに映画になったら突然映えだしたのがキャベンディッシュの物語で、ソンミ世界でもキャベンディッシュの物語は映画だったけど、だからか!?と思ったりした。パブで乱闘になるところが特によかった。原作を先に読んでも映画がおもしろいこと、あんまりないんだけど(だったら原作を先に読むなよという感じだけど)、クラウドアトラスの場合は先に小説を読んだ方がいいとおすすめされていて、実際その通りだった希有な例だ…

 

3. 悪女

akujo-movie.jp

 はぎゅんさんが出てるから見たシリーズ。途中まで、魔女みたいなすごいパワー女の子もの(どういうジャンル?でもあるよねそういうの)かなと思っていたけど、はぎゅんさんとライフルスコープ越しに再会したあたりから流れ変わってきて(わたしこの韓国映画の流れ変わったなってなるところがめっちゃ好き)、はぎゅんさんがすっかり物語を喰ってしまっていたのが本当におもしろかった。はぎゅんさんとキムオクビンさんのやおいだった。アクションもかなりすごくて、カメラが本当に振り回されて、どうやって撮っているんだろうってとこがたくさんあってその点でもおもしろかった。

 

★2022年4月に観た映画以外

チェーホフも鳥の名前

knitcap.jp

 本当は劇場で観たかったんですが、断念してしまって…配信で観ました。そしたら、劇場で観ればよかった…ってすごく思った。たぶん、その場で響く音や、ひらめく光、揺れる空気、そこにいる人間の重さ、ごと、感じられた方が、もっとずっとめちゃくちゃよかったと思ったから。とはいえ、配信でもめちゃくちゃ本当によかったです。途中からよすぎてずっと泣いてた。

 あんまりたくさん観たことあるわけじゃない中から、これが好きなひとは好きだろなっていうのを挙げるとすると、外地の三人姉妹や、KAATの冒険者たちもわたしの中では同じ箱に入っています。土地に根ざした物語、舞台の上のやさしい打楽器、透ける光、しかして物語はときに重たく、でもここに暮らしているからには、目を背けるわけにはいかないでしょ、て感じの、本当に観てよかった配信だった。本当に重要情報ですが2022年6月26日まで配信観れるし、買えます!!!!!!観て!!!!!!!!

 そもそもチェーホフも数読んではないけど好きだし、おととしの立ち止まって考えるでチェーホフサハリン島の話聞いてたし、だいたい賢治は大好きだし、賢治の中でも特に春と修羅が好きなので、私にとっても答え合わせみたいな物語で、でもギリヤークの話とか極東ロシアの朝鮮民族の話とか、ほんのりは知っていたけど全然きちんとは知らなくて、でもチェーホフも鳥の名前のすごいところは、それが、めちゃくちゃ重たく痛ましくは描かれてなくて、そうも描けたろうに、舞台はあくまでさらりふわりと進んでいく、だから長い物語も水を飲むようにしてごくごくと観すすめられてしまう…ものすごくよかったです…観てほしい…

 

・ブラザーズカラマーゾフ

 4月にもまた配信があり、初めて観るキャストの回でした。このときのイワンはわたしが思ってる陰険で冷徹なイワンと違って、最初はなんかわりとアッパーで元気なイワン来たぞと思ったら、後半どんどんめちゃくちゃになってくれて、ほんと最高!!!!って感じでした。めちゃくちゃになるタイプのイワン大好き(つまりすべてのイワンが好きだ)。このときを最後にブラザーズカラマーゾフの配信は観れてないんですけどやっぱ円盤がほしいです。絶対好きなひといっぱいいると思うけど、ネイバーの配信ややハードルが高いので…

 

・ハングルへの旅

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 おすすめしてもらって読んだらものすごくよかった本。茨木のり子、実は詩は教科書とかで読まされるときの印象があって全然好きじゃないんですけど、この本はエッセイで、めちゃくちゃよかった。勉強しているというほどじゃないけど韓国語にちょっと触れているので、勉強を始めたばかりの似てるとこ見つけてうれしい気持ちとか、数字が難しいよ~!とか、わかるポイントもいっぱいあるし、あとやっぱ詩について書かれているところがすごくて、音の響きの美しさについて書かれている章を読んで、いつかぜったい原語で詩をよめるようになるぞ…と思った。独学もよいけどコミュニケーションを目的に語学をやっているならやっぱ教室にも行ってみたいよな…という気持ちにもなりました。

 

TIGER & BUNNY 2

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 乗るぜ!このビッグウェーブに!と思って、とはいえ2022年6月現在まだ9話までしか見てないんですけど…でもシーズン1だって私は放映からずいぶん経ってから見たけど、それでも全然おもしろかったから、大丈夫かなと思っている。だいたいどの話もきちんとハッピーになりつつどきどきさせてくるの、うまいなあ、と思いながら観てる。悪そうなテンション高いあかちゃんみたいなふたご、私絶対好きなんだよな。

 

・スリル・ミー(イジュスン×ペナラ)

youtu.be

 プレスコールの動画があったら貼りたかったけど、ジュスンさんとペナラさんの回が見つけられなかった…のでイベントと思わしき思い出せないあの夜のことの動画を貼ります。観てください。

 前述したブラザーズカラマーゾフで、あれ、韓国ミュージカル、好きかも…?となっていたタイミングで、韓国版スリルミーが配信で観れることを知りました。昨年の5月に日本版の配信は3ペアとも観ていて、そのときはそこまでぶっささるという感じではなかったのだけど、せっかくだし、字幕がなくても3回も見てるやつだから筋はわかるでしょ…と思って、見始めまして、そうしたらなんと毎週日月の配信を4週にも渡ってやるっていうから、じゃあ飽きるまで見るか…などと思っているうちに今ずぶずぶとはまりつつあるところなんですが、実はこの1回目の配信を観たときは、今ものすごく大好きになっているイジュスンさんに対してそこまで特別に何かという感じではなかったんですよね。そういうこともあるよね。むしろペナラさんが、めちゃくちゃ大型ネコ科動物って感じで最高だなこの彼、むちゃくちゃになるのも本当に上手だし…と思っていた。筋はだいたい一緒なのですが演出が韓国版の方が自由で、それどころかペアごとにけっこうかなり違っていて(これは韓国ミュージカルの特徴であるようだ)でもこの最初の配信のときはまだそれに気付いてなかったからへ~韓国版ってこういう感じなのか~ということに終始してしまった感…また観たい…

 

・秘密(劇団普通)

gekidan-futsu.com

 劇団普通は昨年夏に三鷹の星のホールで病室を観て、ものすごくよかったので、今度の新作も絶対観たいと思って、はやめにチケットを取っていました。そしたら私がめちゃくちゃ大好き俳優であるところの小野さんが急遽出るということになり、大変気持ちが混乱した…

 それはそれとして、今作もやっぱりものすごくおもしろかったです。そういってよければ、劇団普通の作品は、エンタメ性とはものすごく遠いところにあって、生活、それも全然ドラマチックじゃないほんとの生活が、そっくりそのままどこかから切り取ってきて舞台の上に動態展示してある、っていう感じなんだけど、それのどこがおもしろいのかっていうと、本当に隅から隅までおもしろいんだよな…不思議なんだけど…今回演じられた王子小劇場というところは、私がこれまでいったことのある劇場(少ないけど)の中でも一番くらいにちっちゃくて、それほど大きくない部屋の片隅が植木鉢で仕切られていて、それを囲むように客席が並べられていて、舞台(として区切られているところ)の後ろには小道具なのか本当にただそこに置かれているだけなのかわからないような脚立とか箱とかがそのまま置かれてあって、絵本のいすうまくんというのがあるのだけど、全然関係ないけど客席と舞台、物語とこの世のあわいが、本当に薄くなっているところが、いすうまくんに似ているなあと思った。これは実は事前にアドバイスをいただいていて、ちょうど客席の折れ曲がるあたりに座ったんですが、植木鉢で仕切られているわれわれ観客は、舞台上から観るとちょうど庭にあたるんですよね。それで、話の中で、みんなが庭を見るシーンがあるんだけど、そのとき俳優たちはめちゃくちゃ客席を見る(目が合った気がするとかじゃなくて本当に見る)のが、見る側と見られる側の転倒を感じて、すごく不穏になるし、めちゃくちゃよかった。劇団普通は台詞が全部茨城弁なんですが、私は東北の南側の出身なのでイントネーションとかはちょっとわかりみがあり、だからこんなにさもない日々の暮らしのようでいてずるずると物語に引き込まれてしまうのかな…本当に不思議だ…

 最後、主役であるところの娘が、本当に手が痛いんだよ、と、自分だけに負担がかかっていることを、父母に向けて訴えるシーンがあるのだけど、そのときお母さんの役のひとは、娘の手をさすって、つらいね、いたかったね、というのだけど、そのシーンが、わりと物語のクライマックスで本当だったら大変感動的なシーンになってもよさそうなところ、すごく空虚で、全然わかってない、母といえども全然わかってない、どの家にもどの家にも不理解がぎゅうぎゅうにつまってて、茨城じゃなくたってどこにもほんとは逃げるとこなんかない、やだー、すごくやだ、と感じられるシーンになっていて、これは私が誤読してしまったのかなと思っていたけどあとから人の感想を読んだり聞いたりしていたらやはりそのようなシーンであったようで(ひとによるけど)いやさを明示しないで巧みに観客として感情を繊細にうごかされるとき、魔法みたいで、演劇をみるようになってよかった、こんなわけわからん気持ちになることがあってよかった、って思う。

 

・スリルミー(キムヒョンジン×ノユン)

www.youtube.com

 2週目。キムヒョンジンさんとノユンさんです。この週はほんとにほんとに驚きました。なぜなら…………彼と私がほんとうにほんとうにラブだったからです!!!!!やばかった。付き合ってた。ていうかほんとに愛し合ってた。ただちょっと彼がニーチェに間違ったはまり方をしちゃっただけ、って感じだった。そんなスリルミーもあるのか。解釈が本当に自由だな…って思って衝撃を受けてこの週あたりからずるずると引き込まれ始めます。キムヒョンジンさんのこともかなり好きなんですけど、この2021年上期?のキャストにはもう一人キムウソクさんという私役の方がいらっしゃるんですが今回の配信ではウソクさんは見られなくて、ジュスンさんとヒョンジンさんが2回ずつみれて、ウソクさんもすごくかわいらしい感じの私であるとの噂を得ているのでそれは残念だけど、ペアシャッフルの醍醐味である相手によって演技が全然違うというのがめちゃくちゃよくわかってそれがすごくよかった。この次の週のジュスンさんとソクジュンさんの回が私はめちゃ興奮したのだけど、このヒョンジンさんとノユンさんの回は、お気に入りと言うにふさわしいあまあまの感じで、ずっとラブだったし、この回もまた見たいな…と思いました。

 

 4月は時間があったがゆえに韓国ミュージカルなどというものすごく深そうな沼に足を踏み入れてしまってこれからどうなっちゃうんだろう。どきどき。

2022年3月に観た映画や、映画以外

 3月もがぜん元気でいろんなものを観ていましたな。2月もだけど、いつか観たいな、と思っていた映画をこのへんでたくさん観て、答え合わせの感があった。ていうか3月ってもうほとんど現在じゃん。感想を書くのが追いつきつつある。油断せずいきましょう。

 

☆2022年3月に観た映画(4本)

1. 地球を守れ!

tsutaya.tsite.jp

 はぎゅんさんの出演作ということで、めちゃくちゃおすすめしていただいて、ものすごく気になったのでツタヤディスカスで借りました。あのね、観てよかった。たとえば、ひとのノートを借りて何の気なしにめくったとき、ノートにやばいことがめっちゃ書いてあって、ほんとにこれ借りて大丈夫だった?読んで大丈夫だった???ってなることあるじゃん?(ない)そういう気持ちになる映画でした。わかいはぎゅんさんはめっちゃかわいくて、それだけに、この、きらきらした目をした若者の頭の中で、いったいなにが、どうして、地球を守らなきゃと思わせたのか…こんな地球、守らなくたっていいじゃないか…って思っちゃうんだけど…でも…ほんとおもしろい映画だった。めっちゃ好み。ファンジョンミンさん(女性の方)演じる綱渡りの女の子もかわいくてやさしくてよかったな…手作りのお酒出してくれるところもめっちゃ怖かった…観るのにハードルが高いんですけど機会があったらぜひ見てみてくださいと言いたいです。

 

2. ゴッズオウンカントリー

www.finefilms.co.jp

 これもツタヤディスカスで借りました。実はブロークバックマウンテンを観たことがないので、よく並べて評されているけど、ラブの話としか知らず観た。そしたら、ラブの話でもあるんだけど、ラブと暮らしていくことの話、どっちもしていて、マカロニに塩をかけまくったり、お風呂にふたりで入ったり、使い終わったゴムが放ってあるのが見つかったり、ロマンチックからちょっとはみ出て、でも暮らしていたらあるタイプの、些細な行いの描写がすごく好きだなと思った。ジョニーの暮らし方はずっとすごく痛ましくて、持続可能ではどう考えてもないけど、ゲオルゲが来たから、変わることができる、みたいな、こうやって書くとすごく普通なんだけど、それがものすごく地に足の着いたうつくしさで描かれていて、きれいじゃないんだけど、山の上の小さな小屋でふたりでぎゅうぎゅうでねむる、その緊張感とか、ほんと恋愛映画としてじりじりどきどきした。めちゃくちゃハッピーだった。観てください。

 

3. 高慢と偏見とゾンビ

gaga.ne.jp

 後述しますがこの月に高慢と偏見を初めて読了したので、前から気になっていたけど原案を読んでもないのにな…と思って観たことなかった高慢と偏見とゾンビを観ました。ほんとに高慢と偏見を読んでから観てよかった。なぜなら、思ったよりもめちゃくちゃ高慢と偏見だったからです。なのにゾンビとなぜかカンフーまで入ってる。どういうことなんだ。要素が多すぎてちょっとはみ出てる。ステゴロアクション映画としてもなかなか見ごたえがあるのにドレスとかもめっちゃいいし高慢と偏見の翻案としてもおもしろい。すごいなあ。

 

4. マグニフィセントセブン

www.sonypictures.jp

 観たら絶対めちゃくちゃいいってわかってたから置いちゃってたシリーズ。当然めちゃくちゃよかった。七人の侍が下敷きと聞いていたのでわかっていたとはいえ散々好きにならされておいてからの闘いはたいへんつらい。噂に聞いていたイーサンホークとイビョンホンは当然やばやばによかったんですけど私たぶんリアルタイムだったらファラデーとバスケスにやべえはまりかたしてたな……あぶなかった……ところでイビョンホンのことはめちゃくちゃいろんなとこで観てたけど韓国映画だったらあんなにイビョンホンに要素をもりもりに盛っておいてそのうえ主役じゃない(みんな主役と言えばそうだけど)というのがめちゃくちゃ新鮮でおもしれ~これだからな!!って思いました。ていうかファラデーさんめっちゃかっこよかった。好きになっちゃう。お祭り映画は本当に脳によい。

 

☆2022年3月に観た映画以外

高慢と偏見

www.kotensinyaku.jp

 前述しましたが読書会でこの月高慢と偏見を読みました。おもしろいから!ほんとに!といろいろなところに書いてあるけど、おもしろいとはいえそれってつまりロマンス小説としてのおもしろさでしょ?ロマンス小説向いてないんだよなあ…と思っていたんだけど、読んでみると、実のところかなりバトル小説で、恋愛のすれちがいってか恋愛よりも前におうちとプライドでできためちゃくちゃでかい着ぐるみを着た状態でぶつかり合っているという感じでロマンス小説苦手人間でも全然おもしろかったです。でももちろんロマンス好き人間だったらもっとおもしろいんじゃないかな。名前忘れたけどミスターダーシーの親戚のレディが殴り込んで来るとことか本当に流れ変わったなって感じだったし一ミリも折れないリジーちゃんのよさがめちゃくちゃ出てた。なんとなく、現代で読んでもめっちゃおもしろいんだよな!と思う部分と、あ、そういうことで好きになったり嫌いになったりするんだ…やっぱ時代ちげえな…と思うところが(当然ながら)シームレスに出てくるのでやや混乱するのがおもしろい。これって新訳で読んでいるから感じる感覚というのもあるかもしれないな、訳文自体がやや古びていたら当然そういう昔のものとして読むと思うので…新訳も良し悪し…とはいえ小尾芙佐訳自体は読みやすくて馴染んでるしすごくよかったです。読む側の心持ちの話ね。

 

・九十九龍城

www.europe-kikaku.com

 配信で観ました。ヨーロッパ企画、お名前はめちゃめちゃ聞いたことあったけど、このとき初めて観た。めっちゃおもしろかった。演劇としてっていうか、ギミックももちろんめちゃくちゃおもしろいんだけど、なんか…これ褒め言葉になっているかわからないんだけど…ふつうにめっちゃおもしろい…素でおもしろい…こういうことあったらおもしろくない?ってことが起こるからおもしろい…て感じで、新鮮だった。あと私はめちゃ天丼が好きなんですけど九十九龍城では結構天丼が多発していて、しかしてそれがちゃーんと訳があるんだよな!!回収される!!回収の気持ちよさもすごかった。円盤で見るかもしれないひとがいると思うとあんまネタバレとかしない方がいいのかな。ミニチュアのアパートをみてて、ここにどんな人が暮らしているんだろう…って思うことあるじゃんか。それが見えちゃうみたいな感じでそれもおもしろかった。舞台セットがすごかった。配信ではオーディオコメンタリーもあったんですけどぎりぎりになっちゃって全部は聴けなくて、でもすごくおもしろいことを言っていたのでそれが後悔…

 

・ツインスター・サイクロン・ランナウェイ2

www.hayakawa-online.co.jp

 2巻は買って読みました。当然好きってことがわかってたから。当然好きだった。ところで1の感想を書いたときに小川一水の作品は人間を好きそうと書いたけど、小川一水作品の中ではときどき人間のことをものすごく苦しめるんだよね。天冥の標とか。でもそれは小川一水作品が人間のことをすごく好き故に人間がどうなったらすごく苦しくなっちゃうかわかっているからだと思うんだけど…たぶん…そういうくるしさが2にはありました。正直、正直ね?ツインスターサイクロンランナウェイは始まりがツインスターサイクロンランナウェイなんだけどランナウェイしなくてよくない!?テラとダイはいたいところでやりたいことを好きなように好きなだけできるべきじゃない?それを邪魔する側の方がどっかいっちゃうべきじゃない!?!?と思うきもちもあるんだよね。でも同時に、別に世界を変える責務なんかふたりには全然なくない?やだな~と思ったら立ち向かわなくてもいい、ランナウェイしちゃおうよ!そうだそうだ!というきもちもあり。揺れ揺れです。しかしてテラとダイはまじでラブだ。さっきラブロマンスはそんなでもないと言いましたっけね。でもテラとダイの恋は本当にあまずっぱくてきゅーんとしちゃうしこんなきゅんとするのほんとにひさしぶりだよってくらいきゅんとする…天冥のはなしすぐしちゃうけど思春期に小川一水作品でそれやこれやのものごころがついたものだから(4巻とかで…)小川一水作品にきゅんきゅんさせられる回路がインプラントされているのは当然と言えば当然…まあまず読んでくださいよ。騙されたと思って。騙してないから。

 

・ヴィンチェンツォ

https://www.netflix.com/title/81365087

 前から気になってたんですけどこのとき1話だけ見て、しかしてその続きを観ていない!ドラマの才能がない…カサノくんがめちゃくちゃこどもみたいな本当にかわいらしいお顔をしているのに暴力が結構エグくてでもギャグパートはめちゃくちゃギャグに振っていて、これどういう風に展開していくんだろう…気になる…(観なよ)

 

・アーモンド(舞台)

www.consept-s.com

 シアタートラムで観ました。長江さんがゴニ、眞嶋さんがユンジェの回だった。よいと思ったところと、残念だったと思ったところがあり、これらが表裏一体だったなと思った。何かというと、ものすごく原作小説に忠実な演出だったから…これが演出と気が合わないってやつなのかな…こんな生意気なこと言っていいのかわかんないけど…

 アーモンドは原作小説を読んでいて、原作小説はほんとめちゃおもしろくて、映画みたいだな(映画が好きなので)と思ったし、著者の方は映画の脚本とかも書いてると略歴にあったのでわかる~と思ったし、映画化しないかな(じゅんよるくんがユンジェで…)と思った。つまり、私はものすごく映像(というか、人間が動いて演じること)に向いている物語だと思って、だから舞台化を結構楽しみにしていたのだけど、実際の舞台は、かなり抽象的な演出がメインで、台詞も(きちんと読み込んだりしているわけじゃないんだけど)おそらくほとんど小説のままで、もちろん小説がおもしろいから物語はおもしろいんだけど、私の見たいなあと思って想像していたものとは違って、すごく小説を観て頭の中に想起されるものをそのまま舞台上に投影した…という感じだった…のが…やや…期待と違ったなって感じでした…もし原作小説を読まないで見に行っていたらまた違っていたろうか。

 よかったところもいっぱいあって、眞嶋さんと長江さんがダブルキャストであるがゆえに、私は片方しか見てないけど、ユンジェとゴニの動きやしゃべり、顔を向けるところ、向けないところ、がものすごくぴったりしていて、これはどっちもやっているからこそなのかなあって思った。衣装もおしゃれですごくよかった。半分くらいは神農さんが観たくて行ったんですけど神農さんはいろんな役をくるくると演じて鮮やかだったし背が高くてすごくうつくしかった。ストリング生演奏なのもおもしろいやり方だなと思った(スピーカー音量をもうちょっと抑えて舞台からの音を聞かせてもらえたらもっとよかった。ヴァイオリンの回だったからしょうがないのかもしれないけど…それはそうと最近2022年6月現在韓国ミュージカルを結構観ていますが小編成で舞台上生演奏というのをふたつ観ておりそういう文脈もあったりしたのかな)。もちろん演技や演出によくないところがあったとかじゃなくてすごくよかったし単に想像していたものと違っていたという話だ…特にユンジェの役だった眞嶋さんは初めて観たけど(長江さんはイタちゃんやっているのを円盤で観たことがあったので)最後ユンジェの感情がぱきっと開くシーンがすごく鮮烈だったので他の役を演じているところも観たいなってすごく思いました。

 

アルセウス

www.pokemon.co.jp

 私の初めてのポケモン(うそ、ほんとはポケモンスナップも積んであるけどポケスナはちょっとまた違うから…)。ポケモンのゲームというものを生まれて始めてやりました。こどもの私がまた一人成仏した。ポケモンって楽しいね。ブイゼルつかまえすぎてブイゼルのこと好きになった。シシガミ様に乗って走るのが好き。いま火山島のガーディでつまっててまた積んでいるんですけど…

 

メサイア 暁ノ刻

ody-inc.com

 お借りした円盤で観ました(ありがとうございます)。メサイアは小説しか読んだことがなくて、シリーズの途中から観て話わかるかなと思ったけど、ひととひとのあいだの感情の流れがとてもとてもわかりやすく書いてあったので全然心配なかった。私は杉江さんと井澤さんがそれぞれに好きだったので、最初の登場人物紹介みたいなところであっ井澤さんだわーい!杉江さんだわーい!と思っていたら、なんと井澤さんと杉江さんがバディていうかメサイアどうしだったのでめちゃくちゃうれしくなっちゃいました。人工衛星を落とす物語はいい物語。

 

クラウドアトラス

www.kawade.co.jp

 おもしろかった。ひさしぶりに分厚いSF読み通した。けど、物語が6つあるので、めちゃくちゃ長い物語を読んだ~!という気持ちにならないのが不思議だ…上巻を読み終わって、下巻を読み始めたとき初めて構造に気付いて、なるほど!なるほど!と思ったのがめちゃおもしろかった。全体としてオチがあるようなないような、でも一番内側の層であるところの遠未来で着陸しているから別にもう船旅に着地点がなくてもいいんだろうか…スンミの物語がやっぱ一番おもしろかった。

 

 3月はまじでしごとがやばかった記憶があるのに点数としてかなりいろいろ観てるし見習いたい。毎月このようにやっていきたいですね。